税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業44年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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7月9日施行 改正法対応 在留管理制度入門4

~外国人を適正に雇い、安心して働いてもらうために~

外国人登録制度の廃止に伴う変更点・問題点など


 今年7月9日施行の入管法改正に伴う新制度では「外国人登録制度の廃止」が最も大きな“改正”です。戦後まもない昭和27年に制定された歴史の長い法律を廃止し、日本で生活する外国人についての情報管理を入国管理局へ一元化するという動きは、情報管理の制精度を向上して外国人の利便性を図る上で、グローバル化の流れに則した動きです。ただし、実務上の細かい点については未確定な部分も多く、実際に制度が動き出してからもさまざまな調整が必要となるでしょう。
以下、変更点について順番に解説します。

外国人登録原票の廃止→住民票発行

 現行法上は、外国人が銀行口座の開設や住居の賃貸契約など生活に必要な諸手続をする際に必要な証明書として、市区町村が外国人登録原票に基づいて「外国人登録原票記載事項証明書」を発行していました。
外国人登録法の廃止に伴い、外国人中長期在留者は、日本人と同様に住民基本台帳制度の対象となって住民票が発行されます。
これまでは日本人の妻と外国人の夫。日本人の子といった日本人と外国人で構成される世帯について、住民票に日本人の妻と日本人の子のみが記載されていました。実際には外国人の夫の収入で世帯が生活している場合でも、日本人の妻が世帯主と記載され、申し出によって備考欄に「事実上の世帯主」として外国人の夫の氏名が記載されるにとどまっています。したがって、世帯全員の証明書の発行を受ける際には「日本人の妻・子の住民票」「外国人の夫の登録原票記載事項証明書」双方が必要でした。
 新制度では、日本人と外国人の区別なく、全員の生年月日や続柄など、住民票に記載されるべき情報が同じように記載され、住民票1通で世帯の状態が把握できるようになります。
中長期在留者が住居地を変更した時は、新しい住居地に移転した日から14日以内に、当たらし住居地の市区町村の窓口に在留カードを持参し、転入届け、転居届け、法務大臣への住居地の変更届けを一括で行います。入国管理局への届出は不要です。
 
 市区町村役場で受付されるのは「住居地の変更」のみです。その他の諸届け(配偶者の変更や勤務先の変更等)は14日以内に住所地の管轄の出頭または東京入国管理局への郵送で届けることとなります。
 例えば、留学生が就職のために現在の住所地から勤務地の近くへ転居する場合、現在の住居地を管轄する地方入国管理局へ在留資格「留学」から就労資格(「人文知識・国際業務」、「技術」など)への在留資格変更許可申請を行い、許可後、転居した日から14日以内に、新住所地の市区町村役場で住所地の変更届けを提出するという流れになります。

新制度で懸念される点

短期滞在者の証明書について懸念される点があります。
 現行法では、3ヶ月以内の短期滞在者についても。住居地を定めて届け出ることで、外国人登録を行って外国人登録原票記載事項証明書の交付を受けることが可能でした。例えば起業順部のための銀行口座の開設を行うといった場面で、身元確認書類として外国人登録原票記載事項証明書が使用されています。
 また、外国人登録を行うと、印鑑登録も可能となります。印鑑登録を行わない場合、例えば、「日本で不動産の売買契約を行う」「短期滞在者の外国人発起人として法人設立を行う」といった場面で本人のサインを公証人役場や外務省などを経て認証する手続が必要となり、時間と費用が重くなります。
 新制度では、住民基本台帳制度の対象となるのは「3ヶ月を超えて適法に在留し住所を有する中長期在留者など」とされています。この規定に当てはまらない外国人に対しての証明書等の発行や印鑑登録について、新制度移行後にどのような対応がなされるのかは現状では明らかとなっていません。

所属機関による届け出

 現在、外国人雇用対策方に基づき、全ての授業主に、外国人(特別永住者を除く)の雇い入れと離職の際に、その都度、当該外国人の氏名、在留資格等を確認し、ハローワークに届け出ることが義務づけられています(ここでは留学生を受け入れている教育機関については割愛します)。
新制度は施行された後でも、この届け出は必要ですが、併せて一般に「使用従属性がない」といわれるフリーランス語学講師や、会社の取締役など会社と雇用関係にないものの請負や業務委託契約などを締結している外国人に関しては、所属機関からその受け入れの開始・終了、受け入れの状況などを入国管理局へ届け出ることが求められます。
 ただし、雇用が前提とされていない在留資格である「芸術」(ダンスインストラクター等)「宗教」「報道」(フリーランスの記者)「技能実習」で在留している外国人については、届け出は不要です。
なお、所属機関に関係する変更で外国人本人より入国管理局へ届け出が比ゆ楊とされている次のような項目もあります。
1 所属機関の名称、所在地の変更
2 所属機関の消滅
3 所属機関からの離脱、移籍


 これらについては原則として本人からの届け出になりますが、名称、所在地の変更などが発生した場合は、雇用主側から適宣資料を提供して届け出を促すなどのバックアップが望ましいでしょう。
この届け出を怠ったことで、在留資格が取り消されるなど影響がすぐに及ぶわけではありませんが、在留資格の更新時に、勤務先が変わっていることについて届け出がなかったことで、許可されるまでに審査に時間がかかるなど、外国人にとって不利益が発生する可能性があります。審査をエンがツに進めるためにも、必要な届け出は発生の都度適宜行うことが重要です。

以上、4つの新しい在留管理制度について4回にわたり解説を行いました。
私の所属する大阪府行政書士会では、入国管理局と定期的に連絡協議会を開催し、現場の審査官からの最新情報を収集しております。今回の記事の内容中、一般に公開されている情報では分かりにくい点などに関して、この現場の生の声を反映させた部分は多岐に渡ります。
 手続に関係する法改正には、実務が発生しなくては分からない不具合、不備はつきものであり、今後も見直しが図られる点が多々あるでしょう。
 私たち申請取次行政書士は、日本で生活する外国人の方々、外国人を雇用している経営者の方々への制度の円滑な浸透に寄与できるよう、今後発生する実務上の改正点などの最新情報を行って行くよう努めます。


(納税通信3222号 著者:行政書士椋木法務事務所 椋木マキ)



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2012年7月9日施行 改正法対応 在留管理制度入門3

~外国人を適正に雇い、安心して働いてもらうために~

 在留期間の改正、みなし再入国許可について

 外国人自身の負担が軽減されるであろう改正点として、在留期間が最長5年とされること、「みなし再入国許可」の導入が挙げられます。
以下、順番に解説します。

在留期間が最長5年に
 これまで、「主な就労資格を持つ者」や「永住者」以外の居住資格者の在留期間は、最長で3年されていました。新しい在留管理制度ではこの最長の在留期間が5年に延長されます。
 在留期間が近づくと「在留期間更新許可」の手続きを行う必要があり、これまでは1年または3年ごとに書類をそろえて入管に出頭していましたので、負担は大きく軽減します。
また、今までは最短の在留期間が1年(興行・技能実習などは除く)とされていましたが、在留資格によっては新たに3ヶ月と6ヶ月が追加されました。
 就労資格における3ヶ月の在留期間は、例えば外国企業からの短期間の出向などで当初から3ヶ月以内の在留が予定されている場合、その外国人の住民登録などの事務負担を軽減するために設けられています(3ヶ月以内の在留では在留カードは交付されず、住民登録も免除)。
主な在留資格ごとの在留期間の種類は表のとおりです。

7-9-3.jpg


雇用主が注意すべき点

①期間が長くなることで「更新期限忘れ」が発生しやすくなる

本人が管理することはもちろんですが、雇用主側も在留期間を把握しておきましょう。更新手続きは原則として本人出願が必要ですので、手続きの際には半休を与えたり、会社を通して申請取次行政書士などに取次を依頼したりなどのバックアップが望ましいでしょう。

②改正法施行をもって、在留期限が自動的には延長されない。

現在最長の期間である3年を付与されている場合、改正法施工後、期間の満了に伴う更新手続を行えば、審査の結果5年が付与される可能性はありますが、現状の在留期限が自動的に延長されるわけではありません。


みなし再入国許可とは

 中長期在留者の方が帰省や出張などで出国する際、現行制度では期間にかかわらず「再入国許可」を取得する必要がありますが、新制度では1年以内の出国であれば原則として再入国許可を新たに取得する必要がなくなりました(特別永住者の場合は2年)。これを「みなし再入国許可」といいます。
今まで再入国許可を得るためには1回限りで3千円、数次有効で6千円の手数料が必要でしたが、みなし再入国許可を利用すれば、この手数料は納める必要がなくなります。また、出国前に入国管理局へ出頭する手間もなくなり、外国人にとっての利便性が向上します。

 具体的な手続きとしては、今まではパスポートに再入国許可の証印が貼り付けられていましたが、これは廃止となり、再入国用IDカードにみなし再入国許可の意思表示欄が設けられます。この欄にチェックをすることで、これまでの出入国手続きと同様に再入国することが可能となります。
また、これまでの再入国許可の有効期限は、永住者以外の在留資格を持つ人の場合はその在留資格の在留期限と同様で3年とされていましたが、新制度では最長の在留資格が5年になるのに伴い、最長5年となります。在留期間が1年の人は再入国許可の期限も1年、3年の人は同様に3年と、与えられている在留期間と同様の期限であるという点に変更はありません。永住者や特別永住者の再入国許可の有効期限は、これまでの最長3年から最長5年へと変更されます。ただし、現時点で保有している再入国許可の期限が新制度の施工後に自動的に延長される訳ではありません。現時点で保有している再入国許可の有効期限が失効した後、新制度の施工後新たに申請した場合に、5年の有効期間が付与されます。


雇用主が注意すべき点

①みなし再入国許可は海外で延長ができない

 通常の再入国許可は、所定の手数料を支払うことで在外公館での期間延長が可能でしたが、みなし再入国許可は理由のいかんを問わず在外公館で延長の手続きを行うことができません。海外への長期出張の際、ケガや病気などで長期の治療が必要となったり、出張先国の政情の影響で出国ができなくなったりするなど、予期せぬトラブルのために出国期間が1年を超えてしまうという事態が起きないとも限りません
みなし再入国許可が失効すると、本人が得ている在留資格そのものが在留期間にかかわらず失効してしまうこととなります。その場合、新たに在留許可を取得しなければ日本へ戻ることができなくなります。会社の業務遂行に支障が出ることはもちろん、外国人本人にとっても精神的、手続き的負担は大きいものです。
新制度によって再入国許可が廃止される訳ではなく、希望すれば再入国許可を取得することも可能ですので、長期間の海外出張が予定される場合には、念のため1回限り有効の再入国許可を取得してから日本を出国することがベターでしょう。

②出国から1年以内に在留期間が満了となる場合は、在留期間の満了日までがみなし再入国許可の有効期限となる。

 再入国許可は、あくまでも本体の在留資格に付随するもので、出国から1年以内に再入国する場合でも、それまでに在留期間の満了日が到来する場合は、当然、みなし再入国許可も失効します。
外国人従業員に海外出張を命ずる時には、出張中に在留期間の満了日を迎えることがないかどうか、雇用主側からも確認が必要でしょう。

③みなし再入国許可の有効期限はパスポートに特に記載されない

 今までの再入国許可の有効期限は、パスポート上の証印で確認することができましたが、みなし再入国許可の場合、特にパスポートへの証印等もありませんので、外国人本人が管理する必要があります。
1年の起算日は、出国した翌日になります。
例えば、ある年の4月1日に出国した場合のみなし再入国許可の有効期限は翌年の4月1日までとなります。

次回は、外国人登録制度の廃止に伴う、証明書や届出の変更点について解説します。


(納税通信3221号 著者:行政書士椋木法務事務所 椋木マキ)



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2012年7月9日施行 改正法対応 在留管理制度入門2

~外国人を適正に雇い、安心して働いてもらうために~

新制度で交付される「在留カード」とは?

今回は新制度の4つのポイントについてより具体的に解説してまいります。

在留カードに記載される情報
新制度では変造防止対策として、現行の市区町村から交付されていた「外国人登録証明書」に代わり、ICチップが内蔵された「在留カード」が入国管理局から交付されます。
在留カードがどのようなものなのかは法務省のパンフレットで確認できます。記載される情報をまとめると、次の通りです。

①氏名、生年月日、性別および国籍の属する国または入管法第2条第5号ロに規定する地域(主に台湾 ※1)
②住居地(日本における主たる住居の所在地)
③在留資格、在留期間および在留期間の満了日
④許可の種類および年月日
⑤在留カードの番号、交付年月日および有効期限の満了日
⑥就労制限の有無
⑦資格外活動許可(※2)を受けているときはその旨


採用の現場では、⑥が表面に記載されていることで、在留資格について特別に知識がない人でも、在留カードを持参した外国人の採用が可能かどうかの判断が容易となります。
また、外国人留学生のアルバイトなどを採用する際に確認が必要な⑦の事項については、パスポートの証印シールを確認する必要がありましたが、新制度では在留カードだけで確認できるようになり、外国人の採用の現場での利便性が向上することとなります。

採用の現場でのチェックポイント
 求人に応募してきた外国人に関して、自社で採用が可能かを判断する場合、在留カードのチェックポイントは次の通りです。

【事例1】飲食店のホール係やコンビニエンスストアなどの小売店のレジ担当者としてアルバイトやパートとして外国人を採用する場合

①在留資格や就労可・不可の記述はどうか
一般的な就労資格とされる「人文知識・国際業務」「技術」「技能」などの在留資格の人は、「就労可」と記載されていても前記の業務に就くことはできません。「技能実習」の人も不可です。
居住資格(※3)の人は日本人と同様に就労に制限が無いので採用しても問題ありません。
「留学」「家族滞在」などの場合、就労制限の有無欄に「就労不可」と記載されていますが、裏面の「資格外活動許可」欄に「許可:原則28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されていれば、採用は可能です。
ただし、他にアルバイトを掛け持ちしているかを確認し、掛け持ちしている場合は他のアルバイトと合算して原則28時間以内の就労を厳守しなければならないことに注意する必要があります。

②在留期間に余裕があるか
就労可能な在留資格が記載されていたとしても、在留期間が満了している場合は不法滞在(オーバーステイ)となり、就労することはできません。
確認した時点で在留期間満了から2ヶ月を超えていなければ、在留期間更新手続き中の可能性もあります。その場合は裏面の「在留期間更新等許可申請」欄を確認し「在留期間更新許可申請中」とあれば採用は可能です。在留期間更新許可が完了すれば新しい在留カードが交付されますので、新しいものを改めて確認すれば安心でしょう。


【事例2】海外取引のために貿易業務担当者や通訳・翻訳担当者を中途で採用する場合

①住所、氏名、生年月日などの本人情報が、提出された履歴書と合致しているか
在留カードの交付以降に住所が変更された場合は、裏面「住所地記載欄」に追記されています。

②在留資格が「人文知識・国際業務」または居住資格であるか
就労制限の有無欄に「就労可」と記載があっても、就労資格の人は許可を受けている在留資格に合致しない業務に就くことはできません。居住資格の人については就労に制限がないので日本人と同様に就労が可能です。

③在留期間に余裕があるか
【事例1】の②同様。


在留カードの交付や変更が生じた場合の手続き

在留カードの交付手続き
▲新規に入国する場合
上陸時に出入国港でパスポートに上陸許可の証印(シール貼付)をすると共に、中長期在留者となった人には在留カードが交付されます。
 制度導入当初は設備の都合上、成田空港、羽田空港、中部空港、関西空港に限定され、その他の出入国港においては、パスポートに上陸許可が証印され、「在留カード後日送付」と記載されます。この場合、市区町村の窓口に住居地の届出をした後に、管轄の地方入国管理局からその住居地に郵送されます。

▲すでに日本に在留している人の場合
①「永住者」以外の中長期在留者
現在の在留期間の満了に伴う「在留期間更新許可」や留学生が就職のためになどに行う「在留資格変更許可」手続きの完了時に、今までのパスポートへの証印に代えて、在留かカードが交付されます。
 16歳未満の人は、在留期間を問わず、16歳の誕生日までに在留カードの交付手続きを行う必要があります。
②永住者について
住居地の管轄の地方入国管理局へ申請を行うことで、「外国人登録証明書」と引き換えに在留カードが交付されます。
16歳以上の人は平成27年7月8日まで、16歳未満の人は平成27年7月8日、または、16歳の誕生日のいずれか早い日までに手続きを行う必要があります。

在留カードの記載事項の変更手続き
▲住所地の変更
住所地の市区町村役場で変更手続きを行います。

▲住所地以外の変更等
①氏名、生年月日、性別、国籍、地域の変更
②永住者・16歳未満の人の「在留カードの有効期間更新申請」
③在留カードの紛失や著しい毀損・汚損の際の「在留カードの再交付申請」
パスポート、写真、在留カードを持参のうえ、住居地を管轄する地方入国管理局で手続きをします。原則として新しい在留カードが即日発行されます。申請取次社による手続きも可能です。

▲就労資格や留学、配偶者としての資格の方の所属期間、配偶者に関する変更
在留カードを持参のうえ、住居地を管轄する地方入国管理局での手続き、または、在留カードの写しを同封のうえで東京入国管理局への郵送による届出が可能です。
次回は、新制度における在留期限と、母国への帰省・海外出張時などに関係する「みなし再入国許可」について解説します。

※1 入管法第2常第5号ロに規定する地域
台湾、ヨルダン西岸地区、ガザ地区。これらは「国」ではないが、地域の権限のある機関が発行したパスポートなどについては、外国政府が発行したものとみなし有効に取り扱うため、在留カードへの記載も「国」と同様に記載するということ。

※2 資格外活動
本来の在留資格の「外」の活動を行うための許可。例えば留学生の本来の資格「内」の活動は「勉学」ではあるが、生活費や学費のための資格「外」であるアルバイトは制限付きで認めるという趣旨。ほとんどの留学生は、大学などが取りまとめて申請取得している。
 
※3 居住資格
「日本人の配偶者等」「永住者」「永住者の配偶者等」「定住者」など、就労のための資格について居住資格と呼ぶことがある。これらは就労に制限がない。


(納税通信3220号 著者:行政書士椋木法務事務所 椋木マキ)




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2012年7月9日施行 改正法対応 在留管理制度入門1

~外国人の人材を有効活用するために~

新制度の概要と、施行日前後の注意点

 日本に在留する外国人について規定する「在留管理制度」ですが、いよいよ今年7月9日に改正法が施行されることとなります。
 この新しい在留管理制度は、日本に在留している外国人自身はもちろん、外国人人材を活用している、また、今度の活用を検討している経営者の皆さまにとっても把握しておくべき重要な知識です。
 ここでは平成24年7月9日以降「何が」「どのように」変わるのかという点を踏まえ、今後の外国人人材の活用の際に役立つように事例に基づいた具体的な解説を行います。

新制度の対象となる「中長期在留者」とは?
 新しい在留管理制度の対象となるのは、中長期在留者に限られます。具体的事例は下記の通りです。(一般的なもののみ抜粋)

①「人文知識・国際業務」や「技術」「技能」「投資・経営」などの就労資格(※1)を持って、企業等に勤務している、事業を行っている人など
②前記①の人の扶養を受ける配偶者や子(在留資格「家族滞在」)
③技能実習生
④日本人と結婚している人(在留資格「日本人の配偶者等(※2)」)、日系人(在留資格「定住者(※3)」「日本人の配偶者等」)
⑤永住者
⑥日本語学校、専門学校、大学等の留学生(在留資格「留学」)や日本で技芸を学ぶ人(在留資格「文化活動」)で、3ヶ月以上の在留期間が決定された人

以上のように、日本で働いている人や、日本人の家族として日本で生活をしているなど長期間日本に在留している人が対象となります。
 日本で就労するために在留していても3ヶ月以下の在留期間が決定された人や、観光目的や出張などで入国した人(在留資格「短期滞在」)などは対象となりません。

新制度 4つのポイント
 新しい在留管理制度の注意すべきポイントは4つです。ここでは大枠を取り上げ、詳細については次回以降で解説します。

①在留カードの交付
現行の「外国人登録証明書」(外国人登録カード)は廃止され、「在留カード」が交付されます。
永住者(16歳以上の人について)は平成27年7月8日まで、その他の在留資格の人は在留期限の満了日までは外国人登録証明書が在留カード同様に取り扱われます。

②在留期間が最長「3年」から「5年」に
主な就労資格や日本人の配偶者等としての資格の在留期間の上限が、最長5年となります。(「興行」「技能実習」は除く)。
また、当初から3ヶ月以内の在留が予定されている就労資格の人の事務手続きを軽減するため、新たに3ヶ月の在留期間が設けられています。この場合は在留カードが交付されず住民登録も不要です。

③1年以内の出国であれば、再入国許可の取得が原則不要に
出国の際に必ず取得しなければならなかった再入国許可が、1年以内の出国であれば原則不用(※4)となります(みなし再入国許可制度)。

④外国人登録制度が廃止され、日本人同様に「住民票」発行
現行の市区町村役場での外国人登録制度は廃止され、情報管理が法務省入国管理局に一元化されます。それに伴い「外国人登録原票記載事項証明書」の発行は廃止となり、日本人同様に住民基本台帳制度に基づいて住民票が発行されます。

 以上の4つのポイントの特徴として、「在留期間が最長5年に「みなし再入国制度の導入」などに代表されるように、日本に適法に中長期間在留される人にとっては、手続に関する負担が緩和される改正がほとんどです。
 しかし、現在市区町村役場などで外国人向けに配布されている新たな在留管理制度についてのチラシの内容では情報が不足しており、外国人同士のコミュニティ内で、「永住者の制度が廃止される」などのネガティブな根拠のないうわさが飛び交っていたり、外国人登録証明書の確認(切替)期限が経過しているのに「どうせ新しいカードが発酵されたら使えなくなるし、7月9日までは切り替える必要はないだろう」などの制度の互角があったりなど、当事者である外国人への周知が不十分で、混乱が見られるというのが現場の実感です。
 
わたしの事務所では、少しでも関係者の理解が深まるように、更新の手続きに来た外国人や、新たに外国人人材を招聘される雇用主などに対し、法務省入国管理局がインターネット上で配布しているPDFファイルのパンフレットをプリントし、解説を加えながらお渡しするといった対応をしています。このサイトでは、日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語の6ヶ国語版がそれぞれ無料でダウンロードできます。
 「外国人人材を雇用している」「技能実習生を受け入れている」といった企業では、前記の法務省入国管理局配布のパンフレットなどを活用し、社内で研修を行うことで無用な混乱は回避できるでしょう。雇用する側もされる側もストレスが少ない、新制度へのスムーズな移行につながります。
 
そして、新しい制度導入にあたり、7月9日以前でも手続きが発生する場合があります。
 前記新制度4つのポイント中の④の外国人登録制度の廃止に伴う住民基本台帳への移行のため、5月上旬に外国人住民向けに、外国人登録の住所地宛てに「仮住民票がそうふされます(市区町村ごとに時期は前後します)。
 市区町村によっては、仮住民票作成のための事前調査の用紙が送付されている場合もあります。仮に、送付に気付かず指定期限までに返信しなかったことで、住民基本台帳への登録が抹消されてしまってもただちに在留資格が取り消されるなどの影響は及びませんが、できるだけ速やかに届出を行う必要があります。このような二度手間が起こらないように、雇用主側からも注意を促すと安心でしょう。
 現行の外国人登録証明書が完全に廃止される平成27年7月8日までは、2種類のカードが流用することとなり、外国人人材の採用の現場での混乱も予想されます。「雇用しても問題がない在留資格か」など、採用の現場でのカードのチェックポイントについては、次回以降詳細に解説します。

※1 就労資格
一般に「就労ビザ」と呼ばれているもの。就労に制限あり。その資格に応じた業務に限定される。

※2 日本人の配偶者等
一般に「結婚ビザ」と呼ばれているもの、配偶者だけではなく外国人配偶者の連れ子なども含まれる。就労に制限がない。

※3 定住者
日系3世や日本人の子を扶養する外国人親、元日本人の配偶者などが含まれる。就労に制限がない。

※4 1年以内の出国であれば原則不要
特別永住者は2年以内の出国は再入国許可が原則不要。

(納税通信3219号 著者:行政書士椋木法務事務所 椋木マキ)



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終身旅行者(PT)とは?!!

 私は2012年6月13日にブログの記事になるものをインターネットで探していたら、その中にある記事で「終身旅行者」ということばを知りました。
昨今、にわかに「終身旅行者」なる言葉が税務の世界でささやかれているそうです。

終身旅行者:Perpetual Traveler (PT)とはどういったものなのでしょうか。

簡単に言えば、ずっと旅行している人はどこの国でも非居住者だという理屈だそうです。

 しかし、このステータスに関する根拠を租税条約の183日ルールに求めているところが、私には疑問です。
183日ルールはあくまでも課税権放棄の規定で、居住者の定義とは関係がありません。

わが国の税法上、終身旅行者の概念は存在しません。
いわゆる「税法が予定していない取引」と言えるかもしれません。

わが国の所得税法は、個人を3種類のステータスに分類しています。
居住者:Permanent Resident (PR)
非永住者:Non-Permanent Resident (NP)
非居住者:Non-Resident (NR)

終身旅行者の目的は全世界で課税を合法的に免れる方法論の構築ですが、少なくとも、人的役務提供を行った場合、非居住者であろうと、国内源泉所得として必ずその国で所得税が課税されるはずです。

 非常に面白い概念ではありますが、使い方を誤ると予測できない課税が生じる恐れがあります。
 「税金がもっと低ければ…」と誰でも一度は思ったことがあるでしょう。

(Permanent Traveler:PT)=終身旅行者になるには、年間500万円の所得と、金融資産1000万円があれば実現可能といわれている。しかし、この条件をもった全員が終身旅行者になれるでしょうか。
特に「日本に何かが起こった際に参考になるライフスタイルの一つになるかも…」という点は、予言のようでもあり興味深いですが。
 
 日本居住者は、タックス・ヘイブン国をいかに利用しても、節税を合法的に実行するのは無理なのです。また、世界のトレンドもこれらタックス・ヘイブンの取り締まりを強化する方向に向かっています。日本でも、1998年4月の金融ビッグバン以来、200万円以上についての送金は金融機関がすべて税務当局に報告しており、無許可で海外へ持ち出し、持ち込みできる金額は、従来の500万円相当額から100万円まで引き下げられました

 2国間、3国間を旅行するスキームも、いよいよPTになった気分の者に対し、プライベートバンク、オフショア金融商品などが紹介されています。
PTは居住国以外の国の不動産は購入しない、目立つ車種、色の車には乗らないといったアドバイスは、スパイ映画『007』を想い起こさせておもしろい。
日本という国の枠から自分を外して、外から日本を観察する可能性を秘めた節税であると思います。
 海外移住に伴う課税関係については、事前に専門家に相談するべきでしょう。
我々の事務所でお手伝いできることがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい


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