税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業44年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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個人番号カード開始

住基カードと個人番号カードの比較と問題点

 2016(平成28)年1月からマイナンバー制度に基づく個人番号カードの交付が開始されることにより、住民基本台帳カード(以下「住基カード」という。)が今年の12月以降交付されないことになりました。前回はそれに伴う有効期限の確認等の注意事項についてお話しました。今回は住基カードと個人番号カードを比較して問題点があれば、それについて考えたいと思います。

1.個人番号カードと住基カードの違い
(1)券面の記載内容
 ①番号の記載の有無
   住基カード:住民票コードの券面記載なし
   個人番号カード:マイナンバーを券面裏側に記載あり
 ②顔写真
   重基カード:顔写真は選択制
   個人番号カード:顔写真を券面表側に表示
(2)電子証明書
   住基カード:署名用電子証明書(e-Taxでの確定申告等の電子申請に利用)
   個人番号カード:①署名用電子証明書
           ②利用者証明用電子証明書(コンビニ交付やログイン等の本人
                          であることの確認)
           ③民間利用
(3)手数料
   住基カード:500円(電子証明書の掲載で1,000円)
   個人番号カード:無料(電子証明書を含む)
(4)有効期間
   住基カード:①住基カードは10年
         ②電子署名書は3年
   個人番号カード:①個人番号カードは発行日から申請者の10回目の誕生日まで
           (20歳未満は、容貌の変化を考慮し、5回目の誕生日まで)
           ②電子証明書個人番号カードは発行日から申請者の5回目の
             誕生日まで

(5)利便性
   住基カード:①身分証明書
         ②市町村における付加サービス
             (コンビニ交付、図書館利用等)
   個人番号カード:①身分証明書
          ②個人番号を確認する場面での利用
            ③市町村、都道府県、行政機関等による付加サービスの利用
          ④コンビニエンス交付利用の拡大
          ⑤電子証明書による民間部門を含めた電子申請・取引等における
            利用

 これらの住基カードと個人番号カードについての違いは総務省のホームページに示されたものであるため、交付手数料の無料化付加サービスの拡大など、一見個人番号カードのほうが使い勝手が良さそうにも思えます。
 ただし、住基カードには住民票コードの記載が無いのに対して個人番号カードの裏面にはマイナンバーが記載されていますし、民間の利用という住基カードではなかった機能が付されました。身分証明として利用する場合や民間利用についてのリスクは大丈夫なのでしょうか。
 その対策として特定個人情報保護委員会の設置と公的個人認証サービス利用のための民間事業者向けガイドラインが策定されています。

2.特定個人情報保護委員会
 特定個人情報保護委員会は、『行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律』(平成25年法律第27号)に基づき、個人番号その他の特定個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な措置を講ずることを目的に、2,014年1月1日に日本の内閣府の外局の第三者機関として設置されました。
 マイナバーが含まれる特定個人情報の取り扱いに関する監督(立入検査、報告徴収、指導、助言、勧告、命令等の権限の行使)、情報保護評価に関すること(指針の策定や評価損の承認)、特定個人情報の保護についての広報・啓発、これらの事務のために必要となる調査・研究及び国際協力等を行います。
 現在、マイナンバーガイドラインの策定や注意喚起などを行っています。

3・公的個人認証サービス利用のための民間事業者向けガイドライン
 特定個人情報保護委員会そ策定したガイドラインの一つです。 公的個人認証法が改正され、2016(平成28)年1月より民間事業者においても署名検証者となり、公的認証サービスを活用できることになります。口座開設等の申込やネット上での取引での第三者によるなりすましやデータ改ざんをふせぐため本人確認手段を提供するサービスです。

4.消費税還付案にも検討された個人番号カードの利用
 消費税10%引上げに際して、個人番号カードを利用した飲食料品の税の負担増分を還付する案を財務省が検討しました。個人番号カードが広く普及しなけれが実現できないこと、個人番号カードを携帯することにより紛失や盗難など犯罪に巻き込まれるリスクや店に置く端末に掛かるコストの問題などがあり実現しませんでした。マイナンバーがスタートすれば、今後もこのように利用されることも十分かんがえられます。

 マイナンバーのような番号で日本人に馴染み深いのがアメリカの社会保障番号や韓国の住民登録番号でしょう。それぞれ50年以上の歴史があり、国民も国もこれらの番号を利用することで様々な恩恵があるのですが、近年番号流出による成り済まし問題と被害が増加しています。そのために、番号をあまり公にしないようにしたり、利用しない制度の検討や民間での利用制限などが検討せれているようです。
日本のマイナンバー制度もこれらの番号制度を参考にしてできているので日常生活での利便性の向上とともに番号流出や成り済ましの問題が発生することでしょう。
 しかし、日本は後からスタートするのですから、予めどのような問題が発生するかは分かっているはずなので対応が後手に回ることは許されないのではないでしょうか。

            参考資料  住民基本台帳カード総合情報サイト
                  公的個人認証サービスポータルサイト
                  個人番号カード総合サイト
                  総務省 個人番号カード

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マイナンバー制度に伴い住基カード廃止

住基カードの有効期限内でも個人番号カードへの切り替えが必要な場合も!

 2003(平成15)年8月から有効期間10年で交付が始まった住民基本台帳カード(以下「住基カード」という。)は、2016(平成28)年1月からマイナンバー制度に基づく個人番号カードの交付が開始されることにより、今年の12月以降交付されないことになりました。現在手元にある住基カードは表記された有効期限日まで利用可能です。
しかし、住基カードに格納される電子証明書(公的認証サービス)でe-Taxを利用している人は注意が必要です。

1.住基カードに格納されている電子証明書の有効期限の確認
 住基カードの有効期間が10年であるのに対して、電子証明書の有効期間は3年と短いので、住基カードに記載されている有効期限とは異なります。有効期限がいつまでかを知るためには「公的個人認証サービスポータルサイト」から「利用者クライアントソフト」をダウンロードして「自分の証明書」から確認が可能です。
 なお、電子証明書の有効期限内であれば、有効期限の切れた住基カードであっても電子証明書は使用できます。

2.住基カードへの電子証明書の発行及び更新は12月22日まで
 2016(平成28)年から発行される個人番号カードは電子証明書が標準搭載(希望者には失効可能)されており、有効期間は5年(5回目の誕生日まで)と住基カードよりも長くなっています。
 住基カードによる電子証明書の発行及び更新は今年の12月22日までとなっています。年内及び年明け早々に電子証明書を利用する場合には、有効期限を確認して必要があれば、12月22日までに所定の手続きをしなければなりません。

3.ICカードリーダライタの確認
 住基カードに格納された電子証明書を読み込む際に使用しているICカードリーダライタ(以下「カードリーダー」という。)が個人番号カードでも引き続き使用できるのかが気になります。個人番号カードの場合には全国市町村において利用できるカードリーダーは全国で同一です。しかし、住基カードは電子証明書を発行手続きをする市区町村によって利用できるカードリーダーは異なります。従って、今まで使っていたカードリーダーがそのまま利用できるかは、公的個人認証サービスポータルサイトなどから確認が必要となります。

4.個人番号カードでできること
 個人番号カードには大きく分けて3つの利用箇所があり、それぞれを利用することにより様々なサービスが提供されることになります。
(1) カード券面による利用(個人番号)
 表面は金融機関等本人確認の必要な窓口において身分証明書として、また裏面は個人番号の提示を求められた際に使用できます。
 マイナンバー制度導入後は、就職、転職、出産育児、病気、年金受給、災害等、多くの場面で個人番号の提示が必要となります。その際、通知カードであれば、運転免許証や旅券等他の本人確認書類が必要となりますが、個人番号カードがあれば、一枚で番号確認と本人確認が可能となります。

(2)ICチップの空き領域の利用
 個人カードのICチップには空き領域があり、この領域は地方自治体の条例または国の機関等は総務大臣の定めるところにより独自のサービスが可能となります。
  市区町村  :印鑑登録証、コンビニ交付、証明書自動交付機
  都道府県  :都道府県立図書館の利用者カード
  国の行政機関:国家公務員の身分証明機能(入退館管理)

(3)電子証明書の利用(署名用電子証明書、利用者証明用電子証明書)
 個人番号カードには、ICチップに、「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」という、公的個人認証サービスによる2つの電子証明書が標準的に搭載されます。 
 これら2つの電子証明書については、2016(平成28)年1月から総務大臣が認める民間事業者も使用可能となります
①署名用電子証明書
 氏名、住所、生年月日、性別の4情報が記載され、e-Taxの確定申告など電子文書を送信する際に使用できます。
②利用者証明用電子証明書
 マイナポータルやコンビニ交付の利用時等、本人であることを証明する際にその手段として使用できます。

 以上のようにメリットだけを考えれば利用価値があるようですが、民間でも利用できたり、将来キャッシュカード機能を持たせる予定があるなど問題はないのでしょうか。次回は住基カードとの比較とともに考えていきます。

           参考資料  住民基本台帳カード総合情報サイト
                 公的個人認証サービスポータルサイト
                 個人番号カード総合サイト
                 総務省 マイナンバー制度と個人番号カード

| 納税環境整備 | 09:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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外国人の海外扶養親族控除に網が!

外国人の海外扶養親族控除に網が!

12月は企業の給与担当者にとっては年末調整の時期でもあります。
2015年度(平成27年)税制改正のうち、所得税関係で注目を集めているのが「国外居住者に係る扶養控除」の改正である。
日本人の労働者人口の高齢化や人口減少により、毎年増え続けている外国人労働者の海外扶養者の把握は、本人申請が中心であり、法律的に明確な規定は有りませんでした。しかし今年の税制改正により、2016年(平成28年)1月1日以降に支払う給与等からこの制度の対象が始まります。
具体的には「扶養控除等申告書」などの提出時に、その国外居住親族に係る「親族関係書類」及び「送金関係書類」を勤務先に提出・提示しなければ扶養控除が出来なくなったのです。           (所法194条 所令316の2 所規47の2) 
              
 所得税法施行令14条1項では、外国人労働者であっても日本国内の勤務が1年以上となれば「居住者」と推定され、一般の日本人労働者と同じ適用になり年末調整の対象者になります。ちなみに非居住者の場合の源泉所得税率は一律20.42%になっています。
そして、外国人労働者は自国に家族を残して日本に働きに来ている人が多く、日本人の扶養親族数と違い扶養親族が多いのも特徴です。従って、国外にいる配偶者や扶養親族の確認・把握が難しく不明瞭でもありました。そこで所得税法を改正し法の縛りを制定したのです。
そして、この改正内容の周知を図る為、国税庁ではホームページを通じて問題が起こりそうであると思われる事項を、質問形式で2015年9月25日付で公表しています。全体では33問Q&Aになっていますが、重要であるのは以下の点である。
1 親族関係書類の提出
 国外居住親族が居住者の親族であることの証明書である。
① 戸籍の附表の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族のパスポートの写し。 
② 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類で、親族の名前・生年月日・住所又は居所のあるもの。
 上記いずれかの書類を基本的には毎年提出する必要がある。なお、所得税法上で言う親族とは、6親等の血族、配偶者、3親等内の姻族を指し、民法規定と同じである。
2 送金関係書類
 外国人居住者がその年において国外親族への生活費又は教育費に充てるために、金融機関からその都度各人に行ったことを明かす書類で、送金表などを言います。
3 送金額の基準はあるのか
 国外扶養者への送金基準は特に定められてはいない。ただし年間の送金額が少額であると考えられる場合には、送金者に送金の目的・理由等を確認しておく必要があろう。
4 国外親族が複数いる場合に送金を1人の代表者に送った場合。
 送金関係書類については、その年において、国外居住親族の生活費又は、教育費に充てるとための支払いを、必要の都度各人に行ったことを明らかにするものとされているため、扶養控除の適用を受けるためには、各人別の送金関係書類が必要となる。従って代表者にまとめて送金等がされている場合には、その代表者の人のみしか該当しない。代表者以外の人の国外居住親族は該当しないことになるので、注意が必要だ。
5 国外親族への送金が複数年分だけまとめて行われた場合
 送金関係書類は、その送金をした年分の「送金関係書類」にしか該当しないので、複数年一緒に送ったとしても、その送金年分としか取り扱われない。
6 本国に戻って現金で渡した場合はどうか。
 本人が本国へ一時帰省して扶養親族へ現金で支給した場合に関しても、本人からの申立書が提出された場合であっても、その申立書は、所得税法に定める「送金関係書類」に該当しないので、扶養控除等の適用は出来ないことになる。

このように今後は、外国人労働者の扶養控除の適用は「親族関係書類」及び「送金関係書類」が提出されない限り適用されないことになり、かなり厳格化されたことになる。
外国人労働者を抱えている企業では早急な対応を迫られることになる。
来年1月1日から施行されるマイナンバーの管理だけでなく、外国人労働者の管理も具体的におこなって行かなくてはならない。給与担当者は頭の痛い年になりそうだ。

              参考資料:国税庁 HP

| 所得税・所得控除及び税額控除 | 09:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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富裕層は「国外財産調書」提出で丸裸

富裕層は「国外財産調書」提出で丸裸

国税庁では現在富裕層への課税強化と監視を強めています。特に富裕層への国外財産への監視強化がされつつあります。その主たるものとして2014年1月より施行されている「国外財産調書」です。
国外財産調書制度とは、毎年12月31日時点で5000万円以上の海外資産を持つ人に対して、財産の種類・価格・所在地などを記載して、翌年の3月15日までに税務署に提出を義務付けている制度です
2014年度1年間は初年度という事もあり罰則は無かった。しかし今年(2015年度)からは罰則の適用が始まり、正当な理由なく期限内に提出が無い場合、または虚偽記載の場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が適用になる。
それでは施行開始から今年2年目を経過した現在の状況はどうであろうか?
国税庁発表の数字を2年間集計し見比べてみよう。

           財産の種類別を国税庁のHPより抜粋
財産の種類別総額財産の種類 2013年度総額2014年度総額前年比増加率

有価証券  1兆5,603億円   1兆6,845億円      108%
預貯金     3,770 億円      5,401       143%
建物      1,852          2,841       153%
土地       821           1,164       142%
貸付金     699           1,068     153%
上記以外の財産 2,396        3,831       160%
合   計    2兆5,142       3兆1,150     129%

総提出件数は2013年度全国で5,539件、その内東京国税局は3,755件でした。2014年では8,184件で東京国税局は5,382件と全体の65.8%を占めています。
このことからも分かるように、東京国税局を中心に着実に調書の提出が増えていることが分かります。
2015年度税制改正では、新たに、「非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度」が創設されました。この制度は国内の金融機関に対し、非居住者(個人・法人)の氏名・名称、住所、本店所在地。口座残高及び利子・配当等の年間受取総額等の情報を所轄税務署に提出ことを義務付けしました。これにより税務署から国税局に集約された金融口座情報は、各国との租税条約などに基づき各国国税当局との情報交換が行われることになり、2017年1月1日より適用されます。
従って、国外財産調書を届出しない人がいたとしても、いずれ海外の国税当局から日本の国税局に情報が入ってきて、発覚されることもあるでしょう。
 事実、2015年10月22日の日本経済新聞では、韓国の大手銀行「新韓銀行」の株を保有する国内の株主数人が大阪国税局の税務調査を受け、3年間で株の配当や譲渡所得など計15億円超の申告漏れを指摘されています。大阪国税局は日韓租税条約に基づき、韓国の税務当局から寄せられた国外財産調書の情報と照合し、申告漏れを発見したそうである。
2015年7月7日に新たに就任した国税庁長官中原広氏は、記者会見で「富裕層や多国籍企業の租税回避行動に積極的に対応する」と抱負を語っており、あらゆる資料情報を活用し、富裕層などを的確に把握し適正課税に努めたいと述べている。この発言でもわかるように国税庁がこの数年間、活動の重点項目に「富裕層」と「海外取引」を掲げており、今後も富裕層への締め付けは更に強まると予想される。
富裕層の皆さん、くれぐれも出し忘れ、虚偽記載をしないように、日頃から自分の財産の管理をしておきましょう。
                              
              参考資料:日本経済新聞電子版 2015年10月22日
                    NP通信社社長のミカタ2015年12月号
                    国税庁HP


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