税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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「平成27年度会社標本調査」公表

国税庁「平成27年度会社標本調査」結果を公表          

 さて今年も2017年3月30日付けで国税庁のホームページにおいて、法人企業の実態調査である、「会社標本調査」結果を公表しました。
この調査は我が国の法人企業について、資本金階級別や業種別にその実態を明らかにし、併せて租税収入の見積もり、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすることを目的として実施されているもので、昭和26年から続いている統計資料です。

まず調査対象法人ですが、日本国内で2015年4月1日から2016年3月31日までに終了した普通法人2,641,848社(休業清算法人・NPO法人・一般社団・財団法人を除く)を対象に標本調査という手法で調査対象法人(母集団)から資本金階級別・業種別等に一定の方法で標本法人を抽出し、その標本法人基礎データを基に、母集団全体の計数を推計したものです。

1.それではまず税務統計から見た法人企業の実態ですが、申告法人2,641,848社のうち資本金階級別の構成比では、資本金1000万円以下の階級が2,262,380社で全体の85.6%を占めています。次いで資本金1000万超1億円以下が356,019社(13.5%)で法人数全体の99.1%を資本金1億円以下の法人が占めています。
また、業種別法人数の構成比をみると、サービス業(27.3%)・建設業(15.9%)・小売業(12.6%)の占める割合が大きい。

 組織別法人数の構成比では株式会社が全体の94.3%を占め、以下合名会社(0.1%)合資会社(0.7%)合同会社(1.9%)と続いています。

2.欠損法人64.3%と前年度より2.1%減少
 図1を見ていただきたい。利益が出ている法人数は939,577社、これに対して欠損法人は1,690,859社で全体での割合が64.3%となっており前年比2.1%減少しており、まだまだ欠損法人が多いことには変わりません。

3 その他調査結果から見た主要点

交際費等の支出額は3 兆4,838億円で、このうち税法上損金に算入されない金額は 9,065億円であり、支出額に占める割合( 以下「損金不算入割合」という。)は 26% です。
1. 法人税額は10兆5,014億円になっている。また、所得税額控除は3兆8,794億円、外国税額控除は5,489億円になっている。
2. 繰越欠損金の当期控除額は8兆2,050億円で、翌期繰越額は65兆3,731億円となっている。

 この税務統計調査は申告法人の実態を明らかにするだけでなく、今後の租税収入の見積もりや、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料としての目的を備え持つ重要な統計資料と言ってもいいでしょう。
我々もこの統計資料から、日本の企業の現状と今後の展開を注意深く見ていく必要があると思います。

参考資料:国税庁HP「平成27年度会社標本調査」より
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「小規模企業白書」

「小規模企業白書」をご存知ですか?

  皆さんは、「小規模企業白書」をご存知でしょうか。毎年4月に中小企業庁が出している「中小企業白書」ではありません。実は今年の7月に初めて発行された中小企業庁編集の「白書」なのです。
第186回通常国会において2014年6月20日に「小規模企業振興基本法(小規模基本法)及び「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律(小規模支援法)が成立しました。これに基づいて2015年7月31日に第1回目となる「小規模企業白書」が発行されたわけです。
まず、小規模事業者の法律上の位置づけですが、「小規模事業者」とはおおむね常時使用する従業員の数が20人(商業又はサービス業は5人)以下の事業者と規定されています。そして新たに、常時使用する従業員の数が5人以下の事業者を「小企業者」とも規定しています。        (中小企業基本法第2-5.及び小規模振興基本法第2-1)

1、小規模事業者の実態
それではまず日本国内に存在する、法人・個人を含めた事業者数(社ではない)はどれほどあるのでしょうか。
小規模事業白書によると日本全体での事業者数は386.4万者あり、その内小規模事業者334万者(全体の86.5%)、中規模企業51万者(13.2%)。大企業1万者(0.3%)と圧倒的に小規模事業者が多いことが分かります。
では従業者数ではどうでしょうか? 現在、日本全体では4614万人の人々が就労しています。その内小規模事業者では、1192万人(全体の25.8%)、中規模企業者では2024万人(43.8%)、大企業では1397万人(30.3%)という構成になっています。小規模事業者は、日本経済の中で非常に大きな割合を占めていることが分かります。 従って、小規模事業者を活性化することにより日本経済全体を明るくすることにもつながるわけです。

2、「小規模企業白書」の内容
初版本である小規模企業白書は全体を2部構成でまとめてあります。
まず第一部では、政府統計を活用し従来詳細に分析されなかった小規模事業者の多様性や業種別の事業者の規模感を俯瞰するとともに、現在事業を営んでいる経営者を対象に実施したアンケート調査に基づいて、人材・資金・事業引継等、様々な角度から見た実態に迫っています。

また、注目は第二部です。
小規模事業者は、様々な構造変化の影響を受けやすく、経営層の高齢化や後継者不足など、様々な課題に直面しています。このような環境下で、経営者のたくましさと創意工夫により、現在事業を営んでいる小規模事業者の具体的な実例を42事例紹介し、様々な業種の様々な取組方をしていることを説明しています。皆さんが参考すべき記事が入っていると確信しています。
白書の中には開業間もない税理士の記事も掲載されていました。同業者の奮闘ぶりを見ると、「初心忘れるべからず」と再度気持ちを引締められる思いがしました。
そして最終ページでは、2014年度において講じた小規模企業施策の結果と2015年度において講じようとしている施策目標が掲げられています。これらの施策は、国が掲げた基本目標でもあります。従って、経営者の方々がこの制度を上手にうまく使わない手は有りません。
また、我々もこのような情報を収集し、必要としている方々に発信していかなくてはならないことを改めて考えさせられます。
  今後も経営者の皆さんに参考になる記事や、政府系の「白書」などが発行されたら、このブログで順次紹介していきます。



                        参考書籍:2015年版「小規模企業白書」中小企業庁

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セカンドオピニオンの活用

セカンドオピニオンの活用 

 皆さんは「セカンドオピニオン」という言葉を知っているでしょう。医療業界などがよく使っている言葉です。しかし、税理士・会計士の業界でもこの言葉が近年使われ、実際に活用されてきています。
 現在の顧問契約を結んでいるが、他の税理士にも相談したい、という‘ニーズ’に応えてできたサービスなのです。
 税理士にも得意分野、不得意分野があります。そして、企業経営においても形態が多様化し、そのような中、一人の税理士が対応できる専門分野は限られています。
 そこで、特殊な分野、高度な専門知識を有する分野に関して、別の税理士に相談する、‘セカンドオピニオン’という形態が普及してきているのです。 

(1)こんなことから依頼を受けることがあります。
   *税務調査が入ったが、今の税理士さんではちょっと頼りない
   *現在の税理士も良いが、別の角度からアドバイスをもらいたい
   *いろいろな税理士から意見を聞きたい
   *顧問税理士には、ちょっと相談しにくい・・・
  など。
 もちろん、トータルの顧問料を節約できることが多いなど、企業すべてをひとりの税理士と契約するメリットもあるかと思います。しかし、自社の方向性について悩みが多ければ多いほど複数の専門家からそれぞれの視点での意見を聞くことで、自分では気がつかなかった問題点の整理のヒントを得ることが多くなるのではないでしょうか。

(2)税理士にもいろいろいる。
 税理士の契約には、顧問契約とスポット契約があります。
 顧問契約は、毎月巡回監査をして月次決算・年次決算申告を行うような業務であり、スポット契約は、相続、事業承継のコンサルティングなど通常の会計税務業務とは異なる事案に対して、その分野に特化した専門家にアドバイスを求める一時的な契約のことです。
 仕事を依頼する会社にはすでに顧問税理士がいます。そこで、セカンドオピニオンの税理士がお役に立てるにはどうしたらいいのか。現状のままでいいと思う会社では仕事になりません。つまり、‘このままではいずれは大変なことになりますよ’と思っている以上に問題があり、解決する必要があるとアピールできることが大事で、それに対して同意して頂けることなのです。
 一人の税理士しか接点がない場合、どうしても判断は保守的になりがちで、新しい提案などにはなかなか積極的にアドバイスをしないことが多いのです。

(3)具体的な相談事例
    ・毎月来てくれない、相談したいときにできない
    ・資金繰り改善のためのアプローチ
    ・説得力の高い融資折衝
    ・税務調査での指摘事項の反証法と対応
    ・節税対策のリスクの判断
    ・相続・事業承継を円滑にするための準備と実践  
  など。

(4)今の税理士とうまくできるのか。
 結論から言うと問題ありません。選ぶのは会社の意思決定であり、何人セカンドオピニオンがいてもいいのです。
 いわば、使い分けができるということです。うちは顧問税理士がいるから、とか何人もいらないとか、という声もあるかとおもいますが、これだけ税法が変わり、国の税制が変わり、その都度対応していくのは大変です。メインの税理士が忙しいときでも、セカンオピニオンがいる、という安心を買い、健全で正しい経営をし続けていくには、こういう体制もこれからは会社にとって必要な時代が来たと言えると思います。

 ぜひこの機会に相談をされたい方は、遠慮なく連絡をお待ちします。
 ホームページを参照してください。 (向山会計社)


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税理士と情報産業は、相互関係に

税理士と情報産業は、相互関係に!

 今回は‘税理士新聞 第1448号 2014年5月15日号に載っていた記事を参考に述べてみる。
 法人税は減税の方向で進んでいるが、消費税の増税で中小企業は必ずしも負担減で楽になるとはいえない。そして、消費税増税は間違いなく中小企業の経営を圧迫している。
 税理士の法人支援がより必要になってきている。
  ①税務調査対応
  ②経営計画策定業務
  ③MAS業務
  ④資金繰り支援
  ⑤マーケティング
  ⑥海外ビジネス支援
などが挙げられる。
 業務特化で業績を伸ばしたい税理士もいるだろうが、医業や農業、建設業、飲食業、理美容業などである。また、宗教法人、NPO法人、公益法人などに特化するのも同じような取り組みです。
 経済産業省が経営革新等支援機関制度を設けたのは2年前のことである。税理士が中心の支援機関には、中小企業の経営サポートが期待されている。
 こうしたサポートが求められるなかで、税理士事務所単体では対応できないことも増えてくる。こうした場合、他の税理士や専門家とのネットワークで納税者の要望に応えることが有効な方法となる。
 ふたり以上の専門家から意見を聞いて的確な判断・対処法を探る‘セカンドオピニオン’が業界の潮流になっている。
 しかし、これらの取り組みが普及したころは、‘顧客がとられるのでは’と懸念する税理士もいたことでしょう。最近では、苦手な分野は他の専門家の意見を聞ける体制を作ることが顧客のためになるという観点から‘セカンドオピニオン’の仕組みを取り入れる事務所も増えてきたのも伺える。
 税理士事務所はこのようなネットワークを有効活用する‘情報産業’としての役割が求められるようになってきている。
 事務所が5年、10年、20年と存続し、成功を続けるには事務所の体制作りが大切であると思う。

(参考・引用 2014年5月15日号 税理士新聞より)

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国税庁発表「会社標本」とは何か?

国税庁発表「会社標本調査」とは何か?

国税庁は2014年(平成26年)3月27日付けのホームページにおいて、平成24年度の「会社標本調査」結果を公表しました。この調査は我が国の法人企業について、資本金階級別や業種別にその実態を明らかにし、併せて租税収入の見積もり、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすることを目的として実施されているもので、すでに今回が63回目に当たります。

まず調査対象法人ですが、日本国内で2012年4月1日から2013年3月31日までに終了した普通法人2,535,272社(休業清算法人・NPO法人・一般社団・財団法人を除く)を対象に標本調査という手法で調査対象法人(母集団)から資本金階級別・業種別等に一定の方法で標本法人を抽出し、その標本法人基礎データを基に、母集団全体の計数を推計したものです。

1.それではまず税務統計から見た法人企業の実態ですが、申告法人2,535,272社のうち資本金階級別の構成比では、資本金1000万円以下の階級が2,167,543社で全体の85.5%を占めています。次いで資本金1000万超1億円以下が343,120社(13.5%)で法人数全体の99%を資本金1億円以下の法人が占めています。
また、業種別法人数の構成比をみると、サービス業(24.5%)・建設業(16.3%)・小売業(13.4%)の占める割合が大きく、農林水産業(1%)の占める割合は非常に小さくなっています。
 組織別法人数の構成比では株式会社が全体の95.6%を占め、以下合名会社(0.2%)合資会社(0.8%)合同会社(0.8%)と続いています。

2.欠損法人70.3%と前年度より2%減少
 図1を見ていただきたい。利益が出ている法人数は749,731社、これに対して欠損法人は1,776,253社全体での割合が70.3%となっており前年比2%減少したが、いまだ約7割の法人が欠損を出している現状をとらえている。
アベノミクスの経済効果が、今後どのくらい実態企業に影響を与えていくのか、今後の数値に注目すべきであろう。



図1  文字色【利益計上法人数と欠損法人数】
                                       
     利益計上法人 欠損法人(A)合 計(B) 欠損法人割合
平成22年度分  702,553    1,877,801      2,580,354  72.8
  23     711,478     1,859,012      2,570,490  72.3
  24     749,731     1,776,253      2,525,984  70.3
 (構成比)   (29.7)     (70.3)       (100.0)


3 その他調査結果から見た主要点

1. 交際費等の支出額は2 兆9,010億円ある。このうち税法上損金に算入されない金額は1 兆1,469億円であり、支出額に占める割合( 以下「損金不算入割合」という。)は39.5% ある。
2. 法人税額は8兆9,333億円になっている。また、所得税額控除は1兆8,014億円、外国税額控除は5,732億円になっている。
3. 繰越欠損金の当期控除額は8兆6,939億円で、翌期繰越額は73兆836億円となっている。

 その他まだまだ統計数値はありますが、ここでは省略いたします。
 尚、興味のある方は下記のホームページを見て頂くと詳しい数値と説明文が掲載されています。日本経済の実態を、実際の申告法人の数値から読み解くことが出来るはずだと思います。

                                
   参考資料:国税庁HP
   http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kaishahyohon2012/kaisya.htm

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