税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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申告要件の見直し

2017年税制改正「申告要件の見直し」とは何か?

今回は、2017年(平成29年)の税制改正に盛り込まれた「申告要件の見直し」規定についてです。
まずこの制度のポイントは
・当初申告要件
・適用額の制限   がどのように変わってきたのかということです。

平成23年12月の税制改正前までは、例えば所得拡大促進税制を利用して法人税確定申告で税額控除を受けようとする場合
① 最初の確定申告時に申告していない税額控除などは後から受けることは出来ない。(これを当初申告要件と言います。)
② 例えば、所得拡大促進税制で本来税額控除額は30万まで出来るところ、法人税額上限額10万円しか税額控除が出来なかった。
その後税務調査が入り、法人税が増えた場合修正申告では、当初の確定申告の時に申告控除した金額、すなわち10万円しか控除が受けられません。(これを適用額の制限と言います。)
これは、納税者にとってなかなか納得できない制度でした。

そこで、平成23年12月の税制改正において租税特別措置法(例:研究開発税制など)については、当初申告要件は存続するが、一方で適用額の制限が見直され、控除が受けられる正当額を計算する際の基礎事項が確定申告書に記載された全ての事項から特定の事項に改められ、確定申告書等に特定の事項以外の事項として記載された金額に変動がある場合には修正申告や更正の請求によってその金額を是正し、適用を受ける金額の増加が可能となったのです。
ところが、外国税額控除や研究開発税制等において、控除額を増加させる場合には更正の請求が必要となります。そのため、更正による法人税額の増加に伴って連動して控除上限額が増加しても、税務調査に基づく更正では控除額の増加は認められないことから、調査に基づく更正後に、納税者自らの更正の請求を受けて、再度更正処理を行うという煩雑な手続きが求められていました。
  これも、納税者にとってはなかなか理解できない制度でした。

そこで、平成29年度税制改正では、申告要件が見直され、研究開発税制などのように従前まで当初申告要件が求められていた租税特別措置法について、「納税者が立証すべき事項や当初申告の要否の明確化が図られ、要件を満たす場合には税額控除を変更できる」ことになりました。これにより当初申告要件も撤廃されたことになります。
従って今回の改正では税務署長が増額更正を行う場合において、連動的に控除額を増加させることが出来るようになった。ということです。

具体例としては、例えば法人税額100万出るところ所得拡大促進税制に伴う控除上限額150万あった場合100万円を限度として税額控除しますね。従って法人税納税額は0円。その後所得漏れがあり、追加で法人税額が200万円出た場合、残りの控除額50万を限度として引くことが出来るようになったという事です。

6年かかってやっと「申告要件の見直し」が出来たことになります。税法にはまだまだ納税者にとって不利な規定と言うものも存在します。今後ともそのような情報を提供して行きます。

                            

          参照:国税庁HP
             日本法令  「H29年度税制改正と実務の徹底対策」


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| 税制改正 | 10:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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平成29年度税制改正で災害に関する措置が常設化

   熊本地震被災者救済のため平成28年に遡って適用されることに!

 平成29年度税制改正では、自然災害に対する税制上の措置が随所に見受けられます。これは近年災害が頻発していることを踏まえ、災害減免法に加え、これまでは災害ごとに特別立法により手当てをしてきた対応を常設化し災害対応の税制基盤を整備するものとなっています。また、2016(平成28)年4月に発生した熊本地震を受けて昨年に遡って適用されるものとなっています。
 今回はその中で、特に法人税について常設された措置をご紹介します。

(1) 災害損失の繰り戻しによる法人税額及び地方法人税額の還付
1. 制度の概要
 災害のあった日から同日以後1年を経過する日までの間に終了する各事業年度又は災害のあった日から同日以後6月を経過する日までの間に終了する中間期間(以下「災害欠損事業年度」という。)において生じた災害欠損金額がある場合には、その災害欠損事業年度開始の日前1年青色申告者である場合には、前2年)以内に開始した事業年度(以下「還付所得事業年度」という。)の法人税額のうち災害損失欠損金額に対応する部分の金額について、還付できることとされました。
 また、災害損失の繰戻しによる法人税額の還付が行われる場合には、地方法人税の還付金に相当する金額として、法人税の還付金額の4.4%に相当する金額が併せて還付されることとされました。

2. 災害の範囲
 震災、風水害、火災その他自然現象の異変による災害、人為による異常な災害及び生物による異常な災害をいいます。

3. 災害損失欠損金額
 災害損失欠損金とは、災害欠損事業年度において生じた欠損金額のうち、災害損失金額に達するまでの金額をいいます。

3.法人税の還付金額
 法人税の還付金額は還付事業年度の法人税額に、還付所得事業年度の所得金額に対する災害欠損事業年度の災害損失欠損金額(※)の割合を乗じた金額となります。
    ※還付所得事業年度の所得金額を限度とします

4. 適用時期
 2017(平成29)年4月1日から施工されますので、2017(平成29)年4月1日以後に確定申告書の提出を行う法人については、この制度の適用を受けることができます。
 なお、この制度は適用開始前の2017(平成29)年3月31日以前1年以内に終了した事業年度分の法人税の確定申告書を同年3月31日までに提出した法人については、同年5月1日までに還付請求書の提出を行うことによりこの制度が受けられることとされていました。

5. 還付請求書の提出に当たっての注意点
 ① 青色申告書を提出する法人以外の法人や、資本金が1億円を超える法人についてもこの制度の適用を受けることができます。
 ② この制度の適用を受けるためには、次の要件を満たしていることが必要です。
 イ. 還付所得事業年度から災害欠損事業年度の前事業年度まで継続して確定申告書を提出していること。
 ロ. 所定の事項を記載した還付請求書を災害欠損事業年度の確定申告書又は仮決算による中間申告書の提出と同時に   納税地の所轄税務署長に提出すること
 ③ 前事業年度の税額が10万円以下で法人税の中間申告を要しない場合でも、この制度による仮決算の中間申告が可能です。
 
(2)仮決算の中間申告による所得税額の還付
1. 制度の概要
 災害のあった日から同日以後6月を経過する日までの間に終了する中間期間において生じた災害損失金額がある場合には、仮決算の中間申告において、その中間申告において課される所得税額(復興特別所得税額を含む。)でその中間期間の法人税額から控除しきれなかった金額(災害損失金額を限度)を還付することとされました。

2.適用時期
 2017(平成29)年4月1日から施工されますので、2017(平成29)年4月1日以後に仮決算による中間申告書の提出を行う法人については、この制度の適用を受けることができます。

(3)その他
1.特定非常災害発生日から同日の翌日以後5年を経過する日までの期間内に、被災代替資産等の取得等をして事業の用に供した場合には、特別償却をすることができることとされました。

2.収用等又は特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例については、特定非常災害(※)に起因するやむを得ない事情により指定期間内に代替資産の取得が困難となった場合には、一定の要件の下にその期間を2年以内の範囲で延長することができることとされました。
 ※特定非常災害とは、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第2条第1項の規定により特定非常災害として指定された非常災害をいい、東日本大震災後の災害では2016年の熊本地震が該当します。 
                                            参考資料  国税庁ホームページ


| 税制改正 | 09:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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法人設立届出書等について手続きが簡略化されました

平成29年度税制改正により4月1日より実施

 平成29年度税制改正において、国税における手続きの簡略化が図られることとなり、ました。これにより、法人設立の際の添付する「登記事項証明書」の添付の省略及び異動届出書等の提出先のワンストップ化が図られることとなりました。

(1)登記事項証明書の添付の省略
1.概要
 法人の設立の際、設立後2月以内に以下の書類を添付して所轄税務署に設立届を提出しなければなりませんでした。
① 定款等の写し
② 登記事項証明書
③ 株主名簿
④ 設立趣意書
⑤ 設立時の貸借対照表
⑥ 合併等により設立されたときは被合併法人等の名称及び納税地を記載した書類(合併契約書の写し、分割計画書の写しなど)
 このうち、②の登記事項証明書の添付が不要とされました。

2. 対象となる届出書
 今回の改正は企業が活動しやすいビジネス環境整備を図る観点から、①法人の設立・解散・廃止などの届出書等において添付が必要とされていた「登記事項証明書」、②税務署からの求めにより添付していた「登記事項証明書」について、2017(平成29)年4月1日以後下記書類等への添付が不要となりました。
① 法人設立届出書
② 外国普通法人となった旨の届出書
③ 収益事業開始届出書
④ 普通法人又は協同組合等となった旨の届出書
⑤ 税務署から要求があった場合の営業等承継申告書

(2)異動届出書等の提出先のワンストップ化
1.概要
 納税者の円滑・適正な納税のための環境整備を図る観点から、移動前と移動後の双方の所轄税務署に提出が必要とされていた異動届出書等については、2017(平成29)年4月1日以後の納税地の異動等により、対象となる届出書等の提出する場合,異動後の所轄税務署への提出が不要となりました。
 なお、e-Taxにより提出をする場合には、異動後の所轄税務署を選択する「追加提出先税務署」欄への入力は不要となります。

2.対象となる異動届出書等
 ① 個人の納税者の場合
イ. 所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書
ロ. 所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書
ハ. 個人事業の開業・廃業等の届出書
ニ. 給与支払事務所等の移転届出書
 ② 法人の納税者の場合
イ. 異動届出書
ロ. 消費税異動届出書
 ※連結子法人に係る異動届出書については、連結子法人の異動後の届出書のみ提出不要で、連結親法人の納税地及び連結子法人の移動前の所轄税務署への提出となります
 
(3)地方税の取り扱い
 今回の税制改正の対象とされているのは、あくまでも国税のみです。従って、都道府県民税及び市町村民税は対象となっていませんので、設立の際に「登記事項証明書」の添付は必要ですし、異動届等についても移動前と異動後の都道府県税事務所及び市役所等への提出が必要となります。
 国と地方公共団体での取扱いが統一されていない項目に該当しますので、注意が必要です。

      参考資料  国税庁ホームページ
            東京都主税局ホームページ  
          

| 税制改正 | 13:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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申告期限が決算日後、最大6か月まで延長されます

4か月を超えない期間で申告期限の延長が可能

 平成29年度税制改正において、株主総会期日を分散化を促進し、企業と株主・投資家との充実した対話を促すため、申告期限について決算日後6ヵ月以内を限度に最大4か月間の延長が認められることとなりました。

1.改正の趣旨
 会社法上、株主総会は毎事業年度終了後一定の時期に招集することが定められており、議決権行使の基準日を定めた場合、その基準日から3か月以内に株主総会を開催しなければなりません。現在の企業実務ではその基準日を決算日と一致させているため、例えば3月決算の法人については6月末までに申告書を提出しなければなりませんでした。
 しかしながら、会社法上は必ずしも基準日を決算日とすることは要求しておらず、基準日を決算日と異なる日とすることが可能なのです。従って、企業が個々の事情に応じて柔軟な総会の日を定める事が本来会社法上は可能であり、3月決算法人についても基準日を6月末に定めれば、株主総会の日を9月末とすることができるのです。

2.改正前の申告期限の延長
 法人税法上は、原則決算日から2月以内に決算を確定させ申告書を提出しなければなりませんが、基準日から3か月以内に開催される株主総会を考慮して以下の条件の上で1か月の延長が認められていました。
① 定款において事業年度終了の日から3月以内に株主総会を開催する旨を定めている
  事
② 事業年度終了の日までに申告期限の延長の特例の申請をしている事

3.申告期限延長の改正の概要
 法人が会計監査人を置いている場合で、かつ、定款等の定めにより各事業年度終了の日の翌日から3月以内に決算についての定時総会が招集されない状況にあると認められる場合には、4月を超えない範囲内において税務署長が指定する月数の期間の確定申告期限の延長を認めるというものです。

4.税務署長が指定する月数の具体例(3月決算法人の定款を例とします)
①定款:当会社の定期株主総会は、毎年7月にこれを招集する
     ⇒申告期限7月末→2か月延長
②定款:当会社の定時株主総会の議決権の基準日は毎年5月31日とする
   定時株主総会は議決権の基準日から3月以内に招集する
     ⇒申告期限は定時株主総会の期日に応じて申告期限7月末(又は8月末)
                 →2か月(又は3か月)延長
      ※定款の写しの他に定時総会の招集月が確認できる書類の添付が必要です
③定款:当会社の定時株主総会の議決権の基準日は毎年6月30日とする
    (定時総会の召集時期の定めがない)
     ⇒申告期限は定時株主総会の期日に応じて申告期限7月末
       (又は8月末若しくは9月末)→2か月(又は3か月若しくは4か月)延長
      ※定款の写しの他に定時総会の招集月が確認できる書類の添付が必要です

5.消費税の申告期限
 今回の改正については、法人税と法人事業税についての延長の規定が定められていますが、消費税の申告期限については、従来通り延長は認められていませんので、原則である2か月以内に申告をしなけらばなりません。
 なお、道府県民税と市町村民税は法人税と同様に申告期限の延長の対象となります。

6.法人税の納付期限
 法人税の納付期限については、消費税と同様に延長は認められていませんので、2か月以内に納税をする必要があり、申告期限延長により納税が遅れた場合には利子税・延滞金が課されることとなります。

7.申請書の提出期限
 申請書に定款の写しと所定の書類を添付して、特例の適用を受ける事業年度終了の日(連結事業年度について申請する場合には、連結事業年度終了の日から45日以内)に納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。

8.摘要開始
 2017(平成29)年4月1日より施行となっていますので、同日より申請が可能です。

 この改正により、企業の実情に応じて自由に株主総会の招集が可能となりますし、6月に集中していた株主総会が分散化されれば、企業と株主・投資家との充実した対話を促すことが期待されます。



         参考資料  平成29年度 税制改正大綱
                平成29年度 経済産業関係 税制改正について
                  (経済産業省)
                法人税の申告期限延長の特例の適用を受けるに
               当たっての留意点
                   (経済産業省経済産業政策局企業会計室)

| 税制改正 | 19:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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企業版ふるさと納税

やっと動き出した「企業版ふるさと納税」

 平成28年度税制改正の目玉であった「企業版ふるさと納税」がやっと動きだしてきた。
個人版ふるさと納税では寄付の返礼品の豪華さがあらそわれたが、企業版ではまず、内閣府が地方創生につながると認可した自治体の事業が対象になる。従って全国全ての自治体が対象になるわけではない。
そして、その第1回目の申請受け付けが6月末に締め切られ、その発表が8月2日に行われたのである。今回、全体では6県81市町村が内閣府へ申請して102の事業が寄付の対象事業と認定されたという。
認定は今回が初めてで、それぞれの事業にいくらかかるかが確定した段階で寄付を募る。そこで法人が認定された自治体に寄付をした場合、従前の損金経理に伴う寄付金控除の他、別途税額控除が出来、企業の税負担が軽くなる制度である。
認定された102の事業の内訳は、「働く場づくり事業が74」「移住関連が12」「まちづくりが10」「働き方改革が6」であり、全体の事業費は現時点で323億円が見込まれているという。さらに内閣府は、11月と来年3月にも引き続き認定を出して行く方針だ。

具体的な内容としては、
青色申告法人であること。
② 企業が寄付しやすいように税負担の軽減効果を現行の「損金算入による軽減効果・・約30%」に加え「税額控除・・30%」と2倍にしている。100万円寄付すると法人関係税において約60万円の税軽減効果があらわれることとしている。
③ 寄付金額の下限は10万円からとし、少額寄付にも対応させることとした。
自社の本社が所在する地方公共団体への寄付は対象にはならない
⑤ 地方交付税の不交付団体であり、その全域が地方拠点強化税制の支援対象外地域とされている市町村として、  
 東京都
 東京都23特別区・立川市・武蔵野市・三鷹市・府中市・調布市・小金井市・国分寺市・多摩市・羽村市・瑞穂市
 埼玉県戸田市・三芳町
 千葉県市川市・浦安市
 神奈川県鎌倉市・藤沢市・厚木市・寒川町  などである。

⑥ 寄付企業に対する地方公共団体の行為の制限
地方公共団体は、寄付を行う企業に対し、寄付の代償として経済的利益を与える次のような行為を禁止している。
・寄付額の一部を補助金として供与する事。
・入札や許認可で便宜を図ること。
・有利な利率で融資する事。    

「企業版ふるさと納税制度」はまだ始まったばかりである。
今後の動向を見ないと個人版のように定着して行くかまだ不透明である。制度普及のためには、企業にとってのメリットを更に分かり易い形で発信して行くことが必要となろう。



            参考資料: 内閣府HP
                  2016.8.3付 日本経済新聞 朝刊

| 税制改正 | 10:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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