税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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平成26年の改正入管法をみる!

平成26年の改正入管法をみる!

 平成26(2014)年の通常国会で、‘出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律’(平成26年法律第74号)が可決・成立し、平成26年6月18日に公布されました。
この改正法は、経済のグローバル化の中で、我が国の経済の発展に寄与する外国人の受け入れを促進するため、高度の専門的な能力を有する外国人に係る在留資格を設ける等の在留資格の整備を行うほか、上陸審査の手続きの一層の円滑化のための措置を講ずるとしています。
大きく2つの改正点のポイントがあります。

(1)在留資格の整備 
①高度人材のための新たな在留資格‘高度専門職’(高度専門職1号)を創設。
  平成27(2015)年4月1日施行。
  では‘高度専門職1号’とは、何なのか。
  各種の出入国管理上の優遇措置を実施している高度人材の方を対象とするものです。
  また‘高度専門職第2号’も創設。
  では‘高度専門職2号’とは、何なのか。
  ‘高度専門職’(高度専門職1号)をもって一定期間在留した方を対象とした、活動制限を大幅に緩和した在留期間が無期限の在留資格です。
なお、改正法の施行時点において現行の‘特定活動(高度人材)’の在留資格を有している場合には、引き続き、従前の在留期間の満了日まで、‘特定活動’の在留資格をもって、従前と同じ範囲の活動を行うことができる。また、このような方については、一定の基準*を満たせば、‘高度専門職1号’の在留資格を経ることなく、直接、‘高度専門職第2号’の在留資格への変更許可申請をすることができる。
 *特定活動(高度人材)で3年以上在留していること。

②在留資格‘投資・経営’が‘経営・管理’へ。
平成27(2015)年4月1日施行。
日本国内企業において事業の経営・管理活動を行う外国人を広く迎え入れることができるように、現行の‘投資・経営’から‘経営・管理’に名称を改め、これまでの外国資本との結びつきの要件をなくした。
これにより、国内資本企業の経営・管理を行うことも同在留資格によってできるようになる。

 ③在留資格‘技術’と人文知識・国際業務を一本化。
平成27(2015)年4月1日施行。
専門的・技術的分野における外国人の受け入れに関する企業等のニーズに柔軟に対応するため、業務に必要な知識の区分(理系・文系)に基づく、‘技術’と‘人文知識・国際業務’の区分をなくし、包括的な在留資格‘技術・人文知識・国際業務’へと一本化する。

 ④在留資格‘留学’が付与される方の範囲を中学生・小学生まで。
いままでは高校生以上であったものを学校教育の場における、低年齢からの国際交流促進に資するため、中学生・小学生の留学生にも在留資格‘留学’が付与される。

(2)上陸審査の円滑化に向けた手続きの新設
 ①クルーズ船の外国人旅客に係る入国審査手続きについて、円滑化を図る。
平成27(2015)年1月1日施行。
法務大臣が指定するクルーズ船の外国人乗客を対象として、簡易な手続きで上陸を認める‘船舶観光上陸許可’制度を設立。30日を限度として許可される。
また、航空機で入国し‘短期滞在’の在留資格を与えられた外国人が、我が国から他国に渡って我が国に戻る航路のクルーズ船に乗り、一定期間内に当該クルーズ船で再入国する場合(フライ・アンド・クルーズ)には、原則として再入国許可を要しないものとする。

 ②信頼できる渡航者について、出入国手続きの円滑化を図る。
公布の日から2年6カ月以内に施行(施行日は政令で定める)。
自動化ゲートを利用できる対象者の範囲を、頻繁に来日し、我が国に短期間滞在する外国人のうち、事前に指紋等の個人識別情報を提供して審査を受け、出入国管理上、問題を生じるおそれが少ないと認められて登録したものに拡大し、その外国人の上陸許可の証印を省略できるようにするとともに、上陸許可の認証に代わる上陸許可の証明手段(特定登録者カード)を設ける。

(参考:法務省 入国管理局ホームページ)

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外国人(中国人)が日本投資、営業活動を行う時に注意する法務(VISA・登記)と税務 その8

(1)常に問題となる寄付金課税

 パナソニック、ダイエーと大手企業が相次いで国税当局から更正処分を受けていたことが分かった。両者とも更正処分の内容は、子会社との取引が寄付金認定されたというもの。子会社を持つ中小企業も多いことから、子会社に対する援助などが寄付金にならないかどうか頭を悩ませる経営者は多い。
実例から見えてきたその境界線とは。

 家電大手のパナソニックは、2009年3月期までの5年間で合計220億円の申告漏れがあると大阪国税局から指摘された。うち7億円は、業績が悪化する中国子会社との取引で、自社製品の販売価格を引き下げて販売を行ったもの。この値引きには合理的な理由がなく、値引きを装って意図的に財政支援したものを見なされ、通常の価格との差額が「寄付金」とされた。

 一方、スーパー大手ダイエーでは、産業再生機構が策定した事業再生計画に基づき、債務超過に陥っていた不動産賃貸業者の連結子会社9社を整理・統合することになった。統合前に債務超過状態を解消しようと、子会社9社に対して保有する債権約270億円を放棄。その際、放棄分は税務上の経費となる貸倒損失として計上した。
 だが、債権放棄後に整理・統合の計画を変更、結局、新たに子会社2社を加えた合計11社をダイエー本体が吸収合併した。

 大阪国税局は、9社による合併という計画から変更になったことにより、この債権放棄は再生計画に基づいたものだとはいえず、債権放棄は貸倒損失として認められないと指摘。債権放棄した約270億円の大半は実質的に子会社9社を支援するための「寄付金」と判断され、修正申告となった。

 両社とも事実関係について争わず、すでに修正申告を済ませたとみられる。
業績が悪化しているグループ会社に対し、さまざまな形で支援を行う例は多い。またグループの再編などにより、子会社の債権を放棄するようなことも多々ある。
 できればその取引は課税対象となる寄付金扱いにはしたくないところだが、判断を誤り、調査の際に寄付金と指摘される例は多いようだ。

 寄付金については、裁判において「名義のいかんや業務の関連性の有無を問わず、法人が贈与または無償で供与した資産または経済的利益、換言すれば、法人が直接的な対価をともなわないでした支出を広く指称するものと解すべき」(1982年9月30日広島高裁松江支部昭56(行コ)1)と定義されている。
 ダイエーの例にあるように、子会社の債権を放棄することで子会社支援を行うケースについては、基通9-4-2において「法人がその子会社等に対して金銭の無償もしくは通常の利率での貸し付けまたは債権放棄等した場合」は寄付金に算入されると定められている。


 だが、同時に「業績不振の子会社等の倒産を防止するためにやむを得ず行われるもので、合理的な再建計画に基づくものである等その無利息貸し付け等をしたことについて相当な理由があると認められるとき」は寄付金の額として算入されないと定義している。

 この「合理的な再建計画」とは同条の注により、「合理的な再建計画かどうかについては、支援額の合理性、支援者による再建管理の有無、支援者の範囲の相当性および支援割合の合理性等について個々の事例に応じ、総合的に判断」するとされ、たとえとして「利害の対立する複数の支援者の合意により策定されたものと認めたれる再建計画」と規定されている。
 ダイエーの例では、当初の計画通りに子会社の再建を行っていれば寄付金ではないとされたであろうものを、計画を変更してしまったことが問題視されたことになる。
 ここでひとつ参考になる実例として、国税不服審判所において債権放棄が合理的な判断に基づき行われたと認められた例がある。
 法人Aは特約店の廃業などにともない、廃業資金、経営改善資金として支援する目的で売掛金の減額を行った。税務当局は「これは経済的利益の無償の供与である」とし、減額分を寄付金として更正処分を行った。
 しかし、法人Aは「売掛金の減額処理は、将来の損失を少なくするためのやむを得ない事情に基づき処理したもの。経済的利益の無償供与ではない」と主張。やむを得ない事情として

① 特約店の統廃合が必要なこと
② 支援は経営改善策の一方策として役員会で決定されその議事録も存在すること
③ 特約店の事業を継続しても、赤字の累積、請求人の売掛債権の焦げ付きが予想されるとこ
④ 売掛金の減額処理は、特約店ごとに個々に算出されたものであること
⑤ 支援の方法として売掛金を減額したものであり、実質的には債権の放棄であること

などがあげられた。審判所は「支援したことは事業遂行上、真にやむを得ない費用であり、客観的にみて経済的合理性を有し、社会通念上も妥当視される処理と認められる。また、債権放棄しなければ、今後より大きな損汁を被ることが予想され、債権放棄したことによって、請求人にメリットがあると判断できる」として売掛金から減額した分は、寄付金には該当しないとした(1999年6月30日裁決)。
 パナソニックの例のように、通常より引く価額で資産を譲渡した場合も時価との差額分が寄付金になるとされている(法人税法37条の8)
 審判所において、値引きについて判断した以下のような例がある。
法人Bは、各事業年度末等に親会社に対して売上値引や単価変更による売り上げの減算を行い、これを通常の取引として主張した。だが、審判所は、両社間の合意に基づき行われたものではあるものの

① 各事業年度の子会社の見込利益額に基づいて値引額等を指示していること
② 特定の子会社のみに支持をしていることなどから、合理的な原価計算に基づくものとはいえない

と裁決したというもの(2008年6月30日裁決)。
 これは認められなかった例だが、裏を返せば通常より低い価額であっても合理的な計算によるものならば、認められることになる。
 今年の税務調査は「グループ法人間の取引に厳しい目が向けられる」との指摘もある。それだけに、税理士の間では「通達や判例と照らし合わせることが重要。対価性があるかどうかよくチェックし、寄付金になりそうなときはあらかじめ指摘するようにしている」という。「バレたらそこまで」と最初から意図的な利益付け替えに走るのならばいざ知らず、調査にあっても問題がないようにするためには、否認された例、否認されなかった例を丁寧にみていくことが必要だ。


参考文献

1.『税務通信』 第3135号 
2.2010年8月23日号
3.発行 エヌピー通信社
「当局 子会社取引厳しくチェック」記事より抜粋

寄付金図




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外国人(中国人)が日本投資、営業活動を行う時に注意する法務(VISA・登記)と税務 その7

源泉所得税

【国内源泉所得の種類と源泉徴収税率】
非居住者や外国法人の所得については、日本国内に源泉のある所得(国内源泉所得が)所得税の対象となり、そのうち、一定のものについて源泉徴収の対象となります。したがって、外国法人等に対して、国内において源泉徴収の対象となる所得の支払いをする者は、所得税を源泉徴収して、原則として、徴収した月の翌月10日までに国に納付しなければなりません (所法161、212)
源泉1
【クリックして拡大表示】

【使用料等の支払いに係る源泉徴収】
【1】の⑧の使用料等に街頭する場合には、源泉徴収が必要となります。ここで使用料等とは、国内において事業を行う者が、非居住者や外国法人に支払う次表に掲げる使用料又は対価で、その支払者の国内における業務に係るものをいいます。

源泉2
【クリックして拡大表示】

なお租税条約により、税率が軽減又は免除されていたり、所得源泉地の決め方が債務者主義(使用料の支払者の居住地国を所得源泉地とする定め方)となっているため、工業所有権等の使用が日本国内の業務に係るものではない場合でも日本で課税される場合があるので注意が必要です。




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外国人(中国人)が日本投資、営業活動を行う時に注意する法務(VISA・登記)と税務 その6

消費税および地方消費税

消費税は、金融取引、資本取引、医療、福祉、教育の一部を除きすべての国内取引および輸入取引を課税対象として、5%の税率費税1%を含む)で課される付加価値税である。

課税対象取引


(1)国内取引
国内において事業者(法人・事業を行う個人)が、対価を得て行う資産の譲渡、貸し付けおよび役務の提供。


(2)輸入取引
保税地域から引き取られる外国貨物に対して、消費税が課される。


非課税取引

a)土地の譲渡および貸し付け
b)有価証券の譲渡ならびに外国為替および支払い手段の譲渡
c)利子を対価とする貸し付け等
d)郵便切手・印紙・物品切手の譲渡
e)外国為替業務および両替業務
f)一定の医療および杜会福祉事業における資産の譲渡等
g)学校の授業料・入学金等
h)住宅の貸し付け


輸出免税

事業者が輸出取引や国際通信・国際運輸等のいわゆる輸出類似取引を行う場合には、消費税が免除される。


納税義務者

国内取引についての納税義務者は、課税資産の譲渡等を行った個人事業者および法人(非居住者・外国法人を含む)とされており、輸入取引については、課税貨物を保税地域から引き取る者(消費者たる個人を含む)とされている。


消費税率

 一般に消費税率は『5%』と認識されていますが、厳密に言うと消費税は『4%』です。
この他に、地方消費税が『1%』加算され、消費税等の負担額が『5%』になるのです。

消費税



参考資料として今回の記事の中国語での原稿を追記にて掲載します。


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外国人(中国人)が日本投資、営業活動を行う時に注意する法務(VISA・登記)と税務 その5

法人課税

日本法人の設立と日本支店の開設
法人課税


1.法人税

(1)内国法人の所得金額に対する税率
  各事業年度の所得金額に対する税率(法66、措法42の3の2、62、68の8)
法人税2
法人税

法人税1

(3)法人税の申告納付
a)中間申告および納付
事業年度が6カ月を超える法人は、一定の要件に該当するものを除き事業年度の最初の6カ月の期間についての中間申告書を6カ月の期間の終了後2カ月以内に税務署に提出し、法人税の納付を行わなければならない。中間申告書の納付金額は、以下の二つの方法のうちいずれかの方法を選択できる。

法人税2

b)確定申告および納付
法人は事業年度の終了の日から原則として2カ月以内に確定申告書を税務署に提出し、最終税額を納付しなければならない。
会計監査その他やむを得ない理由により決算が確定しない場合は、申告期間の延長の特例の申請書を事業年度末までに提出し、税務署長の承認を得て、確定申告書の提出期限を1カ月間あるいはそれ以上の期間延長することができる。



(4)タックスヘイブン対策税制
法人税負担割合が25%以下である外国会社の株式の50%超を日本法人または日本居住者が直接・間接に所有している場合、当該外国会社の株式の5%以上を所有している日本法人は、当該外国会社の留保金額のうち、出資持ち分に対応する金額を益金の額に合算する。
しかしながら、軽課税国において固定的施設を有し、事業の管理運営が行われていること等一定の要件を充足する場合、タックスヘイブン対策税制は適用されない。


(5)移転価格税制
法人が国外関連者との間で商品の販売あるいは購入、役務の提供またはその他の取引を行い、その対価が独立企業間価格と異なることにより、日本における課税所得が少なくなる場合には、当該国外関連取引は独立企業間価格で行われたものとみなされる。独立企業間価格を算定する方法には、独立価格比準法、再販売価格基準法、原価基準法および利益スプリット法、取引単位営業利益法を含むその他の方法がある。
国外関連者とは、直接または間接に50%以上の出資割合を有する親子会社や兄弟会社の関係、または資金、取引関係等により他方の事業方針を実質的に決定し得るような関係等特殊の関係を有する外国法人を言う。なお、国外関連者に対する寄付金は、全額損金不算入となる。


参考資料として今回の記事の中国語での原稿を追記にて掲載します。


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