税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業44年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

<< 2011-05- | ARCHIVE-SELECT | 2011-07- >>

| PAGE-SELECT |

>> EDIT

インバウンド旅行業者の消費税還付

1. 企画旅行業(インバウンド)の役務の提供について

 インバウンド旅行業者は、包括型企画旅行を海外に対して役務の提供をする。海外の航空会社に企画する外国人の「日本観光旅行」を企画し、日本国内旅行部分のみを包括的に受注して販売する。海外から日本への航空料金は、包括型旅行商品の仕入先の収入となり、会社の利益の基盤となるのは、日本観光旅行の企画商品代金のみである。
 日本観光旅行の受注に際しては、移動に係る費用(バスのチャーター料代等)、宿泊の費用、観光施設の入場料、通訳に支払う通訳料、ガイド料等を精算し、それぞれから利益が上がるようにして、料金設定をしている。
 日本観光旅行の役務の提供は日本国内で行われ、上記の費用等の支払いは、消費税の課税対象となるが、この支払は海外の旅行会社を通じて支払われた包括型企画旅行の対価の中から支払われている。
 しかし、会社が役務の提供をしているのは、「包括型企画旅行」商品そのものであり、事業として対価を得て行われる役務の提供は、「日本観光旅行の企画商品」であって、これを海外の旅行会社に譲渡しているのである。


2. 消費税の課税

 消費税法第2条8号では、「資産の譲渡等 事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付並びに役務の提供(代物弁済による資産の譲渡その他対価を得て行われる資産の譲渡もしくは貸付または役務の提供に類する行為として政令で定めるものを含む。)をいう。」とし、役務の提供が「資産の譲渡等」に含まれることとしている。そして、同法第4条では、「国内において事業者が行った資産の譲渡等には、この法律により、消費税を課する。」としながら、同法同条第3項第2号では、「役務の提供である場合 当該役務の提供が行われた場所」が国内か否かを判断材料としている。
 消費税法施行令第17条第2項第7号では「法第7条第1号第3号、前項第3号及び第1号から第5号までに掲げるもののほか、非居住者に対して行われる役務の提供で次に掲げるもの以外のもの」

 ① 国内に所在する資産に係る運送または保管
 ② 国内における飲食または宿泊
 ③ ①及び②に掲げるものに準ずるもので、国内において直接便益を享受するもの」と規定している。


 このようなことから判断すると、海外旅行会社に包括型企画旅行は、非居住者に対して行われる役務の提供で、消費税法施行令第17条2項第7号の①、②、③のどれにも該当しない。非居住者である海外旅行会社に一括して譲渡される役務の提供である。
 したがって、包括的企画旅行商品の海外旅行会社への役務の提供は、すべてが一つのパッケージとして、消費税法第7条第1項第5号に定める「輸出免税等」に該当する。 
よって、インバウンド業者は、その経理の方法、受注の方法をしっかり行えば消費税の還付が行えるのである。






↓以下、ブログランキングに参加中です。ぜひご協力ください。
人気ブログランキングへにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

| 業種別特別情報 | 10:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

>> EDIT

東日本大震災復興緊急保証について

平成23年5月からスタートしたこの制度については、東日本大震災の間接的な被害により損害を受けた事業所の経営の安定に必要な資金について、特別な助成措置を講じることを目的として始められました。なお、この保証制度を受けるためには、まず市区町村長(法人は原則登記地、個人事業者は事業所所在地)の認定を受ける必要があり、認定の後、保証協会と金融機関への申し込みと審査があります。

 この制度の内容、利用対象者、要件等については下記に示しました東日本大震災復興緊急保証の概要①、概要②にまとめてありますが、簡単に説明いたしますと、特定被災区域内の事業者との取引関係により業況が悪化し、震災後の3ヶ月間の売上高等が前年同期より10%以上マイナスの場合。特定被災区域内の消費者の需要の減少、特定被災区域外の取引先事業者の事業活動停止等、取引先からの契約解除等、またはイベントの自粛によって震災後の3ヶ月間の売上高等が前年同期より15%以上マイナスの場合が該当します。なお、必要書類等については各自治体により若干の違いがあるようなので、各自治体のホームページも合わせてご参照下さい。

 この3ヶ月間の売上高等については、起算月を3月または4月からとし、震災後1ヶ月間又は2ヶ月間の実額による売上高とその後の1ヶ月間又は2ヶ月間の見込額を含んだ3ヶ月間が共に10%または15%マイナスであることが要件となっています。この見込み額ですが、すでに申請をした事業者からは、数字の算定についての合理的な根拠の説明とそれを証明する資料の提供を求められたとのことです。

 また、認定に必要な書類として理由書がありますが、その記載用紙については、各自治体により若干の違いがあるようです。まったくの白紙状態のものが大多数ですが、記載すべき事項を指定しているもの、記載事例文を別紙にて示しているものもあるようです。全般的に共通することとしては、売上高の減少と震災との因果関係についての詳細な記載を求められるようです。

 さて、認定を受けることができたなら、次に保証協会と金融機関への申し込みと審査です。認定のためには売上の減少を強調すべきですが、いざ借入となると金融機関は返済能力のない事業者への貸付を拒むものです。この10%、15%の売上の減少をどうやって挽回するかを具体的な説明を求められるようです。実際に、回復の為の具体策、今後予想される回復状況とその根拠を文章で提出した事業者もあります。

 受付期間は、平成24年3月30日貸付実行分までとなっています。各自治体によって、限度額や利率に違いがあるものの、復興のための助成であり条件は他の金融商品に比べて優遇されたものとなっています。スタートしたばかりで情報が少ないですが、借入の申請をした事業者から聞いた内容を書いてみました。参考となれば幸いです。

概要①
金融1

概要②
金融2








↓以下、ブログランキングに参加中です。ぜひご協力ください。
人気ブログランキングへにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村

| 金融関係 | 12:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

>> EDIT

災害関係税制 まとめ

Ⅰ.3本の災害支援税制 

①個人や法人が義援金を支払いした場合の税務(以下「A税務」という。)
②取引先(被災)に支援金や物資等を提供した場合の税務(以下「B税務」という。)
③被災企業の損失税務(以下「C税務」という。)

Ⅱ.A税務の義援金の指定機関

①国または、地方公共機関に直接寄付した義援金
②日本赤十字社の「東日本大震災義援金」口座に直接寄付した義援金
③中央共同募金会の「各県の被災者の生活再建のための義援金」
④「地震災害におけるボランティア、NPO活動支援のための義援金」
⑤所得税控除は、寄付金控除(所得控除)制度と税額控除制度の2本柱。
どちらを選択しても自動的に「ふるさと納税」になる。


Ⅲ.B税務(取引先(被災)に支援金や物資等の提供)は、Ⅴに分類される。


①「同業者団体」を通じて支給した場合
 「○○団体」などが一定のル-ルに基づき、「(構成員である)あなたの会社はいくら」という形で
 寄付金をあつめて、それに応じた場合は、当該年度の損金に算入する。
②、直接自社が取引先に災害見舞金を支給したした場合も当該年度の損金に算入する。
 通常は、交際費に該当する。
③被害を受けた取引先甲社に対し乙社の売掛金残高が1000万円ある。それを乙社が免除し
 ても当該年度の損金 に算入する。通常は寄付金か、交際費課税。
④被害を受けた取引先復旧支援目的に低利又は無利息融資しても、寄付金課税しない。
⑤被災者を支援するため自社製品を提供した場合は、それに要する費用は寄付金、交際費
 課税しない。

Ⅳ.C税務(法人企業の被災による損失を、2年前に遡り還付)

①被災企業が、自社の従業員等に「災害見舞金」の支給した場合は当該年度の損金に算入
 する。ただし、基準が必 要。例「被災を受けた従業員で、家を失った場合は、いくら」
②被災企業に「震災損失の繰り戻し還付」が、最大のポイント。
 たとえば、3月決算法人(5月に税務申告。申告延長支援ある。)3000万の欠損金。
 うち2500万円が、 災害損失。2010年法人税1500万円、2009年法人税
 1000万円を納税。当該2500万円部分の還付請求
③災害損失の算定
 工場が倒壊した場合は、当該帳簿価格を損失とみなす。自らの現状回復費用
 (がれき片付け、土地整備費用等  を、「災害損失特別勘定」として計上すれば、
 繰り戻し還付の対象となる。
④対象機関
 2011年3月11日より2012年3月10日までに終了する事業年度、
 2011年3月11日より2011 年9月30日までの中間申告が終了する事業年度
⑤被災代替資産等の特別償却制度
 2014年3月11日以前に建物、構築物、は、18%機械装置・船舶・航空機車両の
 場合は、36%の特別償却。

Ⅴ.C税務(個人の損失税務)

①大震災で、住宅や家財の倒壊で損失を被った場合は、「雑損控除」として処理する。
 2010年分所得より控除。すでに申告している者は、更正の請求。申告してない者は
 還付申告を行うことができ る。1年で控除できない場合は、最長5年間にわたり控除
 が可能。
②住宅ロ-ン減税は、倒壊や津波で住めなくなった住宅でも減税対象機関が残っていれば
 その後も適用可能。






↓以下、ブログランキングに参加中です。ぜひご協力ください。
人気ブログランキングへにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村

| 寄付金 | 16:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

>> EDIT

税額控除シミュレーション

前回の更新から少し間が空いてしまいました。
ふるさと納税と義援金の概要について書いてきましたが、では実際どの程度の効果があるのかというのを当事務所で試算してみました。

・国税太郎 年収1,000万円 妻、子供2人(内特定扶養1人)
この方のケースで試算した結果は下記のようになります。

国税太郎確定申告書
※クリックで大きな画像でご覧頂けます。

この国税太郎さんについては上記の通りの確定申告内容になっています。
生命保険、社会保険等の控除はないものとして計算しております。
扶養控除については一般1人と特定1人で(380,000円+630,000円=1,010,000円)
寄付金控除については100,000円寄付しており、100,000円から2,000円を差引いた98,000円が所得から控除できます。

以上の内容から平成22年分の税額はいくらになるかというと、1,234,300円という金額になります。
寄付金控除をしなかった場合に比べて22,600円の税額軽減という結果です。

国税太郎試算 

道府県民税は寄付金100,000円から5,000円を差引いた金額に4%を乗じた金額(3,800円)と特別加算額(25,460円)を合わせた29,260円が控除されます。
市町村民税は寄付金100,000円から5,000円を差引いた金額に6%を乗じた金額(5,700円)と特別加算額(38,190円)を合わせた43,890円が控除されます。
※特別加算の金額については下記の表の割合を参考にしてください。

○寄附者が個人の場合

 

制度

所得税

「(次のア、イのうち少ない方の金額)-2千円」を所得控除する。
ア 寄附金の合計額
イ 年間所得金額等の40%に相当する金額

※概ね【(寄附金の合計額-2千円)×所得税の税率】の所得税が軽減されます。

住民税

「次のア、イの合計額」を税額控除する。
ア (寄附金の合計額-5千円)×10% … 住民税の基本控除
イ 次のA、Bのうち少ない方の金額 … 住民税の特例控除
A (寄附金の合計額-5千円)×(90%-所得税の税率)
B 住民税所得割の額の10%に相当する金額

※概ね【(寄附金の合計額-5千円)-所得税軽減額】の住民税が軽減されます。



(注1)  課税所得金額を有する場合で、課税所得金額一人的控除差調整額≧0であるとき

1,950,000円

100分85

1,950,0001円 ~3,300,000円

100分80

3,300,0001円 ~6,950,000円

100分70

6,950,0001円 ~9,000,000円

100分67

9,000,0001円 ~18,000,000円

100分57

18,000,001円 ~

100分50



以上のケースに加え、いくつかパターンを変えて試算を行ってみました。
その試算による早見表は下記をご覧ください。

ふるさと早見表

簡単な試算はふるさと納税応援サイトからもシミュレーションすることができます。
ご参考までにどうぞ





↓以下、ブログランキングに参加中です。ぜひご協力ください。
人気ブログランキングへにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村

| 寄付金 | 15:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |