税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業44年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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10年ぶりの税理士実態調査について

日税連‘10年ぶりの税理士実態調査’を行う!

 10年ぶりに日税連により税理士の実態調査が行われた(報告書は、全538ページ)。この業界はIT社会の進展なども相まって前回調査時点と比べて大きく変わっているようです。気になるのは、税理士の年齢層や関与先の件数、顧問報酬です。
 まず、税理士の年齢層ですが、以前から高齢化が進んでいるという情報はありましたが、実態はどうなのでしょうか。
この‘税理士実態調査’は、1962年(昭和37年)まで国税庁が実施していたようですが、そのあとは税理士業界の自主性を高めるという観点で1968年(昭和43年)に日税連が引きついで行われています。それ以降は、ほぼ10年ごとに予備調査を挟みながら調査が行われてきました。そして、1984年(昭和59年)以降は、10年ごとにきちんと行われています。
 今回は6回目になりますが、基準日は2014年(平成26年)1月1日です。
 税理士会員7万7007人(開業税理士、補助税理士、社員税理士、税理士法人)を対象に実施されたものです。有効回答は3万3767件で、回答率は43.8%。調査結果は現在の税理士業界の実態をほぼ反映しているといってよいでしょう。
 3回調査からの10年間の増加率40.8%と比べると今回は、大きく下回っていることがわかります。

(1)税理士の年齢層
 税理士の最も多い年代をみると60代です。過去3回の調査結果の推移をみると、1984年(昭和59年)の最も多い年代は50代、2004年(平成6年)は60代、2016年は70代となっている。つまり、今回調査時点で80代の世代の人が、これまで最も多かったのです。申告納税制度や税理士制度の誕生を10代~20代で迎えたこの世代(80代)は、今回調査では1割強と、大きく占有率を下げている。これは、死亡した人や70歳を超えて引退した人が多く、事業承継が進んだためであることがわかる。とはいえ、税理士業界全体では高年齢層がいまだ多いことには変わりはないのです。年代層に関するデータを単位会別にみると、東京会と名古屋会では50代以下の税理士で全体の5割強を占めている。近畿会もほぼ5割。しかい東北会では3割を下回って最も割合が低く、70歳以上は反対に3割以上で最も高い。
 都市圏では比較的、‘若手’が多く、地方では高齢層が多い傾向にある。
 地方では高齢層の税理士が長く続けていて、顧問先も税理士を変えることをしない現状があるためだと思います。

(2)関与先の件数
 まず、平均関与先件数を見ていきます。国税の税務書類作成・税務代理の平均関与件数は134.4件となっています。10年前の98.9件から大きく増えています。この傾向は税務相談・その他の関与先件数でも同じで、前回の2004年(平成16年)の平均の16.1件から2014年(平成26年)は26.8件に増えています。
 この背景には税理士事務所の大規模化が影響しているようです。事実、税務書類作成・税務代理の開業税理士の平均関与件数は118.4件、税理士法人は523.3件と差が出ています。個人事務所が合併して税理士法人になることで、事務所あたりの関与件数が大きく増えた実態がうかがえます。

(3)顧問報酬月額
 個人の顧問報酬月額を見てみると、1万円超3万円以下が50.9%で最も多く、1万円以下の34.7%と合せて3万円以下が8割以上を占めることが分かります。この1万円以下の報酬月額は、前々回調査の23.4%、前回調査の29.3%から増えています。法人についても同様で、1万円超3万円以下が最多で52.5%、1万円以下が7.7%です。IT化の進展で‘顧問報酬9千円’‘低報酬で対応します’というような広告メール・インターネット等を行っている事務所を多く目にするようになりましたが、今回の調査でも低価格で受注する事務所が増えていることが明らかになりました。
 決算報酬は、個人は‘5万円以下’が49.6%で最多です。‘5万円超10万円以下’が29.6%でした。
 法人は‘10万円超20万円以下’42.5%、‘5万円超10万円以下’20.3%、‘20万円超30万円以下’18.2%でした。いずれも顧問報酬月額と同様に、最も低価格(5万円)の層が前々回調査、前回調査と比べて増えているのがわかります。
(参考:税理士新聞第1481号、日税連報告書)

*年代別占有率の推移無題資料
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国外扶養親族に係る扶養控除等の書類の添付等義務化

 扶養控除については、これまでも改正が行われてきました。平成22年度税制改正では、こども手当の創設とあいまって、年少扶養親族(~16歳)に対する扶養控除が廃止され、高校の実質無償化に伴い16~18歳までの特定扶養親族に対する扶養控除の25万円の上乗せが廃止されました。
 平成27年度税制改正により、扶養控除についても改正が行われています。

1.改正の内容
(1)書類の提示又は添付・提出
①給与等又は公的年金等の源泉徴収
 非居住者である親族に係る扶養控除、配偶者控除、又は障害者控除(以下「扶養控除等」という。)の摘要を受ける居住者は、親族関係書類を提出し、又は提示しなければならない。
②給与等の年末調整
 非居住者である親族に係る扶養控除等の摘要を受ける居住者は、送金関係の書類を提出し、又は提示しなけらばならない。
 また、非居住者である配偶者に係る配偶者特別控除の適用を受ける居住者は、親族関係書類及び送金関係の書類を提出し、又は提示しなけらばならない。
③所得税の確定申告
 非居住者である親族に係る扶養控除等又は配偶者特別控除の摘要を受ける居住者は、親族関係書類及び送金関係の書類を確定申告書に添付し、又は確定申告書の提出の際提示しなけらばならない。
 ただし、上記①又は②により提出又は提示した書類は、添付又は提示を要しないこととする。
(2)親族関係書類
 次の①又は②のいづれかの書類でその非居住者がその居住者の親族であることを証するもの。
 ①戸籍の附票の写しその他国又は地方公共団体が発行した書類及びその親族の旅券の写し
 ②外国政府又は外国の法人が発行した書類(その親族の氏名、住所及び生年月日の記載のあるものに限る)
(3)送金関係書類
 その年における次の①又は②の書類で、非居住者である親族の生活費又は教育費に充てるため、居住者からの支払が必要の都度行われたこと明らかにするもの。
 ①送金依頼書
 ②クレジットカード利用明細書等
(4)摘要開始
 2016(平成28)年1月1日以後に支払われる給与等及び公的年金等並びに2016(平成28)年の所得税について摘要する。
(5)その他注意事項
 (2)又は(3)の書類が外国語により作成されている場合には、訳文を添付等しなければならない。

2.書類添付義務化の背景
(1)平成25年度決算検査報告
 以前から扶養控除については税金逃れに悪用されているいわれていましたが、会計検査院からの「平成25年度決算検査報告」により具体的な数値で示されました。
 2012(平成24)年分の確定申告等について、扶養控除の申告額が300万円以上となっている納税者が5人以上いる124税務署について調査をしています。

 ◎扶養控除等の申告額が300万円以上の納税者数・・・1,576人
 ◎1,576人に係る扶養控除摘要額・・・計51億4,743万余円
 ◎上記1,576人のうち、扶養控除摘要額がない納税者・・・22人
 ◎扶養控除摘要額がない22人を除く1,554人の国籍
          ・・・外国人542人(34.9%)、日本人942人(60.6%)、
             不明70人(4.5%)
 ◎上記1,554人のうち控除対象扶養親族全員の居住国
                 ・地域が確認できた納税者・・・1,426人
 ◎1,426人の申告した控除対象扶養親族・・・国内1,264人、国外12,786人
      国外扶養親族の内訳・・・フィリピン共和国8,342人、
                  ブラジル連邦共和1,330人、
                  中華人民共和国821人、その他2,293人
 ◎1,426人のうち国内扶養親族のみを扶養控除の対象としている納税者・・・130人
 ◎1,426人のうち国外扶養親族も扶養控除の対象としている納税者等
        ・・・納税者数1,296人、1,296人に係る国外扶養親族数12,786人
 ◎国外扶養親族12,786人に係る扶養控除摘要額(国外扶養控除摘要額)
                          ・・・計41億5,485万余円
 ◎国外扶養控除摘要額を基に推計した所得税の減税額・・・計4億9,858万余円
 ◎1,296人のうち所得税が0円となっている納税者・・・892人(68.8%)
                 892人のうち17人は所得金額が900万円以上 
(2)国外扶養控除の問題点
 国外扶養控除については、続柄証明書類及び送金証明書が税務署に提出されていなかったり、提出されていても申告した年においてその親族の生存の有無及び住所を確認できなかったり、納税者の友人等の第三者を通じるなどして現金を手渡したとしている申立書のみが提出されていて送金の事実が確認できないなど、控除対象扶養親族の要件を満たしているか税務署が十分に確認できない状況となっていました。
 また、送金明細書類から送金額が確認できた納税者1,123人についても、その送金額が扶養控除摘要額の20%未満である者が361人もいることが判明しました。担税力の減殺された分を上回る国外扶養控除摘要額となっている納税者の多数いる実体についても明かとなっています。

 国際化の進展に伴い社会情勢が変化している中で、扶養控除の実態についても見直しをする時期が来ているようです。
改正による書類添付の義務化が即問題解決に通じるかは不明ですが、問題解決の一歩として見守ることが必要でしょう。
 
      参考資料  平成27年度税制改正大綱
            平成25年度 決算監査報告 第4章 (会計監査院)

| 税制改正 | 16:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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異例の課税取り消し・不服審裁決

説明不足で課税取り消し! 国税不服審判所裁決!  

朝日新聞に異例の課税取り消しの記事が載っていたので、紹介したいと思う。
「東京国税局が神奈川県の会社社長らに相続財産約8億円の申告漏れを指摘したことをめぐり、東京国税不服審判所が昨年11月、‘課税理由を説明しておらず、違法だ’として、約2億5千万円の追徴課税を取り消していたことが分かった。説明不足が原因で、課税が取り消されるのは極めて異例だ。」というもの。 

2013年1月1日の施行の改正国税通則法(2011.12.2改正)は、税務調査の明確化を目指し、所得隠しや申告漏れなど納税者に不利益な処分をする場合は、すべての納税者に課税理由を書面で説明するように義務付けている。
国税不服審判所(以下、「審判所」という。)の裁決は昨年11月18日付きで行われた。社長ら遺族3人は、2011年に亡くなった父親の土地や株式など約8億円の財産を相続した。一方で、父親は合資会社の債務を負う‘無限責任社員’で、その会社には約14億円の債務があったとして、相続税はかからないと税務署に申告した。
これに対し、国税局は父親が無限責任社員になったのは相続税の回避が目的で、約14億円の債務を請求される見込みもないと判断した。13年に約8億円の申告漏れを指摘し、約2億5千万円を追徴課税した。遺族は‘債務は存在した。課税の理由も説明されていない’として、国税不服審判所に課税の取り消しを求めた。
審判で、国税局は‘課税の理由は、金額と適用法令が提示されれば十分’と主張したが、審判所は、‘課税の理由が不明で、法律の要件を満たしていない違法な処分だ’として課税を取り消した。実際に債務があったかどうかについては判断しなかった。
審判所で課税が取り消された場合、通常は裁決の内容を覆す‘新たな情報’などがなければ、国税局側は改めて課税することはできない。しかし、国税局は今回のケースについて、‘課税の理由を明示しなかった形式的な誤りだ’として、裁決で説明不足と指摘された点を改め、課税し直すかどうかを検討しているとみられる。
これに対して、国税庁OBの酒井克彦中央大学商学部教授(租税法)の話では、‘課税理由の説明は、国税局側と納税者側の争点を明らかにする機能があり、国税局は理由を示さなければ課税してはいけない。今回の場合、課税の理由は何通りも考えられ、審判所の裁決は正しい判断だったと思う。2013年施行の法改正を受け、各国税局は課税理由を納税者に的確に示す研修をしているが、さらに徹底するべきだ。’と述べている。
改正通則法が施行後の今回の課税取り消しは確かに説明不足が理由で行われたのは異例だと思いますが、国税局側の一方的な判断で追徴課税が行われることは避けなければならないし、課税の根拠も‘金額と適用法令が提示されれば十分’とするのは納税者の権限を脅かすものであることは間違いないと思いますが。
最後に通則法の改正条文を載せておきます。

*通則法74条の11
(調査の終了の際の手続)《追加》平23法1142 国税に関する調査の結果、更正決定等をすべきと認める場合には、当該職員は、当該納税義務者に対し、その調査結果の内容(更正決定等をすべきと認めた額及びその理由を含む。)を説明するものとする。


(参考:2015.4.19朝日新聞記事、改正国税通則法)

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| 税務訴訟 | 13:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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 国税庁「平成25年度会社標本調査」結果を公表

-赤字法人が6年ぶりに6割台に-

毎年国税庁は「会社標本調査」結果を公表しているが、今年、平成25年度版は2015年3月26日付けの国税庁ホームページにおいて公表した。この調査は我が国の法人企業について、資本金階級別や業種別にその実態を明らかにし、併せて租税収入の見積もり、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすることを目的として実施されているもので、昭和26年から続いている統計資料である。

まず調査対象法人だが、日本国内で2013年4月1日から2014年3月31日までに終了した普通法人2,585,732社(休業清算法人・NPO法人・一般社団・財団法人を除く)を対象に標本調査という手法で調査対象法人(母集団)から資本金階級別・業種別等に一定の方法で標本法人を抽出し、その標本法人基礎データを基に、母集団全体の計数を推計したものだ。

1.それではまず税務統計から見た法人企業の実態だが、申告法人2,585,732社のうち資本金階級別の構成比では、資本金1000万円以下の階級が2,213,762社で全体の85.3%を占めています。次いで資本金1000万超1億円以下が357,797社(13.7%)で法人数全体の99%を資本金1億円以下の法人が占めています。
また、業種別法人数の構成比をみると、サービス業(26.4%)・建設業(15.9%)・小売業(13%)の占める割合が大きい。
 組織別法人数の構成比では株式会社が全体の95.1%を占め、以下合名会社(0.2%)合資会社(0.8%)合同会社(1.1%)と続いています。

2.欠損法人68.2%と前年度より2%減少
 図1を見ていただきたい。利益が出ている法人数は823,136社、これに対して欠損法人は1,762,596社で全体での割合が68.2%となっており前年比2.1%減少しており、平成19年度の67.1%以来6年ぶりの6割台に減少した。
この背景としては,現在の円安傾向に伴う輸出企業の伸びなどが揚げられるが、しかしまだまだ欠損法人が多いと言えよう。

図1【利益計上法人数と欠損法人数】
法人数              
区分  利益計上法人 欠損法人  合計  欠損法人割合
平成22年度   702,553 1,877,801 2,580,801 72.8%
平成23年度   711,478 1,859,012 2,570,490 72.3%
平成24年度   749,731 1,776,253 2,525,984 70.3%
平成25年度 823,136 1,762,596 2,585,732 68.2%
(構成比) (31.8) (68.2) (100%)

3 その他調査結果から見た主要点

交際費等の支出額は3 兆825億円で、このうち税法上損金に算入されない金額は 1 兆1,488億円であり、支出額に占める割合( 以下「損金不算入割合」という。)は 37.3% である
1. 法人税額は10兆1,122億円になっている。また、所得税額控除は2兆885億円、外国税額控除は6,492億円になっている。
2. 繰越欠損金の当期控除額は9兆8,041億円で、翌期繰越額は68兆6,344億円となっている。

 この税務統計調査は申告法人の実態を明らかにするだけでなく、今後の租税収入の見積もりや、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料としての目的を備え持つ重要な統計資料と言ってもいいだろう。
我々もこの統計資料から、日本の企業の現状と今後の展開を注意深く見ていく必要があろう。

参考資料:国税庁HP「平成25年度会社標本調査」より

| 財政・税務 | 10:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ふるさと納税ワンストップ特例制度

確定申告不要制度が始まりました

 平成27年度税制改正大綱が公表され、2015(平成27)年1月14日に閣議決定されました。その中で『ふるさと納税』についても見直しが行われています。その中でも注目点は、2015(平成27)年4月1日以後に行われるふるさと納税について摘要される『ふるさと納税ワンストップ特例制度』です。
 今回は、『ふるさと納税ワンストップ特例制度』を中心に改正点を見ていきたいと思います。

1.『ふるさと納税』とは(現行の規定)
自治体に対してふるさと納税(寄附)をすると、ふるさと納税(寄附)額のうち2,000円を超える部分について、一定の上限まで、原則として所得税・個人住民税から全額が控除されます。
 控除を受けるためには、ふるさと納税をした翌年に、確定申告を行うことが必要です(原則)。
 自分の生まれ故郷に限らず、応援したい自治体など、どの自治体に対する寄附でも対象となります。

2.平成27年度税制改正大綱による改正点
(1)特例控除額の拡充
 ふるさと納税を行う際、2,000円を除いた全額が控除される限度額である「ふるさと納税枠」が、個人住民税所得割額の現行1割から2割に引上げられました。
 平成28年分以後の個人住民税(2015(平成27)年1月1日以降のふるさと納税)から適用となります。

(2)ふるさと納税ワンストップ特例制度
 ①制度の概要
  給与所得のみの方などは、ふるさと納税に興味があっても確定申告するのは面倒だと思わていた方も多かったのでは有りませんか。今回の改正で一定の条件を満たせば確定申告をしなくてもふるさと納税ができるようになりました。この場合、個人住民税のみから寄付金額の控除が行われ、所得税からの減額はありません。
②摘要条件
 ⓐ ふるさと納税先団体が5団体以内であること。
 ⓑ 確定申告をする必要がないこと。
 ⓒ 2015(平成27)年1月1日から3月31日までにふるさと納税を行っていないこと。
③手続き
 ふるさと納税ワンストップ特例の適用を受けるためには、申請書に記入の上、ふるさと納税をする際に、ふるさと納税先団体へ申請書を提出する必要があります。
④転居等があった場合
 ふるさと納税を受けた自治体は、申請書に記載された内容を基に、納税者の住所地の市区町村に対して控除に対して必要な情報を連絡します。この情報により確定申告をしなくても控除が受けられる制度です。
従って、申請書の記載事項に変更があった場合には、ふるさと納税をした翌年の1月10日までに、ふるさと納税先団体の全てに変更届出書を提出しなければなりません。

(3)返礼品(特産品)送付への対応についての要請
 今回の税制改正の中で都道府県と市区町村に対して、ふるさと納税に係る周知、募集等の事務を適正に行うよう要請しています。具体的には、「地方税法、同法施工令、同法施行規則の改正等について」(平成27年4月1日付)により公表されていますので一部は次の通りです。
 ① ふるさと納税については、当該寄付金が経済的利益の無償の供与であることなどから、
   ⓐ 返礼品(特産品)の送付は寄付の対価でないことを周知させる
   ⓑ ふるさと納税の趣旨に反する返礼品(特産品)を送付する行為は行わない
        具体例:換金性の高いプリペイドカード
            高額又は寄付額に対し返礼割合の高い返礼品(特産品)
 ② 返礼品(特産品)は寄付の対価ではなく別途の行為であるため、受け取った場合の経済的利益が一時所得に該当すること
 ③ 窓口の明確化など、寄付者の利便性の向上
 ④ ふるさと納税の使途の周知
 ⑤ 寄付者の個人情報の厳格な管理

 2008(平成20)年にふるさと納税がスタートしてから今年で8年目になりました。当初は5,000円を超える部分が控除の対象として、生まれ故郷やお世話になった地域、応援したい地域への応援が目的としてスタートしました。
 今や地域の応援から返礼品取得を目的にふるさと納税が行われるようになり、返礼品の内容により集まる寄付金に偏りが生じるようになりました。寄付金を集めるために自治体間での競争の激化、実際に暮らしている地域への税収の減少が問題視されるようになってきました。
 今回の改正では、寄付する側の利便性だけではなく、加熱するふるさと納税の返礼品(特産品)合戦に待ったを掛けるものとなっています。納税の本来のあり方を見直す時期が来たのでしょう。

       参考資料  平成27年度税制改正大綱
             総務省 ふるさと納税ポータルサイト
             地方税法、同法施工令、同法施行規則の改正等について
                     (平成27年4月1日付総税企第39号)

| 税務調査 | 09:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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マイナンバー法の影響と対策

-マイナンバー法の影響と対策-

やっと、マイナンバー法(正式名称は社会保障と税の一体改革法)が3月下旬からテレビ放映や各家庭の新聞のチラシに掲載し始めてきましたね。
いままでこの法律の大枠の情報は出ていたが、具体的な活用法や実例についてはまだ無かった。3月30日付の日本経済新聞での調査でも、まだまだマイナンバー法を知らない人達が8割以上いるとの調査結果がでています。
そして、マイナンバー法へのシステム対応が出来ている企業はまだ2割にとどまっており、更に検討段階・未着手として作業に入っていない企業は6割も占めており、対応の遅れが指摘されています。特に我々税理士の顧問先でもある中小・零細企業では、まだほとんどの企業が対応をしていないのが実情です。
ところでマイナンバーとは、個人情報を1つの番号で管理するために日本国内で暮らすすべての人に割振られる12桁の番号だ。
2015年(平成27年)10月から通知が始まり2016年から導入される。
原則、一生涯同じ番号を利用する、特に社会保障と税、災害分野に限定して利用される法律である。
また、個人だけでなく企業にも、13桁の法人番号を割振り、商号や所在地に紐づけさせる予定である。
この制度は、税や社会保障の徴収を効率化し利便性も高める目的だが、いままで年金分野の詳細な活用法は公表されていなかった。
今回の公開情報では、年金分野で特に効果が見込まれるのが未納対策だと述べている。厚生年金に加入している約250万事業所のうち約80万事業所で未納があるという。割合でいえば32%の事業所で未納があるという事である。
これらの企業は給与から天引きした保険料を納めておらず、運転資金等に使ってしまっているのだろう。該当する従業員は保険料が未納となり、将来受けとる年金が減額してしまう可能性さえある。今までこれらの有効対策が打てていなかったが、今後は番号の一元管理で、国税庁が持つ企業の源泉徴収データを日本年金機構が共有できるようになり、従業員に給与を支払っているのに厚生年金保険料を納めていない企業を簡単に割り出せるようになり、業務の効率化が期待されているという。今後は悪質な企業に対しては財産の差し押さえを含めた強制徴収が増えるだろう。これは個人の国民年金や健康保険も同様のことがうかがえる。
法務省によると、全国の市区町村の約98%ですでに電子化を終えているという。
あと6ヶ月後には国民全員に番号が付されることになるが、今の状況下で来年の1月からの実施が間に合うのか不安である。
特に企業に対しては早めの対策が必要になる。株式会社TKCでは下記のようなチェックリストを用意し、企業の早めの対応を促している。参考にして欲しい。

「マイナンバー法・事前チェックリスト」
1 マイナンバー法導入までのスケジュールを確認したか。
2 番号制度に関係する自社の業務を洗い出したか。
3 個人番号の取得と本人確認手続き、行政機関等に提出するまでの業務フローを明確にしたか。
4「特定個人情報の適正な取り扱いに関するガイドライン(事業者編)をチェックし、自社に関係する項目を洗い出したか。
5 個人番号を適切に管理する為の仕組みづくりを始めたか。
6 特定個人情報を取り扱う担当者を明確にし、システムへのアクセスを制御する体制を整えたか。
7 番号制度の内容に関して社内研修を実施し、社員への周知徹底を図ったか。

以 上

          参照  日本経済新聞 2015年3月15日・30日朝刊
              国税庁HP
              番号制度の影響と対策  ㈱TKC出版

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