税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業44年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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改正NPO法により日本に寄付文化が根付くか?

 2011年6月8日に議員立法にて国会に提出されていた「特定非営利活動促進法の一部を改正する法律案」いわゆるNPO改正案が同年6月15日に成立した。ご存じで無い方も多いと思われる。
そもそもNPO法人が制定されたきっかけは、1995年1月17日の阪神淡路大震災までさかのぼる。当時ボランティアグループが救援・復興に大きな役割を果たし、こうした民間団体に特定非営利活動法人(NPO法人)という法人格を与え、活動を支援しようと制定されたのが始まりである。NPO法は1998年3月に制定され同年の12月1日に施行されている。やはり議員立法にて提出され成立している。
今年、3月11日に発生した東日本大震災の救援・復興に大いに貢献しているのもボランティアグループを中心にしたNPO法人である。
2011年5月末現在で認証されたNPO法人は42,741件。その内国税庁長官から税制上の優遇措置の適用を受けた認定NPO法人は2011年7月1日現在で223法人であり全体の05%と極端に少ない件数である。なぜこんなに少ないのだろうか?
この理由は今回のNPO改正法案により改善されるかもしれない。

今回の改正点を大きく分けると6つになる。

1 活動分野の追加
従来からの17分野に加え「観光の振興を図る活動」「農山漁村及び中山間地域の振興を図る活動」「都道府県又は指定都市の条例で定める活動」の3項目が追加された。

2 所轄庁の変更
二以上の都道府県の区域内に事務所を設置しているNPO法人については、現在内閣府が所轄庁となっているが、これを都道府県の知事に変更になる。

3 収支計算書に係る改正
NPO法人が作成すべき会計書類のうち、「収支計算書」を「活動計算書」(活動に係る事業の実績を表示するもの)に改める。なお、貸借対照表は現状のままであるが、従前まで作成していた財産目録は付属明細書的な位置づけになった。

4 新認定制度の創設
認定制度については、これまで国税庁長官が認定の権限をもっており、申請手続きが厳しく関係帳簿等の調査があるため、なかなか認定がおりなかった。
ただし認定されることによるメリットは、税制上の優遇措置である「寄付金控除」や「みなし寄付金制度」(法人税法上収益事業を行う場合の課税の軽減に係る制度)が適用されるので、広く資金を集め活動を広げる法人は優遇されていた。
今回の改正では、この認定機関を国税庁長官から都道府県知事または指定都市の長に変更になった。

5 仮認定制度の導入
従前までは、法人設立後5年以上経過していないと認定基準に適合できなかったが、今回、
設立の日から5年経過していなくても所轄庁に申請し審査基準に適合できれば仮認定法人として寄付金控除の対象法人となる事が出来る。尚、仮認定の有効期間は3年である。

6 認定基準の緩和
いままで認定基準が厳しくされていたPST基準(パブリックサポートテスト)いわゆる広く市民からの支援を受けているかどうかを判断するための基準。今回このPST基準方式のほか、絶対値基準方式を導入し、どちらかの基準を満たせば良いことになった。

具体的には
① 相対値基準・・・実績判定期間中の経常収入金額の総額のうちに寄付金等収入金額の総額の占める割合が政令で定める割合の5分の1以上であること。
② 絶対値基準・・・各事業年度において政令で定める3000円以上の寄付を行った者の各事業年度当たりの平均が政令で定める100以上であること。
③ 個別の条例指定・・・事務所が所在する地域の地方団体から、住民の福祉増進に寄与する法人として指定を受けた法人。
以上3つの内、いずれかの基準を満たせば認定を受けることができる。

 市民公益税制としての認定NPO法人の増加を促す法律改正が出来たことは歓迎したい。
これにより日本にも寄付文化が根付くことを期待する。
NPO法人の事業年度は4月1日から翌年の3月31日までである。来年4月1日からの施行に合わせて認定を考えるとしたら今から準備をしても遅くはない。
 NPO活動に携わる者としては、所轄庁の認証は受けているが、税制上の優遇措置を利用出来る認定(認証ではない)NPO法人を取得するにはかなりハードルが高かったのが実情である。
ただし、認定基準が甘くなると税制優遇措置をとる目的だけでNPO法人を設立する者も出てくるだろう。所轄庁による監督規定の整備及び罰則規定の強化等まだまだ改正するところは多いと思われる。いずれにせよ2012年4月1日からの施行日に向けて認定NPO法人の動向に目が離せない。





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国税の強制・滞納処分にあなたは、どう対処すべきか その5

「聴取書なる文書」の違法性


法人税第153条から157条に規定及び消費税62条に規定する質問検査権(法人税・消費税)の調査の「聴取書なる文書」の違法性 


最近の国税調査で目に余る行為が気になる。資料調査課の料調調査及び一般調査の実例をもとに我々税理士が、見過ごして課税庁に従っている事例があり、特に国税通法第68条の重加算税の心証形成の証拠となり納税者に損害を与えてないか心配である。


(1)事例その1・・・・・・2006年10月18日

 豊島税務署法人5部門○○上席及び○○調査官(以下「本件調査官ら」という。)は、有限会社○○○○(以下「本件納税者」という。)の法人税・消費税調査(以下「本件一般調査」という。)において国税犯則法第10条(以下「国犯法」という。)の質問検査、国税徴収法第141条の質問検査(以下「強制力ある質問検査」という。)の法的手法を本件一般調査に拡大解釈し「聴取書なる文書」(以下「本件文書」という。)を作成するため本件納税者を誘導させ本件文書に署名押印をさせようとした事実(以下「本件事実」という。)また調査官が他の納税者に対しても本件事実を継続して本件文書を作らせ課税庁に有利な証拠とする行為(以下「組織的違法行為」という。)は、法人税第153条から157条に規定及び消費税62条に規定する本件一般調査に国犯法や国税徴収法の強制力ある質問検査の手法を使用していたことは、断じて許されない。
 本件一般調査に法人所有金庫に検査を行い個人関係の資料(印鑑及び通帳)の印影及び通帳の検査も本件一般調査の限度を超えている。すみやかに謝罪および当該証拠物の返還を求める。
 国家公務員による組織的違法行為は、それに起因して損害が発生している。これについては充分調査して、国家賠償法による民事訴訟事件として国を相手に損害賠償を求めることも検討中である。
本件納税者の無知を悪用した卑劣な行為は、本件調査官らの責任追及は、課税庁側で充分検討願いたい。


Ⅱ事例その2・・・・・・2008年12月2日

 東京国税局課税第2部 資料調査課 (以下「本件資料調査課調査」という。)情報技術専門官及び主査との対応

本職よりの質問
本職)質問1.今回の本件資料調査課調査は、手厳しく行われたようですが、本件資料調査課調査は、特別の法律があるのですか。
回答 、特にありません。
本職)法人税第153条から157条に規定及び消費税62条に規定する質問検査権(法人税・消費税)の調査に基づいて本件所得予定額約5億1000万円が出たのですね。
回答 、そのとおりです。
本職)国税徴収法第141条の質問検査権限は、貴職に付与されていますか。
回答 付与されていません。
本職)ここに本件資料調査課調査を受けた社長の「申し述べ書」があります。
   だいぶ貴職の答弁・回答と違いますね。公務員により興された損害がある場合は、国に対して民事訴訟(国家賠償)を提起することを弁護士に委託する予定であることを申し述べます。
回答)机をたたいたり、大声で脅したりしたことはありません。先生と同じで声は大きくなったことは認めます。
本職)後は省略。現在別件で進行中。


Ⅲ、事例その3 国税局所管法人の通則法第23条に対する一般調査1・・・・・・2009年2月19日

 本件事案も「聴取書なる文書」を取引相手に反面調査して聴取し、国税局所管法人の代表者及び当時の常務取締役(現「監査役」)に聴取書なる文書をとり、今後の税務調査の進行を当局に有利に進めるべき手段にでたが、本職は、上記事例の理由で、心証形成を妨害した。
当日は、調査は終了した。


2.2009年5月14日

 同日も上記と同様「聴取書なる文書」を取引相手に反面調査して聴取し、現「監査役」に署名押印を求めてきたが、筆者が法律にない違法行為を強調すると「参考資料」に協力してくださいといい作成した聴取書なる文書をみせて、署名押印は、断念した。






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国税の強制・滞納調査にあなたは、どう対処すべきか その4

前回同様、国税通則法にスポットを当てていますが、今回は国税通則法第68条(重加算税)について書いています。その上で当事務所で実際に関与した調査案件をまじえた内容になっております。


国税通則法第68条認定に対する意見書


Ⅰ.事 実

 平成18年10月18日豊島税務署法人5部門○○上席及び○○調査官(以下「本件調査官ら」という。)は、有限会社○○○○(以下「本件依頼人」という。)の法人税・消費税調査(以下「本件一般調査」という。)実施した。
 本職は、平成18年12月1日に再度本件依頼人の自宅で本件一般調査を午後2時より行った。
本件調査官らは、平成18年12月1日付け「実地調査是否認項目(平成18年12月1日現在)」資料」(以下「本件資料」という。)を、本件依頼人及び本職に示した。

① 国税の賦課権の除斥期間徒過のため2002.4.30終了課税年度は、除外した。
② 第2ビル及び第5ビル建物の本件依頼人の無知による計算誤りを、架空減価償却分として2003年1,214,947円2004年4,822,885円2005年6,992,680円2006年6,753,021円合計19,893,543円を国税通則法第68条対象金額(以下「本件68条金額」という。)と認定した。
本職は、本件調査官らになにをもって本件68条金額と心証形成したかと質問した。回答は、本件依頼人作成の財務諸表(B/S,P/L)の数字および法人税別表16の記載の2点と陳述された。


Ⅱ.検証

① 国税通則法第68条の重加算税は、事実の隠蔽・事実の仮装行為した者に対する行政上の秩序を乱すことで成立する。故意は、不要である。但し、隠蔽の過少申告の認識は必要である。
② 外部的付随事情は、必要である。本件68条金額外部的付随事情は、平成12年事務指針にいう「通則法第68条第1項又は第2項に規定する『国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し』」に該当するのか。個々に検証する。

(1)いわゆる.二重帳簿を作成していること。
(2)次に掲げる事実があること。

① 帳簿、原始記録、証憑類、貸借対照表、損益計算書、勘定科日内訳明細書、帳簿書類の改ざん(偽造及び変造を含む。)、帳簿書類への虚偽記載、相手方との通謀による虚偽の証憑書類の作成、帳簿書類の意図的な集計違算その他の方法により仮装の経理を行っていること
② 帳簿書類の作成又は帳簿書類への記録をせず、売上げその他の収入の脱漏又は棚卸資産を除外をしていること

(3)特定の損金算入又は税額控除の要作とされる証明書その他の書類を改ざんし、又は虚偽の申請に基づき当該書類の交付を受けていること。
(4)簿外資産に係る利息収入、賃貸料収人等の果実を計上していないこと。
(5)簿外資金をもって役員賞与その他の費用を支出していること。
(6)同族会仕であるにもかかわらず、その判定の基礎となる株主等の所有株式等を架空の者又は単なる名義人に分割する等により非同族会社としていること。


Ⅲ.結論

 確定的積極的な意図と、外形的にも明らかな事情(外部的付随事情)が課税庁において立証できない場合、計算を誤って過少申告をした場合、また、課税庁との間に税法に関する法的解釈が食い違っており過少申告をするために故意に独自の見解を採用したものではない場合や更に不注意や思い違いによる収益の過少記載、又は誤って損金の過大記載に基づく過少申告によって客観的には税を免れる結果を生じたとしても、それは過少申告加算税は賦課されても、その増差金額が大きいという理由で重加算税の賦課が行われてはならない。
 また、納税者において、過少申告の結果が生じた理由が、課税庁との間の法令解釈の相違である場合や、全くの過失であることが反証できるのであれば、重加算税の賦課要件は満たさないものというべきである。
                               

参考文献

・山下学 立正大学 法学部教授 「明らかにされた法人税の重加算税通達と重加算税制度の本質」税務弘報・中央経済社、第48巻12号、12頁-17頁。
・太田降良監修 「民法・商法と税務の接点(改訂増補版)」九州北部税理士会 305頁 税務研究会 





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国税の強制・滞納処分にあなたは、どう対処すべきか その3

5/13日の税理士法60周年に関する記事の中で、これからの税理士のあり方について書きました。
その記事の中で「税理士よ、法律家たれ」と言葉を用いたのですが、その言葉はその言葉は松沢智教授のご著書「税理士の職務と責任」のなかで発せられた言葉です。
我々税理士は法律家である、との前提に立って立正大学法学部教授の山下学教授をはじめ税理士問題研究会の方々と「税理士の使命」という書籍を書き上げました。
その書籍を紹介すると共に、今回は税理士が特に知らなくてはならない国税通則法にスポットを当てて記事を書いてみようと思います。

税理士の使命税理士の使命
(2009/12)
山下 学、税理士問題研究会 他

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1.国税の成立・確定と国税通則法

税理士が税務調査で理解しておかなければいけない事項は、下記の国税通則法の表のとおりである。数字は、国税通則法の条文を示す。

国税債権



2.国税の賦課権の除斥期間(通則法第70、71条)

 税理士が、よく間違えて利害関係者に回答しているのを何回も遭遇した。それは、国税の賦課権の除斥期間(通則法第70、71条)と徴収権の消滅時効(第72条1項)を深く理解しないで使用して、納めなくてもよい税金を納税者に負担させているケ-スが見受けられる。特に税務調査時に税務職員が、修正申告の勧奨してくることがある。そのとき税理士は、国税の賦課権の除斥期間を持ち出して税務職員の心証形成を妨害する。法人税であれば、脱税以外の増額更正は、2004.3.31以前開始事業年度は、3年間、2004年4月1日開始事業年度以降(通則法改正附則17)は、5年間に延長された。
 これこそは、税理士の職務である。
それを怠ると納税者より税理士業務の債務不履行(民法第415条)や善管注意義務(民法644条)で損害賠償請求を受けるおそれがある。
 筆者の経験でいままで、税理士無関与法人の税務調査を依頼を受け5年間の非違が発見されたが、国税の賦課権の除斥期間を持ち出して3年間の修正ですませた。
税額で2000万円減額。また、重加算税(通則法第68条より過少申告加算税(国税通則法第65条)賦課決定処分を変更させた。


3.更正請求期限(国税通則法第23条)徒過と更正嘆願(国税通則法第70条2項)

 税金を納めすぎたら法定申告期限の翌日より1年以内に更正の請求することになる。しかし当該期間が徒過したら法的根拠を持たない「嘆願」しか救済措置はない。救済措置は、税務署長の裁量権なので対処されなくても仕方ないが、内部的には、当該案件は、管理されているので大丈夫である。筆者は、最近、困った税理士または損害を被った納税者納税者より相談されることが連続している。
 嘆願がクロ-ズアップされたのは、平成17年(2005年)2月1日の最高裁判決の「贈与・相続により取得した資産を譲渡した場合の譲渡所得の取得費についての変更」だった。最高裁判決で相続の際のゴルフ会員権名義書換費用が譲渡費用に認められた。国税庁は、同年2月半ば従来の取り扱いを変更した。これを受けて同11年以降分の申告に関し、更正請求、嘆願による税金の還付が出来るようにした。
 平成17年(2005年)2月の東京高裁判決がある。嘆願書を提出しなかった税理士とこれによる損害を被った納税者が争った事件で、東京高裁は、「税金が還付される可能性がある限り、税理士は、減額更正を求めるよう嘆願すべき」と判断し税理士業界にショックを与えた。従来嘆願書の提出は、「自分のミスを路程させ、顧問先からの信用失墜につながる」「税務署に盾突くイメ-ジがある」として及び腰税理士も少なくない。納税者個人で「嘆願書」を提出し更正の請求並に認められる納税環境が待たれる。
 

4.国税債権の徴収権の消滅時効(第72条1項)

 税理士は、課税部門のほか徴収部門の事案も関係が出てくる。国税債権の徴収権の消滅時効(第72条1項)5年と滞納処分手続を遂行するための調査(国芸徴収法第141条及び142条の税務調査立ち会いもあり、債権者の国と債務者の納税者のやりとりとなる。特に滞納処分の場合は、民法第423条(債権者代位権)第424条(詐害行為取り消し権の規定は、国税の徴収に関して準用する。(国税通則法第42条)および地方団体の徴収金について準用する。(地方税法第20条の7)。これが第2次納税義務者の規定(国税徴収法第38条・地方税法11条8)と連続している。ほとんどの税理士は、徴収に関心を持たないが依頼人の最後まで面倒をみる必要があろう。超過差し押えや無益な差し押え(国税徴収法第48条①②)処分に対して異議申立、審査請求を興し滞納者の権利救済も必要である。






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国税の強制・滞納調査にあなたは、どう対処すべきか その2

 前回は税務調査の種類やそれに対して税理士の取るべき措置などを紹介しました。
今回は青色申告を中心に見ていきます。


1.青色申告の承認     (法121条①)

要件1.法定の帳簿を備え付けて取引を記録し、かつ、保存すること。(法123一,126①)
要件2.納税地の所轄税務署長に青色申告の承認の申請書を提出して、あらかじめ承認を受けること。(法122.124.125)
要件3.青色申告の場合の帳簿の記載事項(規54.同別表21)


2.青色申告の承認の取消し(法127条)
青色申告法人に次の取消理由のいずれか一つに該当する事実があるときには、納税地の所轄政務署長は、その事実のあった事業年度にさかのぼって青色申告の承認を取り消すことができる。取消しがあると、その取り消された事業年度開始の日以後に提出された青色申告書は、青色申告書でなかったものとみなされ、各種の特典は、適用されない。

1)帳簿書類の備付け、記録又は保存が法令で定めるところに従って行われていない場合
(127条①一)
2)帳簿書類について税務署長が行った必要の指示(126条②)に従ってない場合
(127条①二)
3)帳簿書類に取引の全部又は一部を隠蔽し又は仮装して記載し、その他その記載事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由がある場合(127条①三)
4)確定申告書又は清算予納申告書をその提出期限までに提出しなかった場合
(127条①四)
5)1)から4)と同様の事実により連結納税の承認が取り消された場合(127条①五)


3.青色申告の特典

(法人税)
1)青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金の翌年以後7年間の繰越し(法57条)
2)欠損金の繰戻しによる法人税額の還付(法80条)
3)帳簿書類の調査に基づく更正(計算誤りが明確な場合を除く)(法130条①)
4)更正通知書への更正の理由付記(法130条②)
5)推計による更正又は決定の禁止
(租税特別措置法)
(国税通則法)


4.青色申告の承認の取消しと強制調査との関係

① 国税当局は、強制調査が行われたあと次に打つ手は、「青色申告の取消処分通知」(以下「本件取消処分」という)
 だ。なぜか、それは推計による更正又は決定の禁止(青色申告の特典)の排除をして、推計課税を可能にするためである。
② 依頼を受けた税理士は、本件取消し処分に対して異議申立てを行う。これを知らない税理士がいるが情けないことだ。
③ 青色取消益と犯意
 青色申告の承認を受けた者が、捕脱行為をしたことにより青色申告の承認が遡って取り消しされた場合は、青色申告 特典の承認額(青色取消益)を捕脱額に算入すべきか否かは、最高裁昭和49.9.30は、これを積極的に解し末必の行為(概括的故意)の考え方を用い成立を認めている。
④ 強制以外にも、質問検査権の資料調査課(料調)の調査等でもこの青色取消処分は、税理士に対して、たびたび使われる常套句である。
⑤ 継続して記帳した会計資料が、全部否認され、課税庁サイドの推計課税で捕脱金額を許してはいけない。
⑥ 租税捕脱犯の成立要件は、A構成要件該当性、B違法性、C有責性の3つが必要である。

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インバウンド業者の消費税還付についての事例

インバウンド旅行業者の消費税還付について、前回は「インバウンド業者の役務提供の形態」を中心に見てきました。
今回はシリーズ第2弾として実際に当事務所で関与した事例を紹介したいと思います。

 インバウンド業者に対して、○○税務署の法人第一統括官より以下のような見解が提示された事例があります。
まず、○○税務署では、あるインバウンド業者の案件に関して統一的な見解が出ない(分からない)ので、国税局に統一的な見解を求めたそうです。
そして出てきた内容が、

1 国内のインバウンド業者が、日本旅行の企画を立てて、海外の旅行社に販売した場合、日本国内の宿泊、飲食、交 通等の手配に関しては、課税取引(課税仕入れ)である。
2 海外良旅行社に販売した商品は、非居住者が日本国内で便益を受けた宿泊、飲食、交通費に関しては、課税取引  (課税仕入れ)である。
3 海外旅行社に販売した商品売り上げの内、非居住者が日本国内で便益を受けた宿泊、飲食、交通費等の原価以外の 部分は、輸出免税である。


以上のような見解を出してきております。
これに対する反論として我々は下記の見解を示しております。

① 包括旅行商品の海外販売という点を見逃して、日本で提供される宿泊、交通、ガイド料等を個別に分解し、消費税 施行令17条2項を当てはめている。
② 仕入や業者の手配は個別に行われるものの、商品はパッケージ化された「旅行商品」そのものであって、宿泊、飲 食、交通、ガイド料を商品化したものではない。

 
以上の見解から当事務所の主張は正当であると考えます。

前回の記事でも書いたように

消費税法施行令第17条第2項第7号では「法第7条第1号第3号、前項第3号及び第1号から第5号までに掲げるもののほか、非居住者に対して行われる役務の提供で次に掲げるもの以外のもの」

 ① 国内に所在する資産に係る運送または保管
 ② 国内における飲食または宿泊
 ③ ①及び②に掲げるものに準ずるもので、国内において直接便益を享受するもの」と規定している。

 このようなことから判断すると、海外旅行会社に包括型企画旅行は、非居住者に対して行われる役務の提供で、消費税法施行令第17条2項第7号の①、②、③のどれにも該当しない。非居住者である海外旅行会社に一括して譲渡される役務の提供である。

というのが我々の見解です。

課税庁側の主張と同じような見解を示している質疑応答集がありますが、上記①②の通り今回のケースは前提が包括旅行業者であり、商品を分解して、分解された取引の一部を課税取引としている点に疑問を持たざるをえません。

 ただこの事例の場合、国税局と我が方の主張は平行線を辿るとして、最終的には訴訟で争う以外ないという結論です。
そして、事例を作っていくしかないと思います。








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国税の強制・滞納調査にあなたは、どう対処すべきか

タイトルにあるように国税の強制・滞納調査にどのように対処すべきか?ということにスポットを当て、数回に渡りご紹介していこうと思います。

各税務調査の法的権限(調査の種類)

まずは税務調査の種類から見ていきます。課税庁側にどのような権限があるかを確認しましょう。


1.個別的課税資料収集のための調査権

税務署長は、その調査により租税法の規定に誤りのある場合調査について必要ある時は、質問し検査することができる。
(法法第153-157、所法234、相続60,消費62)
間接強制(法法162、所法242、相続70、消費64)・・
更正処分(通則法第24条)
決定処分(通則法第25条)

2.租税徴収のための調査権

滞納者に対する財産の一般的な任意調査(徴第141)
滞納者に対する強制調査(徴第142,裁判所の令状なし)

3.犯則事件のための調査権

収税官吏は、犯則事件を調査する必要あるときは、管轄地方裁判所、簡易裁判所の裁判官の許可を得て臨検、捜索又は差し押さえをすることができる。(国税犯則取締法第2)強制捜査で国税局査察部の査察官。

4.租税条約相手国の要請に対応するための調査権
租税条約の相手国からわが国に対し特定の者の租税情報の提供を要請された場合、国税庁、国税局、税務署の当該職員は、質問、検査できる。(租税条約実施法9)
個別的課税資料収集のための調査権と内容は、同じ。
間接強制により担保(租税条約実施法13)
犯則事件の情報提供要請の場合は、管轄地方裁判所、簡易裁判所の裁判官の許可を得て臨検、捜索又は差し押さえをすることができる(租税条約実施法10の3)

以上のような権限が課税庁側にあります。
 これに対し税理士法第33条の2に規定する計算事項等を記載した書面を税理士が作成した場合、当該書面を申告書に添付して提出した者に対する調査において、従来の更正前の意見陳述に加え、納税者に税務調査の日時場所をあらかじめ通知するときには、その通知前に、税務代理を行う税理士又は税理士法人に対して、添付された書面の記載事項について意見を述べる機会を与えなければならない(税理士法第35条第1項)こととされています。
つまり調査するときは前もって税理士に連絡しなさい、という書面なんです。この書面が出ていることで意見聴取に対し意見陳述ができるというわけです。


税務調査と税理士の取るべき措置等不服申立て一覧

税金を減額等(納税者に有利となること)させる手続きに、更正の請求(申告期限の翌日から1年以内)と嘆願(同5年以内)という2つの方法があります。

① 増額更正処分=納税者に不利となる処分を税務署長(又は国税局長)がすること(通常は税額が増加する場合)
*納税者本人は、認めていないわけであるから、不服申立て(裁判も含む。以下同じ)が出来ます。但し、一旦納税だけはしておいた方がよいです。
 (未納でも全面勝訴すれば、延滞税は不要です。)
 本税が未納だと年14.6%(更正通知書に記載の納期限から2ヶ月までは7.3%)の延滞税が課されます。

② 修正申告=税務調査により、納税者自ら不利となる申告書を提出すること。(通常は税額が増加する場合)
*自分で不利になる申告をした訳であるから、その後不服申立ては出来ません。
  本税が未納だと年14.6%(修正申告書提出日から2ヶ月までは7.3%)の延滞税が課されます。

③ 異議申立て=①の処分に不服のある納税者は、自ら又は代理人(税理士・弁護士)を選任して①をした税務署長等に対して①の処分があったことを知った日の翌日から起算して2月以内に可能。
*青色申告書に係る更正等は、異議申立てを経ず、直接に①の処分があったことを知った日の翌日から起算して2月以内に審査請求が可能です。
*税務調査による増額更正処分以上に不利にならない(不利益処分の禁止)(通法83③)

④ 審査請求=③の処分に不服のある納税者は、自ら又は代理人(税理士・弁護士)を選任して③の異議決定書の謄本を送達(受領)の翌日から起算して1月以内に国税不服審判所長に対して可能又は異議申立て後3月を経過しても③の決定がない場合、期間の制限はなく、いつでも可能。
   *審査請求がなされると、異議申立ては取り下げられたものとみなされます。(通法110②)
*税務調査による増額更正処分以上に不利にはならない(不利益の処分禁止)(通法98②)

⑤ 地方裁判所訴訟=④の処分に不服のある納税者は、自ら又は訴訟代理人(弁護士)、訴訟補佐人(税理士)を選任して④の裁決を経た後6月以内に地方裁判所に税務訴訟が可能です。
又は審査請求後6月を経過しても④の裁決がない場合、期間の制限はなく、いつでも可能。


3.納税者の意思決定書の聴取

意思決定

これは実際に当事務所で使用している意思確認書です。
上記で見てきたように、課税庁側の決定に対し何らかの申立てなりを行う場合、我々は十分な説明と詳細なシミュレーションなどを行ったりします。
当然のことながら我々税理士には説明責任がありますから、納税者の方が納得されるまで事細かに説明するわけです。
その上で納税者の方がその説明に対し、十分理解され納得された上で最終的な意思確認をとらせていただいております。








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| 税務調査 | 17:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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IPad活用法

今日は少し趣旨を変えて記事を書いてみようと思います。
最近は様々な情報媒体が出回っておりますが、皆様は何をお使いでしょうか?
スマートフォンが主流になってきていますが、当事務所ではIpadを業務に活かそうと、数多くのアプリが配信されている中で本当に役立つアプリは何か?業務に必要なアプリはどれか?と日々試行錯誤しております。
今回は当事務所で使用しているアプリをいくつか紹介してますので参考にしてみてください。



・Bookman
bookman.jpg

 IPadでPDFを読むには必須なアプリです。当事務所ではDocuworksという文書管理ソフトを使用しています。これは紙文書を電子化して管理することができる優れものです。職業柄、多くの文書を管理する必要があることから非常に重宝しております。
 ただ、外部に持ち出すとなるとパソコンを持っていくわけにはいきません。そこで活躍してくれるのがIPadです。事前にドキュワークスで取り込んだファイルをPDFに変換して取り込んでおけば持ち運びに非常に便利です。
 IPadは画面も大きく、またズームなどの機能もありますから読み込んだ文書を簡単に閲覧できます。



・Dropbox
dropbox.jpg

 最近耳にすることが多くなったクラウドコンピューティング。この代名詞と呼べるのがDropboxではないでしょうか。Dropboxとはいわゆるオンラインストレージサービスの一種で、クラウドを介して複数のデバイスでファイルを共有できる点とその使いやすさが最大の魅力です。
容量は無料で2GBとやや少ないもののその使い勝手から重宝しております。
簡単にいうとPCのファイルをIPadでいつでも取り出せるというイメージですね。
また対応アプリが多いのも魅力の一つ。数あるビジネスアプリに対応しているのは非常に大きいといえますね。



・電子法令検索
電子法令検索

 こちらも無料で使用でき、六法に限らず様々な法令が入っております。
またオンライン状態でなくとも使用でき、いざというときに非常に重宝しております。
使用に関しても「検索」「索引」と簡単に調べたいことが引き出せます。
ビジネスの場からプライベートでも幅広く使えるのでオススメです。


というように今回は3つのアプリを紹介致しました。
今後もこのような役立つアプリを紹介していこうと思います。








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