税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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「中小企業経営力強化支援法」が成立!!

2012年6月21日衆議院本会議において、「中小企業の海外における商品の需要の開拓の促進等のための中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律等の一部を改正する法律」が可決成立した。いわゆる「中小企業経営力強化支援法」である。
経済産業省が昨年度より、特に力を注いでいる中小企業支援策の一環である。

 経済構造の変化の激しい環境のもとで、中小企業の置かれている立場はますます厳しさを増しています。このような状況下、我々税理士は中小企業経営者のアドバイザーとして、中小企業の潜在力の開拓、国内外の需要を掘り起こすための行動計画等、企業を支援していくことが要求されています。従って、我々はこの法律の内容を理解し使えるようにしておかなくてはならない。

まず内容を見ていきたい。

1 支援事業の担い手の多様化・活性化対策

中小企業の経営課題は多様化・複雑化している。そのため、財務及び会計等の高い専門的知識の有する、既存の中小企業支援者・金融機関・税理士法人等をし、中小企業に対して専門性の高い支援事業を実現してもらう。なお、ここで言う認定とは、中小企業の経営状況の認定分析、事業計画策定及び実施に係る指導・助言を行う者を支援機構が新たに創設し、認定を受けた者は中小企業者の資金調達面等で優遇措置が受けられるように支援出来るようにしようとすることである。

2 支援機構の専門家派遣等による事業計画策定協力や、国の信用保証制度の付与による資金調達支援を通じ、中小企業は質の高い事業計画を策定と資金調達支援されることが可能になり、経営力の強化が図られる。

3 海外展開に伴う資金調達に対する支援措置
支援機構の承認又は認定を受けた計画に従って事業を行う中小企業者に対しては、

① 日本政策金融公庫の債務保証業務、日本貿易保険の保険業務を拡充する事により、中小企業の海外子会社に対して海外現地金融機関からの資金調達を受け入れやすく支援する。
② 中小企業信用保険の保険限度額を増額し、民間金融機関が日本の親会社を通じて海外子会社に融資する、いわゆる親子ローンを信用保証し中小企業の海外展開を支援する。

4 施行期日
「公布の日から起算して3ヶ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」
となっている。

中小企業金融円滑化法は2013年3月31日をもって最終終了する。すでに金融機関は良い企業と悪い企業の選別を始めている。このような厳しい状況下で、顧問先である中小企業を支援していく手だてを見つけて行かなくてはならない。

今回の「中小企業経営力強化支援法」は、一つの手助けにもなろう。
我々税理士はそれまでに、中小企業支援が出来る認定者になれるよう情報を取り寄せ、内容を理解しておかなければなるまい。

なお、経済産業省のホームページに今回の法律の改正条文が載っているので興味のある方は見て頂きたい。

経済産業省HP http://www.meti.go.jp/press/                                  以上




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| 事業再生・承継・再建 | 09:57 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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検証 ‘大増税路線’その一方で・・・・

 ふざけるな! まやかしの「身を削る努力」には、だまされない!!
 
 いったい、どこが「身を削る努力」なのだろうか?  

 国家公務員給与の引き下げについて、民主・自民・公明の3党が大筋で合意した。
 実現すれば7.8%の引き下げになるというが、そもそもこのテーマは政権与党がそのマニュフェストで「国家公務員の総人件費を2割削減します」などと公約していたものだ(これによって、削減される給与は年間約3,000億円、ただし、これは2年だけの時限立法で、それ以降はもとの給与水準に戻すとしている)。決して、消費税の増税問題とセットで論じられる性質のものではないし、ましてや7.8%程度の規模で「身を削る努力」などとは言えないはずだ。政府が給与削減の特例法案を提出したのは、震災後の昨年6月のこと。

 「復興財源の一部に充てるため」というのが当初の名目であって、消費税増税への道筋を、付けるための給与削減法案ではなかったのだ。復興財源に充てるという前提だからこそ、恒久的な給与削減ではなく、期限を設けた時限措置として法案化されていた。いわば、「復興のためだから、取り急ぎ実施して、とりあえず2年後には一旦、もとに戻す」といったものだったはず。それがいつの間にか「身を削る努力」にすり替えられ、事実上、消費増税の前提のように扱われてしまっている。この問題とは別に、政府は東京電力に対して1兆円規模の公的資金投入をも計画していた。 事故後に財務状況が急速に悪化している東電が、債務超過への転落を避ける狙いがある。この結果、政府は東電を実質国有化することになる。申請が通り、公的支援の総額は3兆5462億円に達した。震災復興と社会保障改革、そして東電の原発事故の尻拭いまでもが、国民の負担となりそうだ。これらの財源を、ほぼ‘恒久増税’のかたちで納税者にだけ負わせておいて、その一方で、公務員給与の削減は、実現したとしてもたったの2年間だけだ。「身を削る努力」がポーズでしかないことは明らかで、これが消費増税の‘免罪符’などになるわけがない。消費増税に加えて電気料金の値上げ、そして、電力コストを価格へ転嫁されることによる諸物価の高騰(まちがいなく上がる)・・・・。

 政党助成金の廃止・縮小や議員給与の大幅な削減など、国会議員関連歳費の大胆なリストラに着手することもなく、「身を削る努力」などとアピールする‘まやかし’にダマされてはいけない。
 政府が本当に、「この通り、身を削りましたので、消費増税の実現に向けた議論をスタートさせてよろしいでしょうか」というのならば、このような‘まやかし’のポーズだけを繰り返しているのではなく、「復興名目の公務員給与削減として、まず7.8%の引き下げを実施しました。これとは別に、消費税の増税に向けた議論をはじめるための前提として、マニフェストに掲げていた総人件費2割の削減に着手します。これによって、当初2年間の給与引き下げ率は国家公務員1人当たり平均28%前後となります」などというのがスジではないだろうか。
 
 さらにそのうえで、忘れてはならないのが政党助成金の廃止・縮小、議員給与の大幅な削減、国会議員定数の見直しなどだ。議員関連歳費の大胆なリストラもせず、「身を削る努力」をしたなどという政治に、ダマされてはいけない。 
(月刊 社長のミカタ 2012年3月号 参考)
  


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| 財政・税務 | 10:41 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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またまた、国税局敗訴!しかも7歳の子供に!

 国税当局に激震が走っている。今年に入って消費者金融大手『武富士』創業者の長男による贈与税取り消し訴訟で最高裁にて敗訴が確定。武田薬品㈱の移転価格税制の更正処分取り消し訴訟の敗訴。そこへきて同じ「贈与税取り消し訴訟」で再び敗訴、しかも今度は原告が「7歳児」だというのだ。

 「大手教育系出版社『中央出版』(本社・名古屋市)元会長の孫の男児が課税取り消しを求めた訴訟の判決がそれです。孫側は元会長から財産を贈与されたとして贈与税など計約3億1000万円を追徴課税されたのは違法だとして、国に処分取り消しを求めていたが、このほどその訴えが名古屋地裁で認められた。

 もちろん担当弁護士がついているが、原告が7歳というのはおそらく国内最年少。大震災の影響でほとんど報道されませんでしたが、税務史に残るビッグニュースであることに違いはない」(地元社会部記者)

 判決などによると、元会長は米国の信託会社に保有財産の一部を預けた。信託会社は生命保険を購入し、保険金が孫に支払われる形になっていたという。これを国税側は贈与にあたると指摘したが、裁判所に退けられた格好だ。

 国税当局としては「相続税徴税強化」を打ち出した矢先での連敗となった。

「ここ数年、生命保険商品を使った節税策が横行しているため、国税は監視網を強化。疑わしい案件は"勝負に出て"課税するという流れがあった。一方、金融機関や保険会社は富裕層のニーズをとらえようと、節税商品の開発に鎬(しのぎ)を削っている。今回の判例が最高裁まで、もつれ込んで結果として認められれば、保険商品を使った節税行為に拍車がかかることになるでしょう」(ベテラン税理士)

 さらに国税敗訴の影響はさっそく税収を直撃している。武富士裁判では、敗訴をもって約2000億円という税金が払い戻しされ、武田薬品裁判では、同約977億円という税金が払い戻された。「それが原因となり、最新の税収実績(2月分)によれば、贈与税を含む相続税収は記録が残る1960年以降で初のマイナスとなった」(国税OB)のだ。

徴税権力が「税収減」を招いては、元も子もない。

(参考:「経済の死角」現代ビジネス 講談社より)


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| 税務訴訟 | 10:19 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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法人税欠損金の繰越控除制度の改正について

 平成23年度税制改正のうち法人税関係の改正に関して、6月11日のブログでは貸倒引当金について説明してきたが、もう一つ大きな見直しが行われているのが法人税繰越欠損金制度の改正である。
欠損金の繰越控除制度とは、例えば当期に発生した欠損金(赤字)を翌期以降の黒字の所得と相殺することにより、過年度の欠損金に対応する法人税・法人住民税・法人事業税を少なくさせることが出来る制度である。

 国税庁の統計によると資本金1億円以下の普通法人は256万社あり、そのうち欠損計上法人数は184万社、全体の72%を占めているという。今回この中小法人等については、現行の控除限度額の取扱は存続させている。ただし、資本金1億円以上の普通法人等にはこの控除限度額が80%までに制限されることになったので注意を要する。
それではなぜ、このような限度額控除制限制度が出来たのであろうか。その背景も理解しておく必要もあろう。

 平成23年度法人税収入は 約8兆円と言われている。
今年も景気の停滞の影響で税収の伸び悩みが大きい。なかでも、不良債権処理に追われて法人税を納めていなかった大手金融機関等が目立った。ここ10年近く大手金融機関を中心に、貸倒損失に伴う繰越欠損金の繰越控除によりほとんど法人税を納付していない。
ただしやっと、今年から一部メガバンクでも納税をし始めてはいるが。
今回の改正では、この大企業を中心とした法人税繰越欠損金控除額に限度額を設け法人税収入を上げようと着目したわけである。

それでは、改正内容を見ておこう。
1 法人欠損金の繰越控除限度額は繰越控除前所得金額の80% 
(ただし中小法人等以外)  法人税法57条
青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越制度及び青色申告書を提出しなかった事業年度の災害損失金の繰越控除制度における控除限度額について、その繰越控除をする事業年度のその控除前所得の金額の80%相当とすること。また、連結欠損金の繰越控除制度における控除限度額について、その繰越控除をする連結事業年度のその控除前の連結所得の金額の80%相当とするとしている。

2 中小法人等の範囲
  ここで言う中小法人等とは次の法人を言っている。
(1)普通法人の内、各事業年度終了のときにおいて資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本若しくは出資を有しないもの。
ただし、相互会社等の100%子法人及び資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人の100%子法人は除かれる。
(2)公益法人等
(3)協同組合等
(4)人格のない社団等

3 繰越欠損金の2年延長   法人税法57-10
青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間および損失欠損金の繰越期間並びに連結欠損金の繰越期間を現行7年から9年に2年延長する。
この欠損金の繰越期間の延長は資本金1億円以下の中小法人等につても適用される。
ちなみに9年に延長されたのは、控除限度額が80%に制限されたことを考慮してのことで、7年÷0.8=8.75年から9年になったとのことである。

なお、繰越期間延長の対象となる欠損金は、平成20年4月1日以後に終了した事業年度に生じた欠損金額から対象となる。

4 適用要件
法人税欠損金の繰越控除の適用を受ける場合は、欠損金が生じた事業年度の帳簿書類を保存することが要件となる。

5 適用開始時期
上記1~5まで全て、平成24年4月1日以後開始する事業年度から適用される。

諸外国では法人税繰越欠損金の繰越控除期間は、アメリカ20年、イギリス無期限、ドイツも無期限である。これら先進国と比較すると日本の9年は短かすぎるのではないだろうか。
いずれにせよ、国の財源不足の現状では、当面この期間が伸びるとは思えまい。

以上



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| 法人税の税務 | 11:29 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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終身旅行者(PT)とは?!!

 私は2012年6月13日にブログの記事になるものをインターネットで探していたら、その中にある記事で「終身旅行者」ということばを知りました。
昨今、にわかに「終身旅行者」なる言葉が税務の世界でささやかれているそうです。

終身旅行者:Perpetual Traveler (PT)とはどういったものなのでしょうか。

簡単に言えば、ずっと旅行している人はどこの国でも非居住者だという理屈だそうです。

 しかし、このステータスに関する根拠を租税条約の183日ルールに求めているところが、私には疑問です。
183日ルールはあくまでも課税権放棄の規定で、居住者の定義とは関係がありません。

わが国の税法上、終身旅行者の概念は存在しません。
いわゆる「税法が予定していない取引」と言えるかもしれません。

わが国の所得税法は、個人を3種類のステータスに分類しています。
居住者:Permanent Resident (PR)
非永住者:Non-Permanent Resident (NP)
非居住者:Non-Resident (NR)

終身旅行者の目的は全世界で課税を合法的に免れる方法論の構築ですが、少なくとも、人的役務提供を行った場合、非居住者であろうと、国内源泉所得として必ずその国で所得税が課税されるはずです。

 非常に面白い概念ではありますが、使い方を誤ると予測できない課税が生じる恐れがあります。
 「税金がもっと低ければ…」と誰でも一度は思ったことがあるでしょう。

(Permanent Traveler:PT)=終身旅行者になるには、年間500万円の所得と、金融資産1000万円があれば実現可能といわれている。しかし、この条件をもった全員が終身旅行者になれるでしょうか。
特に「日本に何かが起こった際に参考になるライフスタイルの一つになるかも…」という点は、予言のようでもあり興味深いですが。
 
 日本居住者は、タックス・ヘイブン国をいかに利用しても、節税を合法的に実行するのは無理なのです。また、世界のトレンドもこれらタックス・ヘイブンの取り締まりを強化する方向に向かっています。日本でも、1998年4月の金融ビッグバン以来、200万円以上についての送金は金融機関がすべて税務当局に報告しており、無許可で海外へ持ち出し、持ち込みできる金額は、従来の500万円相当額から100万円まで引き下げられました

 2国間、3国間を旅行するスキームも、いよいよPTになった気分の者に対し、プライベートバンク、オフショア金融商品などが紹介されています。
PTは居住国以外の国の不動産は購入しない、目立つ車種、色の車には乗らないといったアドバイスは、スパイ映画『007』を想い起こさせておもしろい。
日本という国の枠から自分を外して、外から日本を観察する可能性を秘めた節税であると思います。
 海外移住に伴う課税関係については、事前に専門家に相談するべきでしょう。
我々の事務所でお手伝いできることがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい


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貸倒引当金に係る2011年(平成23年)度税制改正の概要

 平成23年度税制改正のうち法人税関係の改正がようや2011年(平成23年)12月に公布,施行された。今回の改正の中で実務に大きく影響を与える項目として,貸倒引当金制度の大きな見直しがなされている点が挙げられる。その見直しのポイントは,主として貸倒引当金の適用対象が(1)中小企業等(2)金融機関等に限定された点である。また,これに並行して,(3)売買があったものとされるリース資産の対価の額に係る金銭債権を有する法人((1),(2)を除く)について,そのリース資産の対価の額に係る金銭債権のみを対象として貸倒引当金の計上が認められることとなった。
(2貸倒引当金は、中小法人においては、廃止されていない。検討しなければ、ならない事項である。


1 適用対象の整理

平成23年度税制改正後の貸倒引当金の適用対象を整理すると下記のとおりとなる。

(1) 中小企業等(法法52①一)
① 普通法人のうち資本金1億円以下の会社一般にいう中小企業がこれに該当する。
② 公益法人等又は協同組合等信用金庫や信用組合がこれに該当する。
③ 人格のない社団等

(2) 金融機関等(法法52①二)
① 銀行法に規定する銀行いわゆるメガバンクや信託銀行,地方銀行がこれに該当する。
② 保険業法に規定する保険会社生命保険会社,損害保険会社がこれに該当する。
③ ①②に準ずる会社(法令96④)
証券金融会社,銀行・保険持株会社,サービサー等の民間機関の他日本政策投資銀行や企業再生支援機構等の政府系機関がこれに該当する。

(3) 売買があったものとされるリース資産の対価の額に係る金銭債権を有する法人(法法52①三,法令96⑤)
リース会社,証券会社,質屋,カード会社,信販会社,消費者金融等がこれに該当する。

 上記をみてわかるとおり,いわゆる中小企業と金融機関が貸倒引当金の適用対象となっている。中小企業に関しては,その規模から過度な税負担は経営に影響を与えかねないという配慮から適用対象とされたものと考えられる。また,金融機関については,貸倒引当金等のクレジットコストが大きなコストであり,貸倒引当金をすべて有税にしてしまうと経営に与えるインパクトが過大となることから,これに配慮する形で適用対象とされたものと考えられる。
 ただし,金融機関といっても上記(3)に定めるリース会社やカード会社等については,改正前の規定と異なり,引当の対象とされる債権は限定されている。リース会社であればリース資産の対価の額に係る金銭債権,質屋であれば質契約に係る金銭債権等,それぞれの事業に係る金銭債権のみが対象となることに留意が必要である。
したがって,例えばリース事業を行う事業者が別の事業を同時に行っているような場合には,そのリースに係る債権については貸倒引当金の対象とできるが,別事業に係る債権については貸倒引当金の設定対象とはできないこととなる。
以上をまとめると図表1のとおりとなる。表を見てわかるとおり,資本金1億円超の大法人に関しては,リース債権等の金銭債権を有しない限り,貸倒引当金の計上醗貸倒引当金改正のインパクトは一切認められないこととなる。改正前のクレジットコストに係る税金計算の考え方とは大きく異なるため注意が必要となる。
この点については後述する。

インパクト図1


2 適用時期及び経過措置

 貸倒引当金に関する改正は,平成24年4月1日以後開始する事業年度より適用されることとなる。これにより,上記1(1×2×3)に該当しない法人に関しては,貸倒引当金の計上が認められなくなるが,その影響を緩和するため,一定の経過措置が設けられている。
平成24年4月1日から平成27年3月31日の間に開始する事業年度を経過期間として,改正前の規定に基づき算定された貸倒引当金の繰入限度額を4分の1ずつ逓減することとされた。したがって,貸倒引当金の適用対象外となる法人の経過期間における貸倒引当金の損金算入限度額は、以下のとおりとなる。

インパクト図2

(引用元:中央経済社発行 税務弘報 5月号 VOL.60 著者 税理士 大村圭一)

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| 貸倒損失・引当金 | 12:26 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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新設された税務調査手続 その2

 前回はあらまし~税務調査の経緯、新設された各種税務手続といった概要を紹介しました。
今回は、税務調査についてのまとめを表にしましたので掲載します。
ご参考になれば幸いです。

図1は、法人企業に対する、法人税・消費税の質問検査権の概要である。(現在の適用条文)である。
2011年12月2日に包括法の中で、国税通則法の改正(特に税務調査関係を、統合して第74条に新設した。)して、2012年1月1日より適用される。
図2は、第74条に新設の内容であり、細かい事は、令・規則で発表。まだわからない。


【図1】法人企業に対する当該職員の質問検査権
事前通知図2
【クリックして拡大表示】


【図2】税務調査一覧
事前通知図
【クリックして拡大表示】


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| 税務調査 | 10:53 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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本セミナーでは
"租税訴訟補佐人で変わる権利の救済"
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場所:東京都新宿区四谷3-13-20 四谷YSビル



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また下記追記部分からメールでも申込可能です。
【続きを読む】

| セミナー等案内 | 17:59 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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新設された税務調査手続 その1

1 新設された税務調査のあらまし

【図表】積み残し部分の平成23年度税制改正案(「経済社会の構造の変化に対応した税制の構造を図るための所得税法などの一部を改正する法律案」)の取扱いについてが、当初(2012.1.25提出の法案を3回目の改正(納税者権利憲章は、のぞく)成立させた。大変わかりずらく、包括法でいいのか疑問である。
積み残し

① 税務調査の経緯
 従来の税務調査は、質問検査権の規定に基づき税務調査手続を権利の行使と考え、権利行使を阻害する納税義務者に対しては、検査拒否罪で間接強制を行う権力行使としての税務調査で、民主的な税務調査手続はほとんど設けられていない状況でした。
まさに「官尊民卑」の税務調査が行われていたといえると思います。その結果、課税処分に係る納税者の最高裁における勝訴判決が相次いで言い渡され、国民からも税務行政について批判の声が高くなり、平成23年度税制改正で、それに基づき国税通則法によって具体的に初めて「新設された税務調査手続」が法律として規定されたということがいえます。
このことは、税務行政が国民は納税の義務(憲法30条)があるから行政側は徴税の権利があると考え、その前提としての基本的人権(憲法11条~29条)を配慮しなかった結果ではないかと考えています。
したがって、これを契機として国民は「官尊民卑」を脱し「官民平等」の立場からの税務調査を早期に樹立する必要があると思われます。


② 各種税務手続の新設

1 国税通則法の改訂
国税通則法の改正を行い、次の一覧に掲げるような各種税務手続の明確化及び法制化が図られました。

各種税務手続の明確化
【クリックで拡大表示】

2 適用関係
前ページ「1 国税通則法の改訂」の改正は、平成25年1月1日以後に納税義務者に対して行う質問検査権等又は提出される物件について適用します。(改正法附則39①)。


出典:『新設された税務調査手続と税理士の権利』 著者:税理士 右山 昌一郎
発行:一般財団法人 大蔵財務協会



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| 税務調査 | 11:26 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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