税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

<< 2011-09- | ARCHIVE-SELECT | 2011-11- >>

| PAGE-SELECT |

>> EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

>> EDIT

平成23年度 消費税法改正について その2

 消費税法の今回の改正について、前回は事業者免税点制度の見直しを見てきましたが、今回は仕入税額控除(いわゆる95%ルール)の見直しについて見ていきたいと思います。


1.改正前
原則として、非課税売上に対応する仕入れに係る消費税額の仕入税額控除は認められていませんが、課税売上割
合が95%以上の場合には課税仕入等の消費税額について全額の控除が認められていました。


2.改正の内容
 95%ルールについては、その課税期間の課税売上高が5億円(その課税期間が1年に満たない場合※には年換算)を超える事業者には適用されないこととなりました。
 従って、課税売上高が5億円を超える場合には、課税売上割合が95%以上であっても個別対応方式か一括比例配分方式により控除対象仕入税額を計算しなければならないこととなります。
  ※仮決算による中間申告書を提出する場合も同様となります。


3.適用開始
 この改正は、平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用されます。つまり、個人事業者であれば平成25年1月1日から平成25年12月31日までの課税売上高で判定することになり、この期間の課税売上高が5億円超であれば95%ルールの適用はできないこととなります。


4.個別対応方式と一括比例配分方式の選択
①個別対応方式
一般的に、一括比例配分方式より有利と言われています。(通常のケースでは、課税売上に係る課税仕入額が大多数を占めているためです。)
しかし、課税仕入等の税額を㋑課税売上のみに対応するもの、㋺非課税売上のみに対応するもの、㋩課税売上と非課税売上共通に対応するものとに区分して、
(㋑+㋺×課税売上割合)で計算した金額を仕入控除額とするため、事務の煩雑さを伴うこととなってしまいます。
②一括比例配分方式
 課税仕入の区分の有無に関わらず、課税仕入等の全額を課税売上割合で計算した金額を仕入控除額とする方法です。
 事務手続的には簡易な方法ですが、注意として一括比例配分方式を選択した場合には2年間継続して適用しなければなりません。ただし、翌課税期間の課税売上が5億円以下となり、全額控除が適用された場合には一括比例配分方式が継続適用されたことになります。


5.最後に
 この改正は95%ルールの適用により本来納付すべき税額を納付しなくてもよい益税問題が指摘されたことにより、益税が多額となる大企業については95%ルールを撤廃して、益税を減らしていくことを目的とされていると言われています。
例年課税売上高が5億円を超える事業者については、平成24年4月1日以後に始する事業年度から個別対応方式を採用する場合には、課税仕入に係る消費税額を㋑課税売上のみに対応するもの、㋺非課税売上のみに対応するもの、㋩課税売上と非課税売上共通に対応するものとに区分する必要があります。また、㋩課税売上と非課税売上共通に対応するものについては、生産実績等の合理的な基準により㋑と㋺に区分することが可能な場合には課税売上割合に代えて合理的な割合による区分も認められています。
従って、その年の課税売上が5億円を超えると見込まれる事業者は、個別対応方式と一括比例配分方式との選択のほかに、按分計算の方法についても検討する必要があるのです。


6.事業者免税点制度・仕入税額控除制度の見直しの適用時期の比較
事業者免税点
【クリックして拡大表示】












↓以下、ブログランキングに参加中です。ぜひご協力ください。
人気ブログランキングへにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

| 消費税法 | 10:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

>> EDIT

債務整理の切り札となる抵当権消滅請求

 この記事は住宅新報社の特別企画講座、平成17年3月27日に掲載された不動産FP講座の原稿をリニューアルし作成致しました。


【質問】
 甲氏はバブル時代に複数の金融機関から借入れをして、賃貸マンションを建設しましたが、その後、稼働率の悪化と賃料の下落により、借入金の支払いに困窮するようになりました。私と甲氏は銀行に対して、任意売却に応じるように交渉していますが、なかなかクビを立てに振っていただけません。任意売却の価格は私が見積もった時価です。今後の交渉において、有効な手法はありますか?やはり競売以外に解決方法はないのでしょうか?
 

【回答】 
 その後、質問者からさらに詳しい状況をヒアリングすると甲氏の不動産には図のように、3つの抵当権がついていることが判明しました。A銀行は甲氏の不動産の売却に応じる意向はあるもののB銀行とC銀行が反対し、膠着状態が続いているようです

住宅新報 3

○抵当権消滅請求を利用して債権者に新たなアプローチを
 
債務者側からの任意売却の要望に対して債権者側が承諾しない場合には、債権者の申立による競売以外に解決法はないと考える人は少なくありません。しかし、現実には他に方法はあります。それは民法378条による「抵当権消滅請求」の制度を利用する手法です。この制度は以下の手順に従って実行します。甲氏のケースで解説しましょう。
 まず、甲氏の不動産を抵当権付きで、第三者(ここでは乙氏とします)に転売(所有権移転)します。乙氏は抵当権者(このケースではA,B,C銀行)に対して「相当な対価を支払うので、抵当権を抹消して欲しい」と請求します。
 抵当権消滅請求は、従来は滌除と呼ばれた制度であり、平成15年の民法改正により滌除はなくなりました。従来の滌除制度には以下の特徴がありました。

①抵当不動産の第三取得者は、妥当と考える任意の支払い額を自ら設定して、滌除の請求ができた。→時価よりもかなり低い金額での請求が可能だった。
②第三者の滌除請求に対し、抵当権者は増加競売でしか対抗できなかった。
③増加競売は以下の点で、抵当権者に不利だった。
 a. 競売において、第三取得者(滌除権者)の支払い提案額金額より1割以上高価に落札されなかったときは、1割以上増額して自らその不動産を買受けなければならない。
 b. 債権者が滌除の送達を受けた後、一ケ月内に増加競売を請求しないときは第三取得者の提供を承諾したものとみなされる。
 
 では、抵当権消滅請求を受けた債権者は支払い提案額に不満がある場合には、どのような対抗処置があるのでしょうか。それは、通常の競売の申立をすることです。旧法のように、増加競売の制度はないですから、消滅請求を受けた日から2ケ月以内に競売の申立をすれば良い(民法385条、民法384条1号)のです。また、競売において入札者が現れず、2回目、3回目も現れず、競売手続きが取り消されても、消滅請求は有効にはなりません(民法384条4号、民事執行法38条3第3項)。債権者とすれば、不良債権の処理の先延ばしをすることができるわけですが、昨今の金融庁の指導とは矛盾してしまう行為となります。したがって、実務的には条件さえ折り合えば、抵当権消滅請求を受け入れる傾向が強まっています。
 ただし、以下の者は第三取得者であっても、抵当権消滅請求ができませんので、注意してください。

①主たる債務者
②保証人(連帯保証人)
③主債務者と保証人の債務の包括承継人(相続又は合併により主債務・保証債務を承継した者)
④主債務者と保証人の債務の特定承継人(主債務又は保証債務を債務引受した者)



「抵当権消滅請求が成功するか否かの最大のポイントは何か?」というのは次回詳しく書いていきます。











↓以下、ブログランキングに参加中です。ぜひご協力ください。
人気ブログランキングへにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村

| 事業再生・承継・再建 | 12:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

>> EDIT

資力喪失と保証債務 その1

 この記事は住宅新報社の特別企画講座、平成17年2月28日に掲載された不動産FP講座の原稿をリニューアルし作成致しました。

【質問】
 甲は、A社の代表取締役です。A社が3億円をX金融機関より借り入れ(現在2億円の残高)するとき債務保証をしました。A社が資金繰りの悪化により借入金の返済が出来ずX金融機関より期限利益喪失通知が送達された後に競売の申し立てをされたので、やむなく自宅物件(30年前に相続で取得)を平成17年5月25日任意売却処分(売価1億円)して1億円の保証債務を履行しました。甲はA社に対して残り1億円の求償権はありますが、A社は倒産し、求償権を放棄しました。

 譲渡費用は240万円かかりました。保証債務の履行による資産の譲渡をした場合の譲渡所得の特例が受けられますか。この場合譲渡所得の計算上なかったものとみなされる金額及び課税長期譲渡所得の金額の計算は、どのようになりますか。残債務1億円は、支払うことが出来ません。破産申し立てして免責を弁護士に依頼しました。譲渡益9500万円(売価1億円の5%の概算取得費で計算)に対する税金は、どうしたらいいですか。売却代金はX金融機関に全額充当され、手元に現金はありません。また今後入金の予定も立ちません。なお甲の平成17年分の所得は、上記以外に給与所得が500万円あります。


【回答】 
○強制換価手続きに類する取引では二つの選択が
 債務者の求償権行使の問題に対して考慮しなければいけない問題があります。
保証債務履行(所64条2)と資力喪失(所9条①10)のふたつの選択があります。
税理士に相談すると90%は、保証債務履行(所64条2)の件を説明されます。
下記図表1をご覧ください。
資力喪失
今回のような保証債務の履行に伴う資産の譲渡に際しては、個人の資力喪失(所9条①10)と保証債務履行(所64条2)のどちらに該当するかを見極める必要があります。

① 保証債務履行による資産の譲渡が、強制換価手続き又はそれに準ずる資産の譲渡か。
② 債務者が資力喪失状態か。
③ ①及び②に該当すれば、強制換価手続きの非課税の取り扱いとなります。
④ しかし①および②の条件を満たさないと通常の譲渡所得課税となります。


それでは強制換価手続き又はそれに準ずる資産の譲渡(所9条①10)と保証債務履行(所64条2)の差異は何でしょう。

 まず、譲渡対価の債務弁済の充当が前者は原則全額充当であるのに対し、後者は一部充当でも良い点が異なっています。また一番大きな違いは、前者は申告要件がないのに対し、
後者は申告要件が必要である点です。ただし、前者は申告書の代わりに非課税疎明資料を提出する義務があります。
 甲氏の場合、自宅を競売ではなく任意売却していますが、競売の申立をされたことによりやむなく売却していますので、強制換価手続き及びこれに類する取引による資産の譲渡となります。また譲渡対価(売却代金)を全額X金融機関に支払っていますので、全額を債務の弁済に充当しています。譲渡時において甲氏が資力喪失状態にあれば、「強制換価手続き又はそれに準ずる資産の譲渡(所9条①10)、令26条」の適用を受けられます。










↓以下、ブログランキングに参加中です。ぜひご協力ください。
人気ブログランキングへにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村

| 保証債務 | 12:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

>> EDIT

平成23年度 消費税法改正について その1

消費税法の今回の改正については、6月22日に可決成立し、6月30日に施行されました。その内容は、以下の4点の見直し ①事業者免税点制度、②仕入税額控除(いわゆる95%ルール)、③還付加算金の計算期間、④罰則、並びに仕入税額控除に関する明細書添付の義務付けとなっています。
なお、③の還付加算金の計算期間については、直接消費税法の改正ではないですが、還付事案は概ねこれに該当します。
それについては10/20の『インバウンドシリーズ第5弾』でも触れておりますのでご参考までに。 今回は、事業者免税点制度の見直しについて見ていきたいと思います。

1.改正前
小規模事業者(資本金1,000万円未満の法人及び個人事業者)については、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であれば、消費税の納税義務は免除されていました。    つまり、個人事業者は新規開業年とその翌年、資本金1,000万円未満の法人は設立事業年度と翌事業年度については原則免税事業者でした。
消費税その1
【クリックして画像拡大表示】

2.改正の内容
 小規模事業者について、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の場合であっても、特定期間の課税売上高(または、給与総額)が1,000万円超であれば事業者免税点制度は適用されず課税事業者となってしまいます。
消費税その2
【クリックして画像拡大表示】

3.特定期間
①個人事業者の場合
その年の前年1月1日から6月30日までの期間(6ヶ月間)

②法人の場合
㋑ その事業年度の前事業年度(7ヶ月以下その他一定のものを除く)開始の日以後 
6ヶ月の期間
㋺ その事業年度の前事業年度が7カ月以下その他一定のものに該当するときで、前々事業年度がある場合には前々事業年度の開始の日以後6ヶ月の期間(前々事業年度が6カ月未満であれば、前々事業年度の期間)

4.適用開始
 この改正は、平成25年1月1日以後に開始する個人事業者のその年又は法人にその事業年度について適用されます。つまり、個人事業者であれば平成23年度の課税売上高が1,000万円以下であっても、平成24年1月1日から6月30日までの特定期間の課税売上高が1,000万円超であれば平成25年から課税事業者になってしまいます。同様に3月決算法人であれば、平成24年4月1日から9月30日までが特定期間となり、この期間の課税売上高が1,000万円超であれば課税事業者に該当します。

5.給与等との選択
 特定期間については、課税売上高に代えて所得税法に規定する給与等の支払額の合計額とすることができるとされており、課税売上高と給与等の合計額とのいずれか有利なほうを選択できるとされています。つまり、特定期間の課税売上高が1,000万円超であっても、給与等の合計額が1,000万円以下であれば免税事業者となります。

6.届出書の提出
 特定期間の課税売上高が1,000万円超となり、課税事業者に該当することとなった場合には、特定期間の課税売上高か1,000万円を超えることとなった旨の届出書を提出することになります。

7.最後に
 この改正は消費税の免税制度を悪用した課税逃れを抑制する観点から課税売上高が1,000万円を超えることが明らかとなった場合には翌事業年度から課税事業者となるようにすることとしたものです。ただし、給与等の金額が1,000円以下であれば適用されないことから、この改正で必ずしも課税逃れの抑制ができるとは言えません。また、課税売上が期の前半に集中する事業者と期の後半に集中する事業者とでは、年間を通じて同じ課税売上高であったとしても、課税事業者になる時期が差が生じてしまうという問題点も残されているのです。
 









↓以下、ブログランキングに参加中です。ぜひご協力ください。
人気ブログランキングへにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村

| 消費税法 | 11:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

>> EDIT

インバウンドシリーズ第5弾

消費税還付申告の内容についてのお尋ね!! 
 
最近、「還付保留お尋ね」と称して、確定申告提出後に「消費税還付申告の内容についてのお尋ね」が、以下のような文面で税務署から来ていませんか?

インバウンド5

消費税は、原則として「売上に係る消費税額」から「仕入等に係る消費税額」を控除して納付税額を計算するが、その結果、後者の金額が上回り、控除不足額が生じた場合には、その控除不足額を還付することとされている。
消費税のこうした仕組みから、輸出主体の事業者については恒常的に還付申告書を提出することとなる場合が多く、消費税額が売上に係る消費税額を上回ることにより還付申告書を提出することとなる。
そこで、平成23年度税制改正において、「還付申告書(仕入控除税額等の控除不足額の記載のあるものに限る。以下同じ。)を提出する事業者に対し任意に提出を依頼していた「仕入れ控除税額に関する明細書」につき、その記載事項を見直したうえ、その還付申告書への添付を義務付けることとされた(消費税法施行規則22条3項)。
そしてこの適用時期は、平成24年4月1日以後に提出する還付申告書について適用されることになっている。

やはり、税務当局としては、大量の還付申告書の迅速かつ適正な審査を実施する必要性等の観点から、平成4年以降、還付申告書の添付書類として「仕入控除税額に関する明細書」の提出を求めていたが、あくまで事業者の任意に委ねられているものであった。
しかし、近年、消費税の仕組みを悪用した多額の不正還付の事例が発生するなど、不正に対する対応が求められていたこと等から、この改正においては、上記の不正還付未遂罪の創設とあわせ、還付申告書の添付書類を見直すこととされたのであろう。
いづれにしても、税務当局がこの改正により消費税の還付申告には、かなりチェックが入りそうである。
還付の事案について、「還付保留のお尋ね」として、資料を収集していることは、来年の4月1日以降分としているものの先取りではないのか。






↓以下、ブログランキングに参加中です。ぜひご協力ください。
人気ブログランキングへにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村

| 業種別特別情報 | 09:49 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

>> EDIT

国税通則法 その1

今回のテーマとなる通則法は「国税の強制・滞納処分にあなたは、どう対処すべきか その3」で一度触れていますが、今回はその国税通則法に関してより詳細に解説します。


賦課権(更正・決定・賦課決定をなしうる期間の制限)の除斥期間
租税法12版金子宏著(P641-643)より引用。賦課権に代えて確定権を使用。

1.通常の除斥期間

(1)更正・決定の除斥期間

更正(再更正を含むが、決定に対する再更正は、除く)は、原則として、その更正に係る国税の法定申告期限(還付請求申告書に係る更正については、当該申告書を、提出した日)から3年を経過した日(同日前に期限後申告書の提出があったときは、同日と。その提出があった日から2年を経過した日のいずれか遅い日)以後においては、することができない。(通則法70条1項1号、関税14条1項。無申告加算税・無申告重加算税は、5年通則法70条1項2号)

ただし

1.)法人税に係る更正(通則法70条1項2号括弧書き。2004年4月1日開始事業年度以降。2004年3月31日事業年度は、3年)2)減額更正(通則法70条2項1号)

2.減額更正(通則法70条2項1号)

3)純損失等の金額若しくは、還付金の額を増加させる更正又はこれらの金額があるものとする更正(通則法70条2項2号)法人の純損失等に係るものは、7年)

4)純損失等の金額を減少させる更正(通則法70条2項3号法人の純損失等に係るものは、7年)

5)法定申告期限から3年を経過した日以後に期限後申告書の提出のあった国税の更正(通則法70条2項4号)は、法定申告期限から5年を経過した日まで、これを行うことが、できる。(2項)

決定及びこれに対する再更正は、法定申告期限から5年を経過した日においては、することができない。(3項)

偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税についての更正・決定、若しくは偽りその他不正の行為により過大な純損失等を申告した場合における当該純損失等の更正は、法定申告期限から7年(昭和56年・(1981)年度改正・従前5年・ロ-キ-ド事件がもととなる。)を経過する日まで、これを行うことができる。(同5項1号)

相続税の更正は、相続人が、被相続人の行った「偽りその他不正の行為」を知らなかった場合も、この規定が適用されると解すべきである。(神戸地裁昭和57年・(1982年)4月28日月報28巻8号1662頁)

贈与税についての更正・決定の除斥期間が、申告書の提出期限から6年を経過する日まで延長された。平成15年(2003年)改正。(36条1項1号。2号・3号)

偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた贈与税の更正・決定は、申告書の提出期限から7年を経過する日まで行うことができる。(相続税36条2項1号。2号)

(2)賦課決定の除斥期間

①課税標準申告書の提出を要する国税で、その提出があったものに係る賦課決定(再賦課決定を含む)は、申告書の提出期限から3年を経過した日以後においては、することができない。(通則法70条1項2号)
ただし

②減額の賦課決定は、課税標準申告書の提出期限から5年を経過する日までできる。(同2項1号)

③課税標準申告書の提出を要する国税で、当該申告書の提出がなかったものに係る賦課決定は、その提出期限から5年を経過した日以後については、できない。(同4項1号)

④課税標準申告書の提出を要しない賦課課税の国税は、その納税義務の成立の日から5年を経過した日以後においては、することができない。(同2号)

⑤贈与税の過少申告又は無申告による加算税の賦課決定は、納税義務の成立の日から6年を経過する日まで行うことができる。(相続税法36条1項3号)

⑥偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税についての賦課決定は、課税標準申告書の提出を要するものについては、その提出期限から7年、提出を要しないものについては、その納期限の成立の日から7年を経過する日まで行うことができる。(5項2号・3号)

⑦地方税は、不動産取得税については、「それを課することができることとなった日」の翌日から5年間の除斥期間を定めている。(17条の5台3項)ここにそれを課する日とは、不動産所有権の登記の日でなく、その取得の日を意味する。(京都地裁昭和51年(1976年)9月10日判時845号51頁参照)


Ⅱ、特別の除斥期間

一定の事実が、後発的に生じた場合においては、特別の除斥期間があり、通常の除斥期間の経過後もなお更正・決定が出来る。

(1)不服申し立て若しくは、訴え.についての採決・決定若しくは判決により原処分の移動又は更正の請求に伴い課税標準等又は税額等に移動を生ずべき国税で、当該採決等又は更正を受けた者にかかるものについての更正・決定等は、その採決等のあった日から6ヶ月は、行うことが出来る。(通則法71条1項1号・地方税法17条の6第1号1項)


(2)申告納税方式による国税につき、その課税標準の計算の基礎となった事実のうちに含まれていた無効な行為により生じた経済的成果がその行為の無効であることに起因して失われたとか、当該事実のうちに含まれていた取り消しうべき行為が取り消された等の理由(政令30条・24条5項)に基づく更正は、その理由が生じた日から3年間は行うことが出来る。(通則法71条1項2号・地方税法17条の6代1項3号)
たとえば、①横領により利得が、相手方に返還された場合②いったん課税の対象とされた未収の債権が後に貸し倒れになった場合
これらの場合は、納税義務者は、更正の請求が出来る。










↓以下、ブログランキングに参加中です。ぜひご協力ください。
人気ブログランキングへにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村

| 国税通則法 | 11:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

>> EDIT

中小企業を取り巻く「新会計ルール」が始まった

 学生時代会計学を学習した者は、現在の会計基準の変化には隔壁の感があるだろう。
国税庁の発表によると、2011年、我が国の申告法人社数約300万社のうち資本金1億円以下の法人数は約90%、その内赤字法人は75%を占めている。逆に言えば黒字企業は25%しかないと言うことである。このような中で大企業は株主対策、資金調達のための財務諸表を作成しており、中小零細企業は、税務申告用の決算書の作成や金融機関融資のための申告書を作成しているのが実情であろう。そもそも誰のための会計基準なのでしょうか?
今回は中小企業の会計基準にスポットをあてて考察していこうと思う。

会計ルール
上の図表を見て頂きたい。日本の中小企業の会計は「中小企業会計指針」を基に作成されている。
株式会社は会社法435条により計算書類の作成が義務づけられている。
そして、中小企業がその計算書類の作成に当たり拠り所になっているのが、「中小企業の会計に関する指針」である。そして、本指針の対象になるのが上記の250万社の中小企業である。
「中小企業の会計に関する指針」は2007年2月日本公認会計士協会・日本税理士会連合会・日本商工会議所・企業会計基準委員会が共同で公表した指針です。

具体的内容としては、

1.金銭債権・金銭債務の取扱いかた
2.貸倒損失・貸倒引当金の取扱かた
3.有価証券評価方法
4.棚卸資産の評価方法
5.経過勘定等の取扱かた
6.固定資産・繰延資産の取扱かた
7.退職給与引当金及びその他引当金の取扱かた
8.税金費用・税金債務の取扱かた
9.税効果会計
10.純資産の区分表示
11.収益・費用の計上の取扱かた
12.リース取引
13.外貨建取引等の取扱かた
14.組織再編の会計処理
15.決算公告方法

これらを、「会計処理・表示」として個別的に説明し、これに基づいての会計処理を要求しているのである。
これらは大企業向けの会計基準であるIFRSの影響力を強く反映されているものと考えられており、かなりレベルの高い会計基準であるといえよう。この会計基準は毎年少しづつ改訂されていたが、あまりにも中小企業の会計の実態とかけ離れており、望ましくないとの批判を受け、今回新しいガイドラインを作成するに至ったのである。

新しい会計基準のコンセプトは、「経営に役立つ会計」であること。簡単明瞭で経営者が自社の経営状況の把握に役立つ会計でなくてはならないと言うことであろう。
今年2月15日より中小企業の会計に関する検討会ワーキンググループ(金融庁と中小企業庁が中心)を設置し、実態に即した会計ルールの整備を検討することとした。本年9月頃の予定をしていたが、震災等の影響により遅れ、年内までにはとりまとめられ報告される予定である。
具体的な進捗内容に関しては、中小企業庁のホームページ「中小企業の会計に関する検討会」の議事内容を参考するようおすすめする。

今後、金融機関への融資申込にはこの新会計による決算書が必要となると予想されている。従って、実質的には強制適用になることとなるものと思われる。
中小企業の顧問先を沢山抱えている税理士等は、早期に「新会計基準」を導入し、一歩先んじてアドバイス出来るようにして欲しいものである。









↓以下、ブログランキングに参加中です。ぜひご協力ください。
人気ブログランキングへにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村

| 会計 | 11:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

>> EDIT

2011年租税罰則の見直し

2011年①

その2  消費税の不正還付未遂剤の創設(1) 改正の内容
 消費税の不正還付に対しては、これまで受還付犯の規定が設けられていたが、今回その未遂を処罰する規定を創設することとされた(消法64②) 
 消費税の不正受還付犯(既遂)の法定刑は、10年以下の懲役若しくは1,000万円(情状により脱税額)以下の罰金又はこれらの併科とされているところであるが(消法64①③)、刑法上、未遂犯については、その刑を減軽することができることとされている(刑法43,68)。

(参考) 刑法[明治40年法律第45号] 《抄》
(未遂減免)
第43条 犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。

第68条 法律上計を減軽すべき1個又は2個以上の地湯があるときは、次の例による。
一・二 省略
三 有期の懲役又は禁錮を減軽するときは、その長期及び短期の2分の1を減ずる。
四 罰金を減軽するときは、その多額及び寡額の2分の1を減ずる。
五・六 省略


(2)改正の背景
 消費税は、「売上に係る税額」から、「仕入に係る税額」を差し引いて税額を計算するため、「仕入税額」が「売上税額」を上回る場合に還付となる。こうした仕組みの下、架空資産の仕入等を偽装することにより、過大な「仕入税額」が
あるとして虚偽の還付申告を行うという事例が発生していた。
 また、近年、消費税の還付金総額は年間2兆5,000億円に達する状況の中で、不正還付事案も増加傾向にあり、不正還付の未然防止は喫緊の課題となっていた。
消費税の不正還付を受ける行為については、現行法において

① 「借名(他人名義)による不正還付申告」は、刑法の詐欺罪の対象となり、不正還付申告書を提出した辞典で、詐欺未遂罪(刑法246条、250条)が成立する一方、
② 「実名(自己名義)による不正還付申告」については、消費税の不正還付罪の対象となるが、未遂財処罰規定がないことから、還付金の受領がない限り、消費税の不正還付罪の対象とならない、

といった、処罰の不均衡が生じていた。
 こうした状況に適切に対処し、悪質性の高い消費税の不正還付請求事案に厳正に対応する観点から、今回、消費税の不正還付の未遂を処罰する規定を創設することとされたものである。

2011年②
その3 適用時期 
 上記1(1)及び2(1)の改正は、改正法の公布の日(平成23年(2011年)6月30日)から起算して2月を経過した日(具体的には、平成23年(2011年)8月30日)以後ににした違反行為について適用され、同日前にされた違反行為に対する罰則の適用については、従前どおりとされている(改正法附則1一、92)

(改正税法詳解:中央経済社 中村集一郎)











↓以下、ブログランキングに参加中です。ぜひご協力ください。
人気ブログランキングへにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村

| 納税環境整備 | 09:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

>> EDIT

外国税額控除制度について その2

外国税額控除制度の改正項目 ! -平成23年年度税制改正大綱より-

 外国税額控除制度については、1月に国会に提出された「所得税法等の一部を改正する法律案」により、次の項目の改正がされた。
平成23年度税制改正大綱(外国税額控除に係る部分)
外税②
1.の項目については、外国法人税の範囲の見直しとして平成23年6月30日に公布・施行された「法人税法施行令の一部を改正する政令」(平成23年政令第196号)などにより実現したものである。(改正法令141条、所令221条関係)
 これは、「税率が納税者と税務当局との合意により決定される税」を外国法人税から除外する規定がないところ、最高裁第一小法廷平成21年12月3日判決(いわゆるガーンジー島事件)は、明文の規定がない以上、こうした税が外国法人税に該当しないとはいえないとした判示。この判決を受けて、「税率が納税者と税務当局との合意により決定される」外国法人税として捉えることが不適当な部分は外国法人税にふくまれない旨が明確化されることになったのである。
 2.の項目についても、控除限度額の計算に係る国外所得の範囲の見直しとして平成23年6月30日に公布・施行された「法人税法施行令の一部を改正する政令」(平成23年政令第196号)などにより実現したものである。(改正法令142条及び155条の28、所令222条関係)

 大綱では、租税条約相手国で外国税等が課されるものは、国外所得に該当するとする改正が明記されていた。たとえば、外国法人の役員である日本の居住者が、日本で役員としての役務提供を行い、外国法人から役員給与を受領した場合、日本及び外国で課税されることとなる。この場合、役員給与が国外所得に該当すれば外国税額控除が適用できるところ、国外所得に該当しないことから、外国で課税された税額が日本の外国税額控除の対象とならず、二重課税が排除されないという問題が生じていた。そこで、外国税額控除における控除限度額の計算上、条約相手国に条約上課税権を認めた所得は『国外所得』に該当するとの措置を講ずることにより、居住者について生じた二重課税の問題が解消されることとなったのである。









↓以下、ブログランキングに参加中です。ぜひご協力ください。
人気ブログランキングへにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村

| 外国税額控除 | 15:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

>> EDIT

納税環境整備

1 租税に関する罰則の見直し

  課税の適正化を図り、税制への信頼を確保する観点から、租税に関する罰則(国税)関係について、以下の見直しを行いました。(第1回改正)この罰則の改正は2010年6月1日以後にした違反行為について適用されます。2011年8月30日(第2回改正)。今回は、第1次改正を、次回は、第2回改正を記載します。納税者権利擁護の規定より先に罰則が先行しました。これでよいのか大いに疑問が残ります。


(1) 脱税犯にかかる法定刑の引上げ等

 所得税の脱税犯の対象に、非居住者の給与等につき源泉徴収を受けない場合の申告に係るものを加えたほか、所得税(源泉所得税に係るもの)、航空機燃料及び電源開発促進税の納税者の代理人等(行為者)が、納税者の業務等に関して脱税に係る違反行為をした場合における納税者の業務主(法人又は業務主たる個人)としての罪の公訴時効期間は、代理人等(行為者)に係る罪の公訴時効期間によるものとされました。
 このほか、以下の罰則の変更が行われました。以下の表において、(注)「直接税」とは、所得税、法人時、相続税、贈与税及び地価税をさし、「間接税」とは、消費税、酒税、たばこ税、たばこ特別税、揮発税、地方揮発税、石油ガス税、石油石炭税、航空機燃料税、電源開発促進税及び印紙税をさします。
納税環境1


(2)秩序犯に係る法定刑の引上げ等

 以下の改正のほか、申告書不提出犯の対象に、相続税法および租税特別措置法に規定する義務的修正申告書及び義務的期限後申告書を提出しない場合を加え、間接税等に設けられている科料規定を廃止しました。
※直接税及び間接税の定義は上記(注)と同じ

納税環境2









↓以下、ブログランキングに参加中です。ぜひご協力ください。
人気ブログランキングへにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村

| 納税環境整備 | 16:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。