税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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相続増税で「土地」価格に注目

相続増税で「土地」価格に注目

毎年7月に入ると、国税庁は相続税を算出する基準となる「路線価」が発表されます。
日本の「相続」は土地が占める割合が高いのが特徴で、この評価額がどうであるかにより、相続税が大きく変わることがあります。
2015年(平成27年)1月1日からは、相続税が増税になります。従って今年の「路線価」にも注目する必要があります。
皆さんご存知のように来年の相続税改正では、基礎控除額が「5000万円+(法定相続人×1000万)」が「3000万円+(法定相続人×600万円)」と約40%も縮小されます。特に都市部に自宅などを持っている人などは関心が高くなりそうです。そこで今回はこの、土地の価格に関して見ていきたいと思います。
土地の価格は一物四価とも呼ばれ、その使用目的により土地の価格が違います。具体的には以下の通りです。

1.公示価格
地価公示法(根拠法)に基づき国土交通省が毎年3月に公示する標準地の価格です。
この目的は公共事業用地の取得価格算定の基準とされるほか、一般の土地取引価格に対する指標となります。土地本来の評価額とも言われています。住宅地・商業地・工業地・準工業地などに分類されている。尚、価格時点(基準日)は1月1日現在です。

2.基準地価
国土利用計画法施行令(根拠法)に基づき、都道府県などの地方治自体が毎年9月20日頃に発表します。価格の性質や目的、評価方法などは公示価格と同様ですが、異なるところは、価格時点(基準日)が7月1日時点であることです。

3.固定資産税評価額
各市区町村が土地・建物の価格を、固定資産評価基準に基づいて評価し固定資産台帳に登録したものです。固定資産の評価替えは3年に1度行われ、来年2015年がその年度に該当します。
そして、「都市計画税」「不動産取得税」「登録免許税」「相続税」などの課税標準にもなっています。従って、実際の不動産売買価格とは全く関係は無く、一般的に土地は公示価格の70%ぐらい、建物は建築費の50~70%ぐらいと言われています。

4.路線価
国税庁の下部機関国税局が相続税法(根拠法)に基づき価格を決定します。
路線価も1月1日時点の評価になるが、発表は毎年7月に公表されます。この目的は国が「相続税」「贈与税」などの算定基準となる土地評価額で、公示価格の80%ぐらいが目安とされています。

このように土地の価格あるいは評価額はその使用目的・課税制度により価格が違ってきます。2015年1月1日から適用の改正相続税では、この土地の価格に関して、「小規模宅地等についての相続税の>課税価格の計算の特例」が追加されました。
これは以下の適用要件に該当すれば2015年1月1日以降、居住用宅地330㎡につき80%の評価減が適用されると言うものです。該当できるかどうか、ぜひ検討して下さい。

① 親(被相続人)の住んでいた土地であること。
② 土地を取得するのが一定の相続人
③ 配偶者以外の相続人は相続税の申告期限までに実際に住むこと。

土地価格はその時代の経済環境を反映して推移しています。今年は、アベノミクスにより都市部では土地の価格も上昇しているそうです。それに伴い相続税に関しても関心が高まってきていることも事実です。

ところで、固定資産税の納税通知書はすでにみなさんの手元に届いているはずです。自分の所有している土地・建物の評価明細書も一緒に同封されています。また、「路線価」の発表は7月に入ってすぐです。国税庁のHPを見ると出てきます。自分の所有不動産に関してぜひ一度確認をしてみてください。

相続設計を考える場合、節税対策にどうしても行きがちですが、まず自分のライフプランと老後の生活設計を考えた上での対応かと思います。
今回「路線価」の発表は、いい機会ですので是非自分の不動産を調べてみてください。
                                
                        
             参照  日本経済新聞 2014.6.25日朝刊 26面記事
                  国税庁ホームページ
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| 相続税及び贈与税 | 10:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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税率だけじゃない消費税の改正について②

簡易課税制度のみなし仕入率の見直しその他
 前回は、消費税の改正の①価格の表示についての特例及び②任意の中間申告制度について紹介しました。今回はみなし仕入率の見直しを中心に平成26年3月に消費税法施工令等が改正されたことによる改正内容についてみていきたいと思います。

(1)簡易課税制度のみなし仕入税率の見直し
①概要
 消費税の簡易課税制度のみなし仕入税率が見直され、1)金融業及び保険業が第四種事業から第五種事業(みなし仕入れ率60%⇒50%)2)不動産業が第五種事業から新設された第六種事業(みなし仕入れ率50%⇒40%)とされました。

      (現 行)                 (改正後)
  卸売業・・・・・・・・・・第一種事業  90%
  小売業・・・・・・・・・・第二種事業  80%
  製造業等・・・・・・・・・第三種事業  70%
  飲食店業、その他の事業・・第四種事業  60%  
  金融業・保険業・・・・・・第四種事業  60% ⇒ 第五種事業  50%
  運輸通信業、サービス業・・第五種事業  50%
  不動産業・・・・・・・・・第五種事業  50% ⇒ 第六種事業  40%
②適用開始
  この改正は、2015(平成27)年4月1日以後に開始する課税期間から適用されます。

(2)簡易課税制度の改正に係る経過措置
①概要
 2014(平成26)年9月30日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」(第24号様式)を提出した事業者は、2015(平成27)年4月1日以後に開始する課税期間であっても当該届出書に記載した「適用開始課税期間」の初日から2年を経過する日までの間に開始する課税期間(簡易課税制度の適用を受けることをやめることができない期間)については、現行のみなし仕入率が適用されます。
②新たに第24号様式を提出しようとする場合
 概要にあるとおり、2014(平成26)年9月30日までに提出した場合には、2015(平成27)年4月1日以後に開始する課税期間であっても2年間は現行のみなし仕入率の適用を受けることができますが、2014(平成26)年10月1日以後に提出した場合には、改正後のみなし仕入率が適用されることとなります。
③すでに第24号様式を提出している場合
㋑2013(平成25)年3月31日以前に提出した場合
 経過措置の対象とはならず、2015(平成27)年4月1日以後に開始する課税期間は、改正後のみなし仕入率が適用されます。
㋺2013(平成25)年4月1日以後に提出した場合
 簡易課税制度の適用を受けている事業者は、2年間継続して適用した後でなければ、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」(第14号様式)を提出して、その適用をやめることはできません。その点を考慮して、2015(平成27)年4月1日以後であっても、この強制適用される2年間については現行のみなし仕入率が適用されます。

(3)課税売上割合の計算における金銭債権の譲渡に係る対価の額の算入割合の見直し
①概要
 消費税の課税売上割合の計算上、貸付金、預金、売掛金その他の金銭債権(資産の譲渡等の対価として取得したものを除く)の譲渡については、その譲渡に係る対価の額の全額を資産の譲渡等の対価の額(分母)に算入することとされていましたが、今回の改正により譲渡に係る対価の額の5%相当額を資産の譲渡等の対価の額(分母)に算入することとされました。
②適用開始
 この改正は、2014(平成26)年4月1日以後に行われる金銭債権の譲渡について適用されます。

(3)輸出物品販売場制度の見直し
①免税対象物品の範囲の拡大
 食品類、飲食類、薬品類、化粧品類その他の消耗品については、これまで、輸出物品販売場における免税販売の対象外とされていましたが、外国人旅行者などの非居住者に対して同一の店舗における1日の販売額が5千円超50万円までの範囲内の消耗品については、一定の方法で販売する場合に限り免税販売の対象とされました。
②輸出物品販売場を経営する事業者が保存する書類の追加
 同一の輸出物品販売場において、その非居住者に対して1日に販売する一般物品(消耗品以外の通常生活の用に供する物品をいいます。)の額が100万円を超える場合には、その非居住者の旅券等の写しを、輸出物品販売場を経営する事業者の納税地又は販売場の所在地に保存しなけらばならないこととされました。
③購入記録表等の様式の弾力化及び記載事項の簡素化
 輸出物品販売場を経営する事業者が作成する購入記録表及び非居住者が提出する購入者誓約書については、これまで法令に様式が定められていましたが、特定の様式ではなく、法令に定められた事項が記載された書類であればよいこととされました
④適用開始
 2014(平成26)年10月1日以後に行う課税資産の譲渡等について適用されます。

 簡易課税のみなし仕入率の改正は、みなし仕入率が実際の仕入率よりも高い場合に発生する益税の問題の解消のために行われたものです。しかし、一部の納税者にとって不利な改正であることは明らかです。簡易課税の適用を考えていらっしゃる方や、現在簡易課税を選択していらっしゃる方も、この見直しにより本則課税が有利となる場合もありますので改めて検討する必要があるでしょう。また、現行のみなし仕入税率が有利と判断されたなら、早めに(経過措置の適用期限まで)届出をすることをお薦めします。

                参考資料  消費税法令の改正等のお知らせ
                      輸出物品販売場制度の改正について
               

| 税制改正 | 09:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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裁決事例紹介

 今回は、T&Aマスターの2014.6.2号に掲載された未公開の裁決事例を紹介させていただきます。不動産売買を目的とする法人を介して滞納者の不動産を取得し、滞納者の預金が競落資金として使われたことが徴収法39条に基づいて第二次納税義務があるとして納付告知処分をしたが、それが取り消された事例です。

競落資金の移動により請求人預金の外形を作出!!
審判所、金銭の無償譲受けを認めず!

(1)基礎事実
 ①本件滞納者は、飲食店を目的として設立された法人。
 ②代表取締役は、設立時から現在まで請求人の長女Aの夫Bが務めている。
 ③H4.5.1から現在まで、Aが取締役を務めている。
 ④X社は、不動産の売買を目的として設立された法人。
 ⑤X社は、設立時からH23.11.15までの間は請求人が、同日から現在に至るまでAが代表取締役として登記されている。

 Bが所有していた土地及び同所所在の建物(以下、「本件不動産」という)は、B及びAの自宅であり、Bを債務者とする根抵当権が設定されていたところ、○○○に○○○において担保不動産競売開始決定がされた(以下、「本件競売事件」という)。
 X社は、○○○に、入札価額を×××円、入札保証金の額を×××円と記入した入札書を競売執行官へ提出した。X社は本件不動産を競落し、○○○に、担保不動産競売による売却を原因としてX社に所有権移転登記が経由された。
 本件滞納者に帰属するB名義の○○○の普通預金口座(以下、「本件滞納者口座」という)から○○○に×××円、同年8月20日に×××円が出金された(以下、これらの出金された金銭を本件金員1・2という)。
 請求人の普通預金口座(以下「本件請求人口座」という)に、本件金員1,同年8月23日に本件金員2が入金され、同口座から同月25日に×××円が出金された。
 なお、本件金員1・2が本件請求人口座に入金されてから、当該×××円が同口座から出金されるまでの間に本件請求人口座の出金はなかった。
 X社のS銀行普通預金口座へ、平成22年8月25日に、×××円が入金され、これにより同口座の預金残高が28,520,000円となっていたところ、S銀行、同口座から×××円が出金された。X社は、○○○に、○○○の預金口座へ、本件競売事件に係る競落残代金として、×××円を振り込んだ。
 本件金員1・2の請求人口座への振り込みが、本件滞納者による請求人への貸付けまたは債務の弁済としてされた事実はない。

(2)争点及び主張
 本事案の争点は、請求人は、本件滞納者から金銭を無償で譲り受けたか否か。

(3)審判所の判断
 ①認定事実
 請求人は、X社の設立時からH23.11.15までの間、唯一の取締役、また、唯一の代表取締役として登記されていたものの、X社は、請求人に役員報酬を一切支給していなかった。
 Bは、○○○に、本件滞納者口座から×××円を出金し、X社名義で、本件競売事件に係る入札保証金として×××口座に振り込んだ。
 Aは、H22.7.12に、Aの唯一の資金管理口座であった○○○口座を開設し、以降管理している。
 X社は、少なくとも設立時から競落までの間、本件不動産の競落に関する事業以外の事業を行っていなかった。

②判断
 1.請求人は本件滞納者から本件金員1・2を無償で譲り受けたか否かについて
 本件金員1・2が本件請求人口座に入金され、これらの金銭の本件請求人口座への振り込みが有償行為である本件滞納者による請求人への貸付けまたは債務の弁済によるものでなかったことは、請求人が本件滞納者から本件金員1・2を無償で譲り受けた事実を一応うかがわせるものではある。
 しかしながら、以下のことから、請求人が本件滞納者から本件金員1・2をそもそも譲り受けていたと認めることはできない。 (イ)B及びAがX社を実施的に支配していたこと。
 BおよびAのX社の代表取締役に関する答述は、X社の登記上代表取締役が請求人からAに変更されていること、X社は請求書に役員報酬を一切支給していなかったことと整合して信用できるから、B及びAは、本件滞納者の代表取締役等である自身らがX社の代表取締役に就任することは不適切あるいは不可能であると認識し、請求人が、X社の設立当初の代表取締役として登記されるに至ったと認められる。
 また、Aの本件不動産を競落するための手続きを誰が行ったかに関する答述は、Bが本件競売事件に係る入札保証金を○○○口座に振り込んでいること、Aが本件競売事件に係る競落残代金の支払に充てられた資金が出金された○○○口座を管理していたことと整合し信用できるから、請求人は、本件不動産を競落するための手続に関与しておらず、B及びAがこの手続を進めていたと認められる。
 以上に加えて、BおよびAのX社を、本件不動産を競落するために設立した旨の答述と、X社が本件不動産の競落に関する事業以外の事業を行っていなかった事実を併せ考慮すると、請求人はX社の実質の代表取締役ではなく、当該事業に関する手続を進めていたBおよびAがX社を実質的に支配していたものと認められる。
(ロ)本件金員1・2につき請求人による費消等が予定されず競落資金とすることが予定されていたこと。
 B及びAの本件金員1・2の使途に関する答述は、金銭の移動の事実と整合し、両者の答述間に矛盾もなく信用できるから、B及びAは、本件金員1・2が本件滞納者口座から出金された時点で、請求人がこれらの金銭を費消し、あるいは、貯蓄し続けることを想定しておらず、一方でこれらの金銭を本件不動産の競落のために使用することを意図していたと認められる。

(ハ)請求人による費消等がされずX社による競落が実現したこと。
 B及びAの想定及び意図のとおり、本件請求人口座に本件金員1・2が入金された後、同口座から×××円が出金されるまで本件請求人口座の預金が費消されず、出金された×××円が○○○口座に入金された後、X社による本件不動産の競落資金として利用され、X社が本件不動産を取得した。

(ニ)小活
 以上のことからすると、本件金員1・2の本件請求人口座への入金は、X社の競落資金の原資が請求人の預金であるとの外形を作出することを目的として行われたものであり、本件金員1・2は、本件滞納者の預金がX社の競落資金として利用されるまでの資金移動の過程において、単に本件請求人口座を通過させられたにすぎないというべきである

(ハ)結論
 以上のとおり、請求人は本件滞納者から本件金員1・2を譲り受けておらず、請求人が本件滞納者から金銭を無償で譲り受けたとは認められないから、徴収法39条の規定に該当するとしてされた本件納付告知処分は、その全部を取り消すべきである。


(引用・参考 T&Aマスター NO.548 2014.6.2)

| 税務訴訟 | 09:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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合同会社の現状

-「合同会社」の現状はどうなっているのか-

最近、顧客である個人事業主との会話の中の一部である。
「うちもそろそろ息子が家業を継いでくれる言うので、法人化を考えているのだが?」
「なぜ法人化を考えているんです?」
「最近、TVや新聞を見ると、安倍首相が法人税率を20%台にするというじゃないか。来年度(平成27年度)からは個人の所得税率も最高45%に上がるというじゃないか」「うちもそれなりに所得税と復興特別所得税も支払っているし、それに、最近息子がやる気を出して家業を盛り立てていくといっているので、この辺で、法人化して「社長」として責任もってやってもらいたいとおもっているのだが?」
「話の内容は分かりました。どうでしょう株式会社もありますが、ひとつ合同会社の設立を検討したらどうでしょう。」
「合同会社って何ですか?」

最近では、「合同会社」設立の話題が少ないので現在の状況を調べてみました。
合同会社(LLC)とは、2006年(平成18年)5月1日施行の会社法により創設された新しい会社形態です。出資者全員が出資金額の範囲内で責任を持つ有限責任社員で構成されるものです。このメリットの1番は設立費用が登録免許税60,000円のみで設立できると言うことでしょう。定款は作成しますが、公証人役場での定款認証費用5万円は不要です。また株式会社みたいに決算公告の義務がないのが特徴です。ちなみに株式会社は会社法 440条1項において決算公告をすることを規定しています。そしてこれを怠った場合は 100万円以下の過料を支払うことになっています。(会社法 976条2号)
但し、現実的にはこの行政罰をうけた会社は聞きません。
また、税務に関しても株式会社と同様の取扱いになりますが、役員の重任登記はありません。
従って、合同会社は小規模でかつ小回りの利く法人を必要としている人には有効でしょう。
合同会社に適している事業としては、節税目的のオーナー経営者が個人資産・不動産を管理する場合。また、介護サービス業、介護保険介護タクシー、建設業など許認可要件に法人格を必要としている人には検討してみる価値はありそうなので。お勧めではないでしょうか。

それでは、合同会社の現状はどうなっているのでしょう。
法務省HPの新設法人登記社数などによると、近年合同会社の設立は増えており最近では年間約9000社の設立があると言います。はたして本当なのでしょうか?
私が調べた、国税庁が毎年4月にホームページ上で報告している「会社標本調査票」において、最新の合同会社数を抜き出してみると下記の表のようになります。

          法人申告社数に対する合同会社の割合
年度 法人申告社数 うち合同会社申告社数 前年比増加数
2008年 2,596,360 11,816 -
2009年 2,609,889 10,193   ▲1,623
2010年 2,579,464 14,321 4,128
2011年 2,569,404 16,824 2,503
2012年 2,524,341 20,728 3,904
    注:2012年とは(2012年7月~2013年6月)の事務期間をいう。
      2011年以前も同様の見方をして下さい。   (国税庁HPより)

2012年事務年度の法人税申告企業2,524,341社のうち合同会社は20,728社全体の0.8%弱の申告割合でしかなく、毎年3000~4000社づつ申告件数は増えていることが分かります。
利便性がある会社形態だが、法務省の統計と比べると、税務署への申告実態ではその半数も申告していないことが分かった。「コストが安いので、とりあえず設立しておこう」「設立はしたがどのように活用したらいいかわからない」と言った声が聞こえそうである。
合同会社の代表的な会社としては、皆さんご存知の
・西友 ・アップルジャパン・日本アムウェイ・P&Gマックスファクター など名だたる企業があります。ただし、これらの企業の株主及び経営者は外国人が中心になって運営されています。
外国人は効率性を優先するので、経営判断が早くトップダウンで決断できる会社組織形態の合同会社が適しているのでしょう。
当事務所でも、今後合同会社の活用事例を集め、研究整理し、発表していきたいと思います。

最後に冒頭の話に戻って、合同会社の経営者は「社長」ではありますが、会社法上の肩書は「代表取締役社長」ではなく、「代表社員」と呼びます。商業謄本を取り寄せるとこのように書かれています。冒頭の息子さん、「代表取締役社長」じゃないのかと、嘆かないで下さい。

| 民法・商法・会社法 | 09:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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税率だけじゃない消費税の改正について

 平成元年に消費税がスタートしてから、今年でもう26年目に入りました。そして今年は17年ぶりに税率の引き上げという大きな改正がありました。税率の改正以外にも消費税の改正項目がありますので、その点いついてみていきたいと思います。

(1)税抜き価格での表示
①概要
 最近商品に付いている値札が「税拭価格」のみのケースが見受けられるようになりました。2004(平成15)年に総額表示の義務付けの制度が創設され、値札、請求書、領収証などは総額で表記されることになったはずです。そのため、レジで別個に消費税額が加算された税込金額を聞かされて戸惑った経験をされた方もいらっしゃるでしょう。
 消費税法第63条に規定する総額表示義務の特例として消費税転嫁対策特別措置法第10条に一定の要件の基に総額表示を要さないとされています。
②消費税転嫁対策特別措置法
 2013(平成25)年10月1日から2017(平成29)年3月31日までの期間限定の措置として消費税の円滑かつ適正な転嫁のための必要な措置を規定したもので、「総額表示義務に関する消費税法の特例」として第10条に、表示する価格が税込金額であると誤解されないための措置を講じているときに限り税込価格を要しないとされています。
 ただし、この期間内であってもできるだけ速やかに税込価格を表示するよう努めなければならないこととされています。

(2)任意の中間申告制度
①概要
 消費税法42条⑧の規定により、直前の課税期間の地方消費税額を除いた確定消費税額(消費税申告書の9欄の金額)を直前の課税期間の月数で除しこれに6月を乗じて計算した金額が24万円以下である場合には中間申告は不要とされています。
 任意の中間申告制度は、申告不要の事業者が「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」(第26-(2)号様式)を提出することにより六月中間申告書の提出をすることができることとなる制度です。
②提出時期
 提出した日以後に到来する六月中間申告対象期間以後の六月中間申告対象期間について提出の効力が生じるとされています。すなわち、任意に六月中間申告書を提出しようとする六月中間申告対象期間の末日までに提出する必要があります。
③任意の中間申告書の提出をやめようとする場合
 「任意の中間申告書を提出することの取りやめ届出書」(第26-(3)号様式)を提出することにより、提出した日以後に到来する六月中間申告対象期間以後の六月中間申告対象期間について「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」(第26-(2)号様式)の効力が失われることとなります。
④任意の中間申告書の提出がなかった場合
 「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」(第26-(2)号様式)を提出した後に、任意の中間申告書をその提出期限までに提出しなかった場合には、「任意の中間申告書を提出することの取りやめ届出書」(第26-(3)号様式)をその六月中間申告対象期間の末日までに提出したものとみなされます。
⑤適用開始
 個人事業者の場合は、2015(平成27)年分から、また、事業年度が一年の法人については2014(平成26)年4月1日開始する課税期間から適用されます。

 以上のように消費税については、税率以外にも改正が行われています。消費税の円過かつ適正な転嫁が図られることや税率の改正による事業者の事務負担を配慮して、税込価格の表示をしなくてもよいこととされました。また、一括での消費税の納付が困難な場合を配慮して任意の中間申告の規定も設けられました。
 その一方で消費者への配慮として、価格の表示については「総額表示義務の特例措置に関する事例集」を公表し税込価格を表示しなくてもよい特例を受けるための要件としての表示方法を定めています。
 次回は簡易課税の改正を中心にみていきたいと思います。

                      参考資料  消費税転嫁対策特別措置法
                              消費税法
                              任意の中間申告書を提出する旨の届出手続
                                          (国税庁HP)

| 税制改正 | 09:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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賃貸建物の修繕費等の負担者は誰か

  2014年(平成26年)6月15日号の税理士新聞に‘賃貸建物の修繕費等の負担者は誰か’という見出しで税論卓説(税理士 櫻井博行)が掲載されていた。
今回はこれについて紹介させていただきます。

  建物の修繕等のために支出した金額について判断を求められることは多いが、法人税基本通達7-8-1以下にはその取扱いが詳細に記載されている。しかし、その範囲は修繕費か資本的支出かの判定に終始している。実際の現場では、賃貸借の対象となっている建物を修繕したときには、修繕費かどうかではなく、家主か賃借人のどちらが負担しなければならないのかということの判断を迫られる。

(1)税務上の取扱
  この問題については、法人税法、所得税法ともに別段の定めはなく、あくまで税法上の問題として取り扱われるのである。しかし、平成23年4月18日付国税庁長官通達‘東日本大震災に関する諸費用の法人税の取扱いについて(法令解釈通達)’の9では、法人が賃借資産につき修繕費等の補修義務がない場合においても、当該資産が災害により被害を受けたため、当該法人が当該賃借資産の現状回復のための補修を行い、補修のために要した費用を修繕費として経理したときは、これを認める‘としている。

(2)民法の定め
  民法606条1項は、賃貸人は原則として建物の使用や収益に必要な修繕をする義務を負うとしている。
  賃借人が、賃貸人の負担すべき必要性を支出したときは、直ちに賃貸人に対して償還を請求することができる。また、賃借人が、賃借物の改良、価値の増加のために支出する費用を支出したときは、賃貸人は、賃貸終了時に、その償還をしなければならない。その額は建物の価値が現存している場合に限り、実際の支出額または価値増加分になる。
  賃借人は、賃貸借契約が終了した場合、賃貸人から必要費が償還されるまで留置権を行使して建物の明け渡しを拒むこともできるとしている。
  賃借物の改良、価値の増加のために支出する費用を支出した場合にも、賃貸借契約が終了した時点で、留置権を行使することができる。このように賃借人の必要費および賃借物の改良、価値の増加のために支出する費用の請求権は、強い権利なのである。



(3)契約書の特約の解釈
  多くの建物賃貸契約書は、‘修繕費は賃借人の負担とする’という特約が記載されている。この特約について2つの最高裁判例が参考になる。
  1つは、昭和29年6月25日判決で、‘営業上必要なる修繕は賃借人においてこれをなすものとするとの契約条項につき、単に賃貸人の修繕義務の限界を定めただけでなく、賃借人にその営業上必要な範囲の修繕の義務を負担させた趣旨と解せるとした’というもの。2つめは、昭和43年1月25日判決で、‘修繕費を借主の負担とする特約は、原則として貸主の修繕義務を免除したことにとどまり借主に修繕義務を負わせる趣旨ではない’と判示している。
  したがって、特約で賃借人の修繕義務を規定してもかまわないが、賃貸人は修繕義務免除について制限があることが読み取れる。この点について名古屋地裁平成2年10月19日判決は、修繕義務を賃借人に負担させるためには‘合理的な理由’が必要であるとしている。たとえば、賃料が相場よりも著しく低額である場合やその建物の用途が賃借人でしかできない場合である。

(4)実務対応の留意点
  第1 賃貸物件に修繕等をした場合、負担すべき者は賃貸人なのか賃借人なのかを判断その判断は、その物件に係る契約書の‘特約’による。特約がなければ自動的に賃貸人の負担になる。ただし、修繕等の原因が故意または過失によって建物が損傷した場合には、特約とは無関係に賃借人が負担することになる。

  第2 特約の有効性を確認
  契約書に特約があれば賃借人に修繕義務を負わせることはできるが、それは必ずしも絶対的なものではない。したがって、‘合理的な理由’も検討した上で、特約を履行できるかを判断しなければならない。

  第3 賃貸借契約終了時の状況に注意する必要
  民法は修繕費等を必要費と賃借物の改良、価値の増加のために支出する費用に区別し、賃借物の改良、価値の増加のために支出する費用は賃貸借が終了した時点で賃借物の価値の増加が現存していることを償還の条件にしている。したがって、賃貸借終了時に賃借人が過去に支出した建物への価値増加分が滅失している場合は賃貸人へ賃借物の改良、価値の増加のために支出する費用を請求できないことになる。

(参考・引用 2014年6月15日号 税理士新聞 税論卓説)

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電子メールの取扱いには注意を!!

電子メールの取扱いには注意を!!

皆さんは業務に電子メール(以下「メール」という)を使用することが有るでしょうか?
数年前までは、企業はFAXや電話での業務のやり取りが多かったが、現在ではほとんどメールを使った打合せが多いようである。
2014年6月9日付けの「T&Amaster」でこのメールの取扱いに関して注意を要す内容があったので紹介したい。
記事によると、最近の税務調査において、取引記録のうち会社に都合の悪い内容のメールを削除していたが、税務調査で発覚し、重加算税を課せられたとするケースが頻発しているというのだ。
削除したメールは復元ソフトを使えば元に戻すことが可能となり、そこから発覚するという事だ。
国税通則法68条では、仮装・隠ぺい・二重帳簿の作成等の事実があった場合重加算税が課されると定義されている。そして最近では、この重加算税が課せられた事項の上位にメール削除があるというのだ。
税務当局が税務調査でメールを閲覧できる根拠としているのが、国税通則法74条の2だ。同上で税務職員は、所得税・法人税・消費税に関する調査について必要があるときは、その者の事業に関する「帳簿書類その他の物件」を検査し、又は当該物件の掲示・提出を求めることが出来るとされている。パソコンやサーバーはここでいう「その他の物件にに該当すると解釈していることから、メールの閲覧を可能にしているとのことだ。
しかしこの条文解釈に疑問を呈す者も少なくない。
税務職員の質問検査権として、事業に関する帳簿書類その他の検査、提示、提出を求める権限があることは承知している。メールはここでいう「書類」ではないことは分かるだろう。また、「帳簿書類その他の物件」の文言を拡大解釈して対象に含めようとしているのではないか。法律の拡大解釈をして、その対象に含めようとしているのではないかとの批判もある。

税法よりも上位法規である日本国憲法21条では、
① 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保証する。
② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない
として、国民の通信に対する公権力の監視、干渉からの自由は基本的人権の一つであるとしている。
この自由権はプライバシーの保護のためでもある。企業にしても、個々の従業員にしても、プライバシーもあれば秘密にしたいこともあるだろう。この通信の秘密の対象には、文書としての信書のほか、電話・メールなどすべての通信媒体によるものが含まれ、保護の対象となるのは、通信内容だけでなく、通信日時、発信人の住所氏名にも及ぶものです。
税務調査で、無断で、パソコン等の電子メール等の内容を覗き見することは明らかに侵害だ。
当事務所でも税務調査時において、その会社の取引内容を説明する際、海外企業とのやり取りを記録したメールを、社長の承諾に基づいて提示したことがある。ただし、承諾なしでのパソコン内のメール等の覗き見は今のところ無い。もちろんそのような行為があればすぐ止めさせ抗議をするが。
脱税等犯罪捜査で令状をとっての調査では、もちろん抗議はできませんが。

今後ますますメールは進化し便利になるでしょう。相手方との内容を記録し電子保存できる便利なツールでもあります。企業としてはこの便利なツールを使用する場合、メールの取扱い規定などを作成し、社内で徹底させるようにしたらどうでしょう。

                                               参照資料:T&Amaster No549 2014.6.9号
                          

| 税務調査 | 12:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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最近の税務調査の傾向・変化

最近の税務調査の傾向・変化(その1)
目立つ修正申告勧奨
手続きの厳格化で調査件数は減少か?


 今年(2014年)の夏は、5月下旬より開始。6月の初旬で、偏西風の関係で、30度を超える地区が、続出しています。梅雨入り発表。春夏秋冬は、なくなった感じです。
さて6月は国税当局の、2014年度の事務年度(7-6)最終月。最後のつめなのです。7月10日が国税当局の人事異動。
 これによる業務の引き継ぎ作業などが一段落すると、全国の税務当局では、いよいよ〝税務調査シーズン〟に向けた「調査先選定」の作業が始まる。2013年1月に施行された改正国税通則法(2011年12月2日改正)は、とかく〝徴税強化〟が目に付いた内容でした。
 実際の調査現場では、これまでの調査と比べて変化は現れているのだろうか。顧問先企業の税務調査に立ち会った自身の経験や、税理士仲間から聞いた体験談などから、改正国税通則法のもとでの「税務調査の変化」について感じたことを述べてみたいと思います。また、国税の人事で、再雇用者組(定年退職したあと調査官として、再雇用。前統括官、前国税特別調査官=俗に「特官」主査(国税局)とお会いする事が多くありました。中間層不在の穴を埋めていると思われます。
  「今年は来ないだろう」「去年は赤字だったし大丈夫だ」と、納税者のさまざまな思惑をよそに税務調査官は狙いを定めてやってくる。
  2013年1月1日からは改正国税通則法が施行されており、徴税強化となったその内容から、不安の声があちらこちらから聞こえてくるのは、私だけの思いすぎだといいのですが。改正国税通則法のおさらいをしましょう。
  改正国税通則法は平成23年末の臨時国会で、民主、自民、公明などの賛成多数で可決。多数の国民から期待されていた「納税者権利憲章」の創設が見送られるなか、いわゆる「3党合意」によって2011年12月2日改正成立しました。表1図を、外観してください。
  改正法の目玉は、なんと言っても実地調査(実調)にあたっての事前通知の義務化です。当局は事前に規定の11項目を納税者に告げなくてはならず、これに不備があれば基本的に実調は成立しません。図2図を参照してください。実際に74条9のものです。
  そもそも、無予告調査が納税者に与えるストレスは非常に大きなものだ。企業であれば、招かれざる突然の訪問者による営業活動への影響は計り知れず、さらに無予告であるにも関わらず、客の前で脱税犯呼ばわりされたり、社長不在時に資料を持ち帰ったりといった無法も横行していたと聞きました。
  それが今回の改正法により、実地調査を行う旨を事前に知らせるとともに、「合理的理由」があれば日時や場所の変更も可能で、さらに調査の対象となる税目や書類まで事前に告げることが当局に義務づけられたのです。
  何の後ろめたさもないにせよ、突然の調査を待ち構える善良な納税者からすれば、大きな前進と評価したいところです。だが、手放しで歓迎できるほど、改正法は納税者のスタンスに立ったものではないのです。条文には事前通知の例外として、「正確な課税標準等または税額等の把握を困難にするおそれ」がある場合には、アポイントは不要との記述がしっかりと盛り込まれている。

【図1】
1税務調査の流れ
【図2】
無題2
【クリックして拡大表示】

| 税務調査 | 10:31 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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個人版再生税制の創設

         個人版再生税制の創設

 平成26年税制改正では、個人の事業再生に係る税制として、所得税基本通達36-17を、法律に格上げして適用。事業再生及び税実務では、破産法の免責許可の決定及び再生計画 の決定等により、債務免除益を受けた場合、その免除による経済的利益は総収入金額にし ない。
  資力喪失所得税9-1-10(令26条を含む)とされていました。担税力からみたら、当然のことと斟酌されます。

                                                                 2014.5.01
                                                           税理士  向山 裕純

①個人事業者が合理的な再生計画に基づき債務免除を受けた場合、減価償却資産及び繰延 資産等の評価損の額に相当する金額が必要経費に算入できる制度(債務処理計画に基づく資 産の損失の必要経費算入の特例)
及び
②個人がその有する債務につき破産法の免責許可の決定及び再生計画認可の決定等により債務免除を受けた場合、その免除による経済的利益は総収人金額に算人しないことができる制度(免責許可の決定等により債務免除を受けた場合の経済的利益の特例)が創設(以下 「個人版再生税制」といいます)されました。
本稿では、これら個人版再生税制について解説することとします。

【改正点】破産法の免責許可の決定及び再生計画の
決定等により、債務免除益を受けた場合、その免 除
による経済的利益は総収入金額に不参入(注) (注)重複適用不可
1.債務処理計画に基づく資産損失の必要経費算入の特例

(1)制度の概要
 青色申告書を提出する個人が、その個人について策定された債務免除に関する計画で一般 に公表された債務処理を行うための手続に関する準則(中小企業再生支援協議会、地域経済 活性化支援機構及び東日本大震災事業者再生支援機構等の準則に則り作成された計画)に基づき策定されていることその他の一定の要件を満たすもの(以下「債務処理計画」といいます)に基づき、その有する債務の免除を受けた場合(「免責許可の決定等により債務免除を受け た場合の経済的利益の特例(所法44の2②)」の規定の適用を受ける場合を除きます)において、その個人の不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業の用に供されている減価償却資産及び繰延資産等(以下「対象資産」といいます)の価額についてその準則に定められた方法により評定が行われているときは、その対象資産の損失の額とされる一定の金額は、その免除を受けた日の属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得 の金額の計算上、必要経費に算入することとされます。
 ただし、その必要経費に算入する金額は、この特例を適用しないで計算したその年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額が限度とされます(措法28の2の2①, 措令18の6)。

(2)適用関係
  上記(1)の改正は、平成26年4月1日以後に債務処理計画に基づき債務の免除を受ける場合に ついて適用されます(平成26年改正法附則58)。

2.免責許可の決定等により債務免除を受けた場合の経済的利益の特例

(1)制度の概要
 居住者が、破産法の規定による免責許可の決定又は再生計画認可の決定があった場合その他資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合にその有する債務の免除を受けたときには、その免除により受ける経済的な利益の価額については、その者の各種所 得の金額の計算上、総収入金額に算入しないこととされます(所法44の2①)。
 なお、この改正の規定は、「債務免除益の特例(所基通36-17)」の規定が税法上に明文化されたものとなります。
ただし、その経済的な利益の価額のうち、図表一1に掲げる金額の合計額に相当する部分については、この限りとはされません(所法44の2②)。

(2) 課税対象となる個人の債務免除益の範囲
①その免除を受けた年において、その経済的な利益の価額がないものとしてその債務を生じた業務に係る事業所得等の  金額を計算した場合にその事業所得等の金額の計算上生じる損失の金額

②その免除を受けた年において、この特例の適用がないものとして総所得金額等を計算した場合にその総所得金額等   から純損失の繰越控除により控除すべきこととなる金額

(3)適用関係
  上記(1)の改正は、平成26年分以後の所得税について適用し、平成25年分以前の所得税については、なお従前の例に よります(平成26年改正法附則2)。

(4)実務上の留意点
 創設された個人版再生税制の内容を比較すると、「免責許可の決定等により債務免除を受けた場合の経済的利益の特例」の方が有利となると想定されますが、その適用可能となるケースは、
①破産法の規定による免責許可の決定があった場合
②再生計画認可の決定があった場合
③その他資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合にその有する債務の免除を受けた場合
と限定的に規定されています。そこで、①から③以外の事業再生に該当するケースは、「債 務処理計画に基づく資産損失の必要経費算入の特例」の選択適用を行うこととなるでしょ う。
  なお、これら個人版再生税制の重複適用はできませんので留意して下さい。

| 事業再生・承継・再建 | 10:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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