税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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中間申告と予定納税の違い

中間申告と予定申告の違い

今回は中間申告と予定申告の違いについて解説します。
各税目により違いがありますので個別に説明していきたいと思います。

Ⅰ まず法人税です。
法人税法第71条では、事業年度が6ヶ月を超える普通法人は、原則として、事業年度開始の日以後6ヵ月を経過した日から2ヶ月以内に、中間申告を提出しなければならないと規定しています。ただし確定法人税額が20万円以下の場合中間申告の提出は必要ないとしています。
そして、中間申告には以下の2つの方法がありいずれかを選択できます。
①  予定申告(いわゆる前年度税額の半額を申告)として申告する。
② 事業年度開始の日以後6ヶ月の期間を1事業年度とみなして、仮決算を行い提出期限までに中間申告する。
ただし仮決算による中間申告を行う場合、以下の場合は中間申告できないので注意が必要です。
前年度実績に基づく予定申告による納税額が10万円以下である場合又は全事業年度の法人税が無い場合及び仮決算による中間納税額が前年度実績に基づく予定申告による中間税額を超える場合には、仮決算による中間申告はできないとされている。
この理由は、以前、確定申告による中間納税額の還付金に付される還付加算金を利殖目的に利用する者が増えたため、その防止策として出来たものです。
なお、この規定は平成23年4月1日以後開始する事業年度より適用になっています

Ⅱ つづいて消費税です。
消費税も法人税同様2つの方法があり、いずれかを選択できます。いずれの場合も中間申告と言い、予定申告とは言いません。

①  直前の課税期間の確定消費税の税額による中間申告。
消費税額  48万円以下・・・・・・・・・・・中間申告不要
        48万超~400万円以下・・・・・年1回(6/12月)
        400万超~4800万円以下・・・年3回(3/12月)
        4800万円超・・・・・・・・・ 年11回(1/12月)

②  仮決算に基づく中間申告
 法人税と違い、上記計算で出された金額と、仮決算で計算された金額が多くても少なくても申告が提出出来ます。
なお、この場合、計算した金額がマイナスになっても中間申告では消費税還付は受けられないので注意が必要です。還付申告が出来るのは確定申告である。

Ⅲ 最後に所得税です。

所得税では予定納税制度を採用しています。
この予定納税をしなければならない人は、前年分の課税総所得金額を基に予定納税基準額を算出しこれが15万円以上となる人です。予定納税はこの金額の3分の1に相当する金額を1期(7月31日まで納税)2期(11月30日まで納税)と納税します。なお、この金額は税務署から事前に通知されます。
そして、予定納税の義務のある人はその年の申告納税見積額が予定納税基準額に満たないと見込まれる場合は「予定納税の減額申請」の承認申請を受けることにより納税が減額されます。従って納税額を前年度よりも多く払うという事は出来ません。
ちなみに、この減額申請の期日は7月15日と11月15日の2回です。

以上、各税目により中間申告・予定申告に違いがありますので注意して申告をして下さい。

                               以  上

        参考資料:図解「法人税」・「消費税」・「所得税」 大蔵財務協会



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| 法人税の税務 | 10:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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役員報酬と税務処理

 役員給与と税務処理 

中小企業の経営者の方で自分の役員給与が同業者あるいは世間相場と比べて適正なのかを一度は考えた方もいらっしゃることと思います。
毎年、TKC全国会では、TKC会員約1万人の関与先賃金データ、1月から12月分の統計を取りまとめ、情報提供会員事務所に1冊の書籍として提供しています。尚、市販はされていません。
今回はこの統計資料の2014年度版(平成25年1月~12月分)の中の社長の役員給与を見ていきたいと思います。なお、この役員のための調査収録法人数は105,864社、役員人員は202,866人にのぼります。
調査によるとまず全産業種平均社長給与月額915,000円。一番高い業種は医療福祉分野で1,463,000円。一番低い業種は宿泊業・飲食サービス業の748,000円になります。
売上規模別にみると年間売上高1億円以下給与月額500,000円、5億円以下給与月額800,000円、10億円以下給与月額1,000,000円などとなっています。
役員給与に興味のある方はご連絡ください。分かる範囲内でご回答いたします。
ところで、この役員給与ですが、法人税法上では原則、損金算入できない(給与経費で落とせない)事をご存知でしょうか。
役員給与の取扱いが全面的に改められたのは平成18年度の税制改正でした。
法人税法34条①で、法人所得の計算上、役員に支給した給与は損金不算入が原則とされたのです。
従って、この役員給与を損金算入出来る規定としては3つの手続きによるものとされています。
1. 定期同額給与定期同額給与とは、その支給時期が1月以下の一定の期間ごとであり、かつ次のいずれかに該当する給与を言う。
① 事業年度を通じての同額給与
その事業年度の各支給時期における支給額が同額である給与
② 株主総会で改定された同額給与
定期給与の額につき、その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日までに、改定がされた場合のその事業年度の改定前の各支給期間における支給額が同額であり、かつ改定以後の各支給時期における支給額が同額である定期給与。
③ 業績悪化等に伴い改定した同額給与
定期給与の額につき、その内国法人の経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由により、減額改定した場合のその事業年度のその改定前のその事業年度に属する各支給時期における支給額及びその改定以後の各支給時期における支給額がそれぞれ同額である定期給与。
④ 継続受給する経済的利益
継続的に供与される経済的な利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの。
留意点としては、定時株主総会での改定以外は原則認めない。ただし例外として③の業績悪化等に伴う場合には減額を認める。ただし、「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由」がある場合に限るとされている。

2. 事前確定届出給与
届出時期が重要である

定期同額給与のほか、例えば6月と12月に役員に支払う賞与を損金算入を認めるのが事前確定届出給与である。
この場合税務署長に次のいずれか早い日までに届出書を提出しなければならないとされている。
① 給与に係る職務の執行を開始する日。
② その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日。

3. 利益連動給与
その事業年度の利益に関する指標を基礎とした利益連動給与を代表取締役や執行役に支給する場合に損金の額に算入する規定をいう。
但しこの規定は同族会社には適用できず、有価証券報告書を提出する会社であることなどの要件を満たす必要がある。従って、大企業での適用であり中小企業の大部分では適用できない。

以上3つの規定にそぐわないものは損金不算入に該当することになるので注意が必要です。対処方法としては、毎期、法人の決算が終了したら、必ず株主総会議事録及び取締役会議事録を作成し、来期の役員給与を確定しましょう。備えあれば憂いなしです。
そして自分の会社で同業者・世間相場以上の給与を稼げるよう計画を立て遂行しましょう。次回では従業員の業種別・規模別の賃金相場を提供致します。

       参照資料:月額役員給与・役員退職金H26年版 TKC全国会発行
            法律会計制度&税務事例  多田雄司著 清文社

| 法人税の税務 | 12:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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交際費 大法人も損金算入へ

政府・与党は、大企業の交際費の一部非課税とする方針

 11月23日(土)3時16分配信のYOMIURI ONLINEに、
「政府・与党は、大企業が取引先の接待などに使う交際費の一部を税務上の経費(損金)として認め、非課税とする方針を固めた。
 企業が納める法人税を減らすことで、交際費をもっと使ってもらうねらいで、来年4月の消費税率引き上げによる消費税の落ち込みを和らげたい考えだ。2014年度からの実施を目指し、12月にまとめる14年度税制改正大綱に盛り込む方針だ。」
上記の記事が掲載されました。

1.現行の交際費損金算入制度
(1)損金算入限度額
 期末資本金が1億円超の法人と、資本金5億円以上の法人の完全支配会社等については交際費等は原則全額損金不算入です。また、平成25年度税制改正により、資本金1億円以下の法人については損金算入額が拡大しました。
損金算入限度額

(2)大企業でも損金算入が認められている5,000円以下の飲食費
 平成18年度税制改正により、大企業であっても一人当たり5,000円以下の飲食費については損金算入が認められています。
  
2.大法人の交際費損金算入に向けての動き
(1)厚生労働省 平成26年度 税制改正要望
 厚生労働省の平成26年度税制改正要望の中で、交際費課税の見直しについて次のような要望出しています。
① 中小法人の交際費課税の特例(800万円まで全額損金算入可能)を2年間延長する
② 飲食店等における消費の拡大を通じた経済の活性化を図る観点から、大法人についても、その適用範囲を含め、所要の見直しを行う
 要望理由の一つとして、法人企業の営業活動の促進による収益機会の向上や飲食店営業等の需要の喚起を図ることにより、我が国の経済の活性化を図ることを挙げています。

(2)麻生財務大臣の予算委員会での発言
①2013(平成25)年2月18日 参議院予算委員会
 大企業の交際費について、法人税がかからない損金算入を検討する考えを示しています。ただし、この時は税収の減少を懸念する財務省は慎重な姿勢を示していました。
②2013(平成25)年10月23日 衆議院予算委員会
 企業の内部留保を活用する政策として、大企業の交際費損金算入が一つの方法であるという見方を示しています。交際費の損金算入を認めた場合、一千億円規模で税収が減るが、その分、消費するので消費税が入るとの見解を示しています。

3、交際費損金算入のメリット、デメリット
麻生財務大臣の発言にもあるように、税収の一千億円規模での減少が一番の問題点でしょう。しかし、消費するので消費税が入るからという見解はいかがなものでしょう。
飲食業界は現在赤字割合が最も多い業種となっています。厚生労働省の平成26年度税制改正要望の中にある飲食店等における消費の拡大を通じた経済の活性化を図る観点からは、大きなメリットといえるのではないでしょうか。

 年末に向けて忘年会・新年会等は企業にとってはビジネスチャンスの一つとしての位置づけであり、飲食業界にとっては稼ぎ時でもあるのです。今年はアベノミクス効果か昨年に比べて予約の件数が増えているとのこと。大企業にとって素敵なクリスマスプレゼントとなることを期待しましょう。

| 法人税の税務 | 09:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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移転価格税制とは

「移転価格税制」とは?

2013年10月31日、国税庁より平成24年事務年度(2012.7.1~2013.6.30まで)の「法人税等の税務調査事績の概要」が発表された。この中で今回は、最近何かと話題に上がる移転価格税制に関して見ていきたい。
移転価格税制については、毎年のように税制改正が行われており、国税当局の調査体制も強化されて来ているように感じられる。まず以下の図を見ていただきたい。

     移転価格税制に係る実地調査の状況
    事務年度           23 年         24 年
   項  目          件数等   前年対比  件数等   前年対比
 非違があった件数   件    182   124.7       222     122
 申告漏れ所得金額  億円    837   119.9       974     116.4
 1社当り計上漏れ金額 億円    4.59  -        4.38     95.4
                          (国税庁HPより引用)

平成24年事務年度では、移転価格における申告漏れ件数は222件、申告漏れ所得金額は974億円と前年比116.4%増となっており、1社当たりの申告漏れも4.4億円と大きな金額で推移している。最近の大企業及び中小企業の海外進出の状況を考えると、この傾向は今後とも続くものと考えられる。
ところで移転価格税制とはどのようなものであろうか?
移転価格税制とは、国境を越える国・地域の間で利益の付け替えを行うことによって租税負担の軽減を図ろうとする租税回避行為を防ぐための制度である。1954年アメリカで発明され日本では1986年に導入された。
つまり、企業が海外子会社等の国外関連者との間で取引価格を操作し、所得を海外へ移転させて、内国企業の税負担の軽減を図ることを防止する制度を言う。
企業と海外子会社等との取引価格が、通常の取引価格(単独企業間価格)と比較して低額で行われることにより、企業の法人所得が減少している場合には、その取引は独立企業間価格で行われたものとみなして、企業の課税所得を計算する仕組みになっている。                                           (根拠条文:租税特別措置法66条-4 )

財務所のHPに「移転価格税制の仕組み(図解)」が掲載されているので見て欲しい。
財務省HPhttp://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/178.htm            

この例では、日本の対象法人(A社)が、本来、相互に独立した企業間では120円で取引される品物を、海外の関連会社に、それよりも10安い110円で販売することで、日本国内での自社の利益を10円と低く抑えています。逆に海外では10円利益を増やしています。このケースでは、海外の法人税率が日本より低ければ相対的に税率の低い海外で利益を出した方が得になります。このような場合移転価格税制では、独立間価格の120円で取引が行われたとみなしA社の利益を計算することとなるため、結果的にA社の税負担が増加することにもなります。
ただし、移転価格税制による課税処分をうけた納税者は、相手国との間に租税条約が締結されていれば、租税条約に基づき、国際間で生じる二重課税を排除するため税務当局へ相手国との「相互協議」の申立てをすることができることになっています。

次に今年、移転価格税制で問題になった企業の事例を2件ほど紹介しておきます。
なお、以下の記事は日本経済新聞より抜粋したものです。

(2013年8月22日の記事より)
オリンパスが国内と英国の子会社間の取引を巡って東京国税局の税務調査を受け、移転価格税制に基づき5年間で約103億円の申告漏れを指摘された。地方税などを含めた追徴税額は約49億円。実際の納税額は英国の納税分を差し引いた約14億7千万円の見込み。同社は「見解の相違がある」として異議を申し立てる予定。同社によると、指摘があったのは、医療機器製造販売の連結子会社、オリンパスメディカルシステムズ(東京・新宿)が2007年3月期~11年3月期に、英国子会社に内視鏡などの医療機器を輸出した取引。国税当局は取引価格が通常より低く、国内で課税されるべき所得を海外子会社に移し、日本国内での納税額が過少になっていると判断したもようだ。

(2013年6月26日の記事より)
HOYAが海外子会社との取引を巡って東京国税局の税務調査を受け、移転価格税制に基づき5年間で約200億円の申告漏れを指摘された。税務上の赤字があり、地方税や過少申告加算税を含めた追徴税額は約33億円。HOYAが同日、更正処分の通知を受けたと発表した。同社は「当社の主張と東京国税局の見解は明らかに相違がある」とし、課税処分を不服として異議を申し立てる方針という。
同社によると、指摘を受けたのは2007年3月期から11年3月期までの東南アジア子会社との取引。エレクトロニクス製品を開発・製造していた子会社とHOYA本体との取引価格が妥当でなく、本体の所得を子会社に移転して日本国内での納税額が過少になっていたと指摘されたもの。移転価格税制は、取引を通じて海外子会社に利益を移したとみなされた場合に親会社に追徴課税する制度。処分を不服として企業が異議を申し立てるケースも目立つ。
企業がグローバル化している現在、大企業だけでなく中小企業も海外に拠点を移して活動してきている。国と企業の移転価格を巡る「TAXウオーズ」は今後ますます増えてくるだろう。

| 法人税の税務 | 09:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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タックスワンポイント “海外出張・海外勤務の注意点”

その1.観光を兼ねて海外出張 「旅費」判定に注意
 グローバル化が進み、中小企業の間でも海外出張が一般化しつつあります。国内出張と比べると経費もそれなりにかかるものですが、業務上必要なものであり、かつ、通常必要と認められる金額である場合には「旅費」として損金算入がみとめられています。
 しかし、せっかく海外へ行くのだから観光も兼ねてというケースもあるでしょう。その場合の注意点については、法人税法基本通達に規定がありますので紹介します。

(1)海外渡航費の損金算入の注意 (法人税法基本通達9-7-6)
海外出張に業務遂行上必要とは認められない部分がある場合や必要な支出でも異常に高額な場合には、その認められない部分や高額な部分が、海外出張に行った役員や従業員への給与として取り扱われます。 

(2)観光を兼ねた海外出張の取り扱い (法人税法基本通達9-7-9)
 業務遂行上必要と認められる旅行と認められない旅行を併せて行った場合、その海外渡航にかかった旅費を。「業務上必要を認められる旅行の期間」と「認められない旅行の期間」との比等により按分し、業務上必要と認められない旅行について、渡航者である役員や従業員への給与として取り扱われます。
 ただし、海外渡航の直接の動機が特定の取引先との商談や契約締結などの業務遂行のためであり、その海外渡航を機会に観光を併せて行うものである場合には、その往復の旅費については「業務遂行上必要と認められるもの」とし、その海外渡航に際して支給する旅費の額から控除した残額について按分計算の対象とすることになります。

(3)業務遂行上必要な海外渡航に該当しないものの具体例(法人税法基本通達9-7-7)
①観光渡航の許可を得て行う旅行
②旅行あっせんを行う者等が行う団体旅行に応募してする旅行
③同業者団体その他これに準ずる団体が主催して行う団体旅行で主として観光目的と認められるもの

(3)同伴者の旅費(法人税法基本通達9-7-8)
 海外出張に親族またはその業務に常時従事していない者を同伴した場合には、その同伴者に係る旅費は、その海外渡航者の給与となります。ただし、次に掲げる場合のように、明らかに海外渡航の目的を達成するために必要な同伴と認められるときは、業務遂行上必要と認められるものについては、「旅費」として損金算入がみとめられます。
①常時補佐を必要とする身体障害者であるために保佐人を同伴する場合
②国際会議の出席等のために配偶者を同伴する必要がある場合
③その旅行の目的を遂行するために外国語に堪能な者又は高度の専門的知識を有する者を必要とするような場合に、適任者が法人の使用人のうちにいないため、親族又は臨時に委託した者を同伴する場合


その2.海外支店に勤務  居住者? 非居住者?
 経済取引の国際化に伴い、海外で働く日本人が増えてきました。日本企業の海外支店などで働く社員を抱える会社が注意しておきたいのが、こうした海外勤務者に支払う給与の課税関係です。その社員が税務上の「居住者」か「非居住者」とでは源泉徴収が違ってくるためです。

(1)非居住者の判定:海外勤務が1年以上か1年未満かがポイント
 所得税法では、国内に住所があり、または現在まで引き続き1年以上居所を有する個人を「居住者」とし、居住者以外の個人を「非居住者」と規定しています。
 また、住所とは個人の生活の本拠のことをいい、生活の本拠であるかの判定は客観的事実に基づき判定されます。
 従って、日本企業の海外支店などに1年以上の予定で勤務する人は、一般的には国内に住所がない者と推定されるため、出国日の翌日から所得税法上の「非居住者」ということとなります。

(2)海外勤務者の給与所得
 ①勤続期間が1年未満の場合
 居住者となりますので、その者への給与・賞与は一般の国内勤務者に支払われる給与・賞与と同様の課税を受けることとなります。
 ②役員以外の場合
 非居住者に該当するため、その給与が日本の本社から支払われていても、日本の所得税は課されず、勤務地での課税となります。
 ③役員の場合
 海外支店に勤務する役員に支払う給与は、日本国内で生じたものとみなされ、非居住者への国内源泉所得に該当します。従って、支払時に20.42%(所得税20%、復興特別税0.42%)の源泉徴収が発生し、課税関係は終了します。
 なお、この場合の役員には、例えば取締役支店長など使用人として常時勤務している役員は含まれないことに注意します。

(3)その他注意点
 ①役員でなくても源泉徴収が必要となる場合
海外に転勤後に支払われるボーナスなどの計算期間内に、日本で勤務した期間が含まれている場合です。 この場合には、日本での勤務期間に対応する金額に対して20.42%の税率で源泉徴収が必要です。
なお、給与等の計算期間が1か月以下であれば、給与等の計算期間のうちに日本での勤務期間が含まれていても源泉徴収をしなくてもよいことになっています(給与等の全額が日本での勤務に対応する場合には、20.42%の税率で源泉徴収をします。)。
 ② 租税条約を優先
役員の給与に対する課税の取扱いについては、多数の国と租税条約を結んでおり、租税条約に異なる取り扱いがあるときは、租税条約の取り扱いが国内法に優先されて適用されることになります。そのため、これらの租税条約の内容を確認することが必要です
  



参考資料  NP通信社「タックスワンポイント」
      法人税基本通達 第2款 海外渡航費
      タックスアンサー 所得税

| 法人税の税務 | 12:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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