税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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交際費 大法人も損金算入へ

政府・与党は、大企業の交際費の一部非課税とする方針

 11月23日(土)3時16分配信のYOMIURI ONLINEに、
「政府・与党は、大企業が取引先の接待などに使う交際費の一部を税務上の経費(損金)として認め、非課税とする方針を固めた。
 企業が納める法人税を減らすことで、交際費をもっと使ってもらうねらいで、来年4月の消費税率引き上げによる消費税の落ち込みを和らげたい考えだ。2014年度からの実施を目指し、12月にまとめる14年度税制改正大綱に盛り込む方針だ。」
上記の記事が掲載されました。

1.現行の交際費損金算入制度
(1)損金算入限度額
 期末資本金が1億円超の法人と、資本金5億円以上の法人の完全支配会社等については交際費等は原則全額損金不算入です。また、平成25年度税制改正により、資本金1億円以下の法人については損金算入額が拡大しました。
損金算入限度額

(2)大企業でも損金算入が認められている5,000円以下の飲食費
 平成18年度税制改正により、大企業であっても一人当たり5,000円以下の飲食費については損金算入が認められています。
  
2.大法人の交際費損金算入に向けての動き
(1)厚生労働省 平成26年度 税制改正要望
 厚生労働省の平成26年度税制改正要望の中で、交際費課税の見直しについて次のような要望出しています。
① 中小法人の交際費課税の特例(800万円まで全額損金算入可能)を2年間延長する
② 飲食店等における消費の拡大を通じた経済の活性化を図る観点から、大法人についても、その適用範囲を含め、所要の見直しを行う
 要望理由の一つとして、法人企業の営業活動の促進による収益機会の向上や飲食店営業等の需要の喚起を図ることにより、我が国の経済の活性化を図ることを挙げています。

(2)麻生財務大臣の予算委員会での発言
①2013(平成25)年2月18日 参議院予算委員会
 大企業の交際費について、法人税がかからない損金算入を検討する考えを示しています。ただし、この時は税収の減少を懸念する財務省は慎重な姿勢を示していました。
②2013(平成25)年10月23日 衆議院予算委員会
 企業の内部留保を活用する政策として、大企業の交際費損金算入が一つの方法であるという見方を示しています。交際費の損金算入を認めた場合、一千億円規模で税収が減るが、その分、消費するので消費税が入るとの見解を示しています。

3、交際費損金算入のメリット、デメリット
麻生財務大臣の発言にもあるように、税収の一千億円規模での減少が一番の問題点でしょう。しかし、消費するので消費税が入るからという見解はいかがなものでしょう。
飲食業界は現在赤字割合が最も多い業種となっています。厚生労働省の平成26年度税制改正要望の中にある飲食店等における消費の拡大を通じた経済の活性化を図る観点からは、大きなメリットといえるのではないでしょうか。

 年末に向けて忘年会・新年会等は企業にとってはビジネスチャンスの一つとしての位置づけであり、飲食業界にとっては稼ぎ時でもあるのです。今年はアベノミクス効果か昨年に比べて予約の件数が増えているとのこと。大企業にとって素敵なクリスマスプレゼントとなることを期待しましょう。
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| 法人税の税務 | 09:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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公証人・公証役場の利用

 公証人の仕事 は、
(1)公正証書の作
(2)私署証書や会社等の定款に対する認証の付与
(3)私署証書に対する確定日付の付与
の3種類があります。これらを見ていくことにします。

(1)公正証書とはまず次のものがあげられます。
   ①遺言公正証書
   ②任意後見契約公正証書
   ③金銭の貸借に関する公正証書
   ④土地・建物などの賃貸借に関する公正証書
   ⑤離婚に伴う慰謝料・養育費の支払に関する公正証書
   ⑥事実実験に関する公正証書 

  公正証書は、法律の専門家である公証人が公証人法・民法などの法律に従って作成する公文書です。公文書ですから高い証明力があるうえ、債務者が金銭債務の支払いを怠ると、裁判所の判決などを待たないで直ちに強制執行手続きに移ることができます。
 すなわち、金銭の貸借や養育費の支払いなど金銭の支払いを内容とする契約の場合、債務者が支払いをしないときには、裁判を起して裁判所の判決等を得なければ強制執行をすることができませんが、公正証書を作成しておけば、すぐ、執行手続きに入ることができるのです。債務名義」の付与
 ここで、法律で公正証書の作成が求められている契約等について述べます。平成4年8月1日の借地借家法の施行により公正証書にしなければ、法的な効力が認められない契約等の法律行為ができました。その1つが、事業用定期借地権’の契約書です。もう1つは、平成12年4月1日施行による成年後見制度に伴う'任意後見契約の契約書’です。

(2)私署証書や会社等の定款に対する認証の付与
 これは会社を新しく作るとき、定款をチェックして‘認証’し、会社の設立が適法に行われるようにするのです。また、個人や会社の作成した委任状や契約書等の文書について、その人が作成したことに間違いないことを‘認証’し、その文書がその人の意思に基づいて作成されたことを証明します。

(3)私署証書に対する確定日付の付与
 契約書や催告書など権利の得喪や変更に関する文書については、将来、作成日が争われたり、また作成日付を遡らせた文書が作成された紛争になることがないようにするため、公証人がその文書に日付ある印章を押捺し、‘確定日付’を付与します。

 以上のように、公正証書’、‘認証’、‘確定日付’によって、権利義務関係について明確な証拠を残すことで、紛争の発生を未然に防ぐことができるのです。また、極めて高い証拠力があるので、裁判になっても立証に苦労がいらないでしょう。
 そしてこのような執務を行う場所が公証役場なのです。ちなみに、公証人は全国で約500名おり、公証役場は約300あります。
 公証人・公証役場を利用することで紛争等を未然に防ぐようにしていきたいものです。

以下、参考として公証人手数料の一覧表を掲載します。
公証人役場
*売買、金銭消費貸借契約書等一部の公正証書や定款には、印紙税法により所定の印紙を貼ることになっています。(例:代金1、000万円の不動産売買契約公正証書には1万円、定款には4万円の印紙を貼ります。ただし、電子認証の場合は不要)。現金を持参しても差し支えありません。
 


 

| お知らせ | 09:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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納税者の権利救済への道

「納税者の権利救済」への道 

 税務署長などが課税処分や滞納処分を行った場合に、納税者がその処分に不服があるときは、その処分の取り消しなどを求めて不服申し立てをすることができます。この不服申し立て制度は納税者の正当な権利や利益を簡易かつ迅速に救済するための手続きであり、処分に対して不服がある納税者は、裁判所に訴訟をする前に、まずこの不服申し立てを行うことを前提としています。
 不服申し立てには税務署長などに対して行う異議申し立てと国税不服審判所長に対して行う審査請求がありますが、審査請求は、原則として異議申し立てを行ってからでないとすることができません。
 さらに、審査請求に対する裁決になお不服があるときは、裁判所に対して訴訟を提起して司法による救済を求めることができます。
 以下、順次権利救済制度を説明します。

①異議申立て
 異議申立は、税務署長などが更正・決定や差押さえなどの処分をした場合に、その処分に不服がある納税者が、行政庁である税務署長などに対して、その処分の取消しや変更を求める手段であり、国税に関する処分の行政争訟の第1段階です。
 なお、異議申立については、原則3ヶ月以内にその処理を終えるように努めているそうです。
 しかし、異議申し立てについては、新たな事実が把握されたことなどにより納税者の主張の全部または一部が認められた割合は9.9%となっています。(平成24年度統計より)

②審査請求 
 異議申立に対する税務署長の決定に、なお不服がある納税者は、国税不服審判所長に対して審査請求を行うことができます。国税不服審判所は、納税者の正当な権利利益の救済を図るとともに、税務行政の適正な運営の確保に資することを使命とし、審査請求人と税務署長などとの間に立つ公正な第3者的な立場で、審査請求に対する裁決を行う機関であり、国税不服審判所長をはじめ東京・大阪支部の所長など主要な役職に、裁判官や検察官の職にあったものを任用している。また、国税審判官には、税理士や弁護士など職にある民間の専門家を任期付職員として採用しています。
 なお、国税不服審判所の裁決は、税務署長などの行った処分よりも納税者に不利益になることはないということです。また、裁決は、行政部内での最終判断であるため、税務署長などは、仮にこれに不服があったとしても訴訟を提起することはできないということです。
 審査請求については、1年以内にその処理を終えるように努めているそうです。
 しかし、審査請求については、請求の全部または一部が認められた割合は12.5%となっています。(平成24年度統計より)

③訴訟 
 納税者は、国税不服審判所長の裁決を経た後、なお不服があるときは、裁判所に対して訴訟を提起して司法による救済を求めることができます。
 しかし、訴訟については、請求の全部または一部が認められた割合は6.3%となっています。(平成24年度統計より)

 以上、納税者の権利救済の道はありますが、それぞれ認められた割合が少ない現状を認識しないといけないと思います。
 関根弁護士の「税理士のための百箇条」にも述べられているように、救済の道は狭く、結局大事にしなければならないのは、「税務の現場である、ということに共感を持ちました。       
(参考:国税庁レポート 2013より)  

 

| 税務調査 | 09:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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移転価格税制とは

「移転価格税制」とは?

2013年10月31日、国税庁より平成24年事務年度(2012.7.1~2013.6.30まで)の「法人税等の税務調査事績の概要」が発表された。この中で今回は、最近何かと話題に上がる移転価格税制に関して見ていきたい。
移転価格税制については、毎年のように税制改正が行われており、国税当局の調査体制も強化されて来ているように感じられる。まず以下の図を見ていただきたい。

     移転価格税制に係る実地調査の状況
    事務年度           23 年         24 年
   項  目          件数等   前年対比  件数等   前年対比
 非違があった件数   件    182   124.7       222     122
 申告漏れ所得金額  億円    837   119.9       974     116.4
 1社当り計上漏れ金額 億円    4.59  -        4.38     95.4
                          (国税庁HPより引用)

平成24年事務年度では、移転価格における申告漏れ件数は222件、申告漏れ所得金額は974億円と前年比116.4%増となっており、1社当たりの申告漏れも4.4億円と大きな金額で推移している。最近の大企業及び中小企業の海外進出の状況を考えると、この傾向は今後とも続くものと考えられる。
ところで移転価格税制とはどのようなものであろうか?
移転価格税制とは、国境を越える国・地域の間で利益の付け替えを行うことによって租税負担の軽減を図ろうとする租税回避行為を防ぐための制度である。1954年アメリカで発明され日本では1986年に導入された。
つまり、企業が海外子会社等の国外関連者との間で取引価格を操作し、所得を海外へ移転させて、内国企業の税負担の軽減を図ることを防止する制度を言う。
企業と海外子会社等との取引価格が、通常の取引価格(単独企業間価格)と比較して低額で行われることにより、企業の法人所得が減少している場合には、その取引は独立企業間価格で行われたものとみなして、企業の課税所得を計算する仕組みになっている。                                           (根拠条文:租税特別措置法66条-4 )

財務所のHPに「移転価格税制の仕組み(図解)」が掲載されているので見て欲しい。
財務省HPhttp://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/178.htm            

この例では、日本の対象法人(A社)が、本来、相互に独立した企業間では120円で取引される品物を、海外の関連会社に、それよりも10安い110円で販売することで、日本国内での自社の利益を10円と低く抑えています。逆に海外では10円利益を増やしています。このケースでは、海外の法人税率が日本より低ければ相対的に税率の低い海外で利益を出した方が得になります。このような場合移転価格税制では、独立間価格の120円で取引が行われたとみなしA社の利益を計算することとなるため、結果的にA社の税負担が増加することにもなります。
ただし、移転価格税制による課税処分をうけた納税者は、相手国との間に租税条約が締結されていれば、租税条約に基づき、国際間で生じる二重課税を排除するため税務当局へ相手国との「相互協議」の申立てをすることができることになっています。

次に今年、移転価格税制で問題になった企業の事例を2件ほど紹介しておきます。
なお、以下の記事は日本経済新聞より抜粋したものです。

(2013年8月22日の記事より)
オリンパスが国内と英国の子会社間の取引を巡って東京国税局の税務調査を受け、移転価格税制に基づき5年間で約103億円の申告漏れを指摘された。地方税などを含めた追徴税額は約49億円。実際の納税額は英国の納税分を差し引いた約14億7千万円の見込み。同社は「見解の相違がある」として異議を申し立てる予定。同社によると、指摘があったのは、医療機器製造販売の連結子会社、オリンパスメディカルシステムズ(東京・新宿)が2007年3月期~11年3月期に、英国子会社に内視鏡などの医療機器を輸出した取引。国税当局は取引価格が通常より低く、国内で課税されるべき所得を海外子会社に移し、日本国内での納税額が過少になっていると判断したもようだ。

(2013年6月26日の記事より)
HOYAが海外子会社との取引を巡って東京国税局の税務調査を受け、移転価格税制に基づき5年間で約200億円の申告漏れを指摘された。税務上の赤字があり、地方税や過少申告加算税を含めた追徴税額は約33億円。HOYAが同日、更正処分の通知を受けたと発表した。同社は「当社の主張と東京国税局の見解は明らかに相違がある」とし、課税処分を不服として異議を申し立てる方針という。
同社によると、指摘を受けたのは2007年3月期から11年3月期までの東南アジア子会社との取引。エレクトロニクス製品を開発・製造していた子会社とHOYA本体との取引価格が妥当でなく、本体の所得を子会社に移転して日本国内での納税額が過少になっていたと指摘されたもの。移転価格税制は、取引を通じて海外子会社に利益を移したとみなされた場合に親会社に追徴課税する制度。処分を不服として企業が異議を申し立てるケースも目立つ。
企業がグローバル化している現在、大企業だけでなく中小企業も海外に拠点を移して活動してきている。国と企業の移転価格を巡る「TAXウオーズ」は今後ますます増えてくるだろう。

| 法人税の税務 | 09:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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相続税の課税の分岐点

*相続税の課税の分岐点について

(1)相続税のキーポイントは、「基礎控除」と「自宅敷地の評価」にあります。
 平成23年に亡くなった人は、約98万人であり、そのうち相続税の課税対象となったのは約4.4万人です。このことから相続税のかかる割合は約4.5%になります。
 つまり、100人の方が亡くなって、相続税がかかるのは5人ぐらいで、残り95人は相続税が課税されていないのです。
 例をあげると、時価1億5、000万円くらいの自宅と、その他の財産5、000万円くらいだったら、ほとんど相続税はかからない実情があります。

  ① 基礎控除   
    (改正前5、000万円+1、000万円×法定人数の数)
    (改正後3、000万円+600万円×法定相続人の数―H27.1.1以後適用)
 相続税は一定金額を超える財産を遺して亡くなった場合にかかる税金です。
 例えば、今までは相続人が配偶者と子供2人で計3人の場合は財産額が8、000万円まででしたら相続税はかかりません(基礎控除の範囲内)。つまり、8、000万円を超える財産を相続した場合のみ相続税がかかったのです。

  ② 自宅の評価の特例 
 遺した財産の主なものが自宅で、その自宅が地価の高い場所にあるため相続税評価額が1億5、000万円にもなり、基礎控除を超えるので相続税がかかってくるといって場合だと、相続税を払うには自宅を売却するしかありません。
  しかし、相続税はそこまで厳しい税金というわけではなく、最低限‘自宅’は遺してあげようという趣旨で、自宅の敷地の相続税計算においては、240㎡まで80%引きとなる特例があります。
  これを‘小規模宅地等の評価減’と言います。(事業用の宅地で一定のものについても400㎡までこの特例を受けることもできます。)
  例を言うと、被相続人が亡くなった場合に、その配偶者である妻が自宅敷地の一部または全部を相続すれば、小規模宅地等の特例により、自宅敷地のうち240㎡までの部分の相続税評価額は80%引き、つまり20%評価となります。この場合だと時価(路線価評価額)1億5、000万円の自宅の敷地は、特例を受けると相続税評価額は3、000万円(1億5、000万円×20%)となります。
 したがって、相続人が妻と子供2人の計算で、相続財産が他に5、000万円あるという場合、相続財産の評価額は自宅敷地3、000万円とその他財産5、000万円の合計8、000万円となり、基礎控除以下になるため相続税はかかりません。ただし改正後(H27.1.1以後)は基礎控除が4、800万円となるので、相続税がかかる人が増加するのは必至ですが。                           
(参考:経営者・経理総務担当月刊誌CLUE・平成25年度税制改正 国税局HP)                                   
 

| 相続税及び贈与税 | 12:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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