税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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ー改正民泊法と税ー

-改正民泊法と税-

 第193回通常国会が6月18日に終了しました。今国会で成立された法案は63本と言われています。その中で2017年6月9日に民泊新法とされる「住宅宿泊事業法」が参議院本会議で可決成立されました。公布日から1年以内の施行ですが、早ければ2018年1月にも施行されるのではないかと報道がされています。
現在日本を訪問する外国人は2000万人にのぼります。今回の「住宅民泊事業法」は国内外の観光客の宿泊需要に応えるため、民泊サービスに一定のルールを設けて普及を図るのが目的です。
民泊事業者には衛生管理や宿泊者名簿の作成、民泊住宅とわかる標識の掲示などを義務づける。届け出を怠るなど法令に違反した場合、業務停止命令や事業廃止命令を受け、従わない場合は6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金が科される。年間営業日数の上限は180泊とし、地方自治体が条例で短縮できる規定も盛り込みました
ところで現在の民泊サービス業は、大阪府と大阪市、東京都大田区の3自自体が、国家戦略特区に基づく民泊条例による認定を受けて活用していますが、公衆衛生・近隣の住民とのトラブル等いろいろな問題を抱えつつ施行されています。
昨年まで、民泊世界最大手として先行していたのが米国のエアビーアンドビーです。
国内52,000件の物件登録をもっており、日本での民泊サービスの先駆けでもあります。
また、中国の民泊大手のトゥージアもすでに日本法人を設立、中国人観光客向けに中国語で日本の物件紹介を開始しているそうです。
2017年6月23日の日本経済新聞朝刊によると、今回の民泊法改正により企業が続々と民泊事業に参入しているそうだ。楽天が6月22日仲介事業を始めると発表。KDDI子会社も6月23日から民泊物件を募集する予定であり、レオパレス21も民泊事業を検討し始めているそうだ。

民泊市場の規模について、毎年民泊データを公表している「SPIKE」によると、
2017年度予想では830億円、東京オリンピックが開催される2020年度には2000億円の市場規模になると予想されています。さらに個人・中小法人も、ビジネスチャンスと捉え算入の機会をうかがっているだろう。

今回の「住宅民泊事業法」では個人・法人共に以下の届け出が必要となります。
1 住宅民泊事業者は、都道府県知事へ届け出が必要。
2 住宅宿泊管理業者は、国土交通大臣の登録が必要。
3 住宅宿泊仲介業者は、観光庁長官の登録が必要。

(民泊と税)

税に関しては、特に民泊をする個人事業者と外国旅行者との取引です。一般的には楽天やエアビーアンドビーなどの大手企業に民泊登録し、そこから宿泊者を紹介するケースが多いと思われる。この場合宿泊代金も登録した企業から振り込まれればよいのだが、直接外国人旅行者と取引を行う場合には注意が必要だ。
まず、国外からの外国通貨での送金。そしてなれない外国語での対応なども大変だ。
そして民泊収入に対する税の申告もある。宿泊料は所得税等の対象になるからだ。
また、現状では固定資産税の減額特例の対象外にもなっている。
また、昨年から本格導入されているマイナンバー制度により、民泊の届け出をする場合、マイナンバーでの紐付けがされるはずなので、国税も税務申告の有無は分かるはずである。
2015年9月に成立した改正マイナンバー法により、マイナンバーは2018年から銀行口座にも適用(紐付け)されることが決定されている。最初から義務化されるわけではなく、当面は任意であり、義務化は2021年と段階的に実施される予定だ。
これにより国内取引だけでなく、国外取引に関しての預金口座の調査も容易に出来ることとなる。こうなると、訪日外国人と直接現金での受け渡しが増えることも考えられる。
いずれにせよ民泊新法の施行日はまだ確定していない。
観光立国日本をスローガンに掲げている以上、今後民泊事業は大きく膨らむ可能性を秘めている。税もその経済環境に適合するように改正されて来るのではないだろうか。


               参照: 週刊税務通信 2017年6月19日号
                   日本経済新聞 2017年6月23日朝刊
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「平成27年度会社標本調査」公表

国税庁「平成27年度会社標本調査」結果を公表          

 さて今年も2017年3月30日付けで国税庁のホームページにおいて、法人企業の実態調査である、「会社標本調査」結果を公表しました。
この調査は我が国の法人企業について、資本金階級別や業種別にその実態を明らかにし、併せて租税収入の見積もり、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすることを目的として実施されているもので、昭和26年から続いている統計資料です。

まず調査対象法人ですが、日本国内で2015年4月1日から2016年3月31日までに終了した普通法人2,641,848社(休業清算法人・NPO法人・一般社団・財団法人を除く)を対象に標本調査という手法で調査対象法人(母集団)から資本金階級別・業種別等に一定の方法で標本法人を抽出し、その標本法人基礎データを基に、母集団全体の計数を推計したものです。

1.それではまず税務統計から見た法人企業の実態ですが、申告法人2,641,848社のうち資本金階級別の構成比では、資本金1000万円以下の階級が2,262,380社で全体の85.6%を占めています。次いで資本金1000万超1億円以下が356,019社(13.5%)で法人数全体の99.1%を資本金1億円以下の法人が占めています。
また、業種別法人数の構成比をみると、サービス業(27.3%)・建設業(15.9%)・小売業(12.6%)の占める割合が大きい。

 組織別法人数の構成比では株式会社が全体の94.3%を占め、以下合名会社(0.1%)合資会社(0.7%)合同会社(1.9%)と続いています。

2.欠損法人64.3%と前年度より2.1%減少
 図1を見ていただきたい。利益が出ている法人数は939,577社、これに対して欠損法人は1,690,859社で全体での割合が64.3%となっており前年比2.1%減少しており、まだまだ欠損法人が多いことには変わりません。

3 その他調査結果から見た主要点

交際費等の支出額は3 兆4,838億円で、このうち税法上損金に算入されない金額は 9,065億円であり、支出額に占める割合( 以下「損金不算入割合」という。)は 26% です。
1. 法人税額は10兆5,014億円になっている。また、所得税額控除は3兆8,794億円、外国税額控除は5,489億円になっている。
2. 繰越欠損金の当期控除額は8兆2,050億円で、翌期繰越額は65兆3,731億円となっている。

 この税務統計調査は申告法人の実態を明らかにするだけでなく、今後の租税収入の見積もりや、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料としての目的を備え持つ重要な統計資料と言ってもいいでしょう。
我々もこの統計資料から、日本の企業の現状と今後の展開を注意深く見ていく必要があると思います。

参考資料:国税庁HP「平成27年度会社標本調査」より

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「小規模企業白書」

「小規模企業白書」をご存知ですか?

  皆さんは、「小規模企業白書」をご存知でしょうか。毎年4月に中小企業庁が出している「中小企業白書」ではありません。実は今年の7月に初めて発行された中小企業庁編集の「白書」なのです。
第186回通常国会において2014年6月20日に「小規模企業振興基本法(小規模基本法)及び「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律(小規模支援法)が成立しました。これに基づいて2015年7月31日に第1回目となる「小規模企業白書」が発行されたわけです。
まず、小規模事業者の法律上の位置づけですが、「小規模事業者」とはおおむね常時使用する従業員の数が20人(商業又はサービス業は5人)以下の事業者と規定されています。そして新たに、常時使用する従業員の数が5人以下の事業者を「小企業者」とも規定しています。        (中小企業基本法第2-5.及び小規模振興基本法第2-1)

1、小規模事業者の実態
それではまず日本国内に存在する、法人・個人を含めた事業者数(社ではない)はどれほどあるのでしょうか。
小規模事業白書によると日本全体での事業者数は386.4万者あり、その内小規模事業者334万者(全体の86.5%)、中規模企業51万者(13.2%)。大企業1万者(0.3%)と圧倒的に小規模事業者が多いことが分かります。
では従業者数ではどうでしょうか? 現在、日本全体では4614万人の人々が就労しています。その内小規模事業者では、1192万人(全体の25.8%)、中規模企業者では2024万人(43.8%)、大企業では1397万人(30.3%)という構成になっています。小規模事業者は、日本経済の中で非常に大きな割合を占めていることが分かります。 従って、小規模事業者を活性化することにより日本経済全体を明るくすることにもつながるわけです。

2、「小規模企業白書」の内容
初版本である小規模企業白書は全体を2部構成でまとめてあります。
まず第一部では、政府統計を活用し従来詳細に分析されなかった小規模事業者の多様性や業種別の事業者の規模感を俯瞰するとともに、現在事業を営んでいる経営者を対象に実施したアンケート調査に基づいて、人材・資金・事業引継等、様々な角度から見た実態に迫っています。

また、注目は第二部です。
小規模事業者は、様々な構造変化の影響を受けやすく、経営層の高齢化や後継者不足など、様々な課題に直面しています。このような環境下で、経営者のたくましさと創意工夫により、現在事業を営んでいる小規模事業者の具体的な実例を42事例紹介し、様々な業種の様々な取組方をしていることを説明しています。皆さんが参考すべき記事が入っていると確信しています。
白書の中には開業間もない税理士の記事も掲載されていました。同業者の奮闘ぶりを見ると、「初心忘れるべからず」と再度気持ちを引締められる思いがしました。
そして最終ページでは、2014年度において講じた小規模企業施策の結果と2015年度において講じようとしている施策目標が掲げられています。これらの施策は、国が掲げた基本目標でもあります。従って、経営者の方々がこの制度を上手にうまく使わない手は有りません。
また、我々もこのような情報を収集し、必要としている方々に発信していかなくてはならないことを改めて考えさせられます。
  今後も経営者の皆さんに参考になる記事や、政府系の「白書」などが発行されたら、このブログで順次紹介していきます。



                        参考書籍:2015年版「小規模企業白書」中小企業庁

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セカンドオピニオンの活用

セカンドオピニオンの活用 

 皆さんは「セカンドオピニオン」という言葉を知っているでしょう。医療業界などがよく使っている言葉です。しかし、税理士・会計士の業界でもこの言葉が近年使われ、実際に活用されてきています。
 現在の顧問契約を結んでいるが、他の税理士にも相談したい、という‘ニーズ’に応えてできたサービスなのです。
 税理士にも得意分野、不得意分野があります。そして、企業経営においても形態が多様化し、そのような中、一人の税理士が対応できる専門分野は限られています。
 そこで、特殊な分野、高度な専門知識を有する分野に関して、別の税理士に相談する、‘セカンドオピニオン’という形態が普及してきているのです。 

(1)こんなことから依頼を受けることがあります。
   *税務調査が入ったが、今の税理士さんではちょっと頼りない
   *現在の税理士も良いが、別の角度からアドバイスをもらいたい
   *いろいろな税理士から意見を聞きたい
   *顧問税理士には、ちょっと相談しにくい・・・
  など。
 もちろん、トータルの顧問料を節約できることが多いなど、企業すべてをひとりの税理士と契約するメリットもあるかと思います。しかし、自社の方向性について悩みが多ければ多いほど複数の専門家からそれぞれの視点での意見を聞くことで、自分では気がつかなかった問題点の整理のヒントを得ることが多くなるのではないでしょうか。

(2)税理士にもいろいろいる。
 税理士の契約には、顧問契約とスポット契約があります。
 顧問契約は、毎月巡回監査をして月次決算・年次決算申告を行うような業務であり、スポット契約は、相続、事業承継のコンサルティングなど通常の会計税務業務とは異なる事案に対して、その分野に特化した専門家にアドバイスを求める一時的な契約のことです。
 仕事を依頼する会社にはすでに顧問税理士がいます。そこで、セカンドオピニオンの税理士がお役に立てるにはどうしたらいいのか。現状のままでいいと思う会社では仕事になりません。つまり、‘このままではいずれは大変なことになりますよ’と思っている以上に問題があり、解決する必要があるとアピールできることが大事で、それに対して同意して頂けることなのです。
 一人の税理士しか接点がない場合、どうしても判断は保守的になりがちで、新しい提案などにはなかなか積極的にアドバイスをしないことが多いのです。

(3)具体的な相談事例
    ・毎月来てくれない、相談したいときにできない
    ・資金繰り改善のためのアプローチ
    ・説得力の高い融資折衝
    ・税務調査での指摘事項の反証法と対応
    ・節税対策のリスクの判断
    ・相続・事業承継を円滑にするための準備と実践  
  など。

(4)今の税理士とうまくできるのか。
 結論から言うと問題ありません。選ぶのは会社の意思決定であり、何人セカンドオピニオンがいてもいいのです。
 いわば、使い分けができるということです。うちは顧問税理士がいるから、とか何人もいらないとか、という声もあるかとおもいますが、これだけ税法が変わり、国の税制が変わり、その都度対応していくのは大変です。メインの税理士が忙しいときでも、セカンオピニオンがいる、という安心を買い、健全で正しい経営をし続けていくには、こういう体制もこれからは会社にとって必要な時代が来たと言えると思います。

 ぜひこの機会に相談をされたい方は、遠慮なく連絡をお待ちします。
 ホームページを参照してください。 (向山会計社)


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税理士と情報産業は、相互関係に

税理士と情報産業は、相互関係に!

 今回は‘税理士新聞 第1448号 2014年5月15日号に載っていた記事を参考に述べてみる。
 法人税は減税の方向で進んでいるが、消費税の増税で中小企業は必ずしも負担減で楽になるとはいえない。そして、消費税増税は間違いなく中小企業の経営を圧迫している。
 税理士の法人支援がより必要になってきている。
  ①税務調査対応
  ②経営計画策定業務
  ③MAS業務
  ④資金繰り支援
  ⑤マーケティング
  ⑥海外ビジネス支援
などが挙げられる。
 業務特化で業績を伸ばしたい税理士もいるだろうが、医業や農業、建設業、飲食業、理美容業などである。また、宗教法人、NPO法人、公益法人などに特化するのも同じような取り組みです。
 経済産業省が経営革新等支援機関制度を設けたのは2年前のことである。税理士が中心の支援機関には、中小企業の経営サポートが期待されている。
 こうしたサポートが求められるなかで、税理士事務所単体では対応できないことも増えてくる。こうした場合、他の税理士や専門家とのネットワークで納税者の要望に応えることが有効な方法となる。
 ふたり以上の専門家から意見を聞いて的確な判断・対処法を探る‘セカンドオピニオン’が業界の潮流になっている。
 しかし、これらの取り組みが普及したころは、‘顧客がとられるのでは’と懸念する税理士もいたことでしょう。最近では、苦手な分野は他の専門家の意見を聞ける体制を作ることが顧客のためになるという観点から‘セカンドオピニオン’の仕組みを取り入れる事務所も増えてきたのも伺える。
 税理士事務所はこのようなネットワークを有効活用する‘情報産業’としての役割が求められるようになってきている。
 事務所が5年、10年、20年と存続し、成功を続けるには事務所の体制作りが大切であると思う。

(参考・引用 2014年5月15日号 税理士新聞より)

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