税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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2019年にも電子申告義務化へ

2019年にも電子申告義務化へ

 2017年(平成29年)4月20日付け日本経済新聞朝刊によると、財務省と国税庁は企業が法人税と消費税の税務申告をする際、インターネットを使った電子申告(e―Tax)の義務化をする方針で検討に入っているという記事が出ていました。
早ければ2019年(平成31年)度から始められるよう、財務省などが6月までに具体案を詰め、2018年度税制改正大綱に盛り込むことを目指す。との内容です。
ところで現在のe-TAX利用の利用状況はどうなっているのだろうか?

2016年8月付け国税庁HPでは、「平成27年度における e-TAXの利用状況等について」という報告書が出ている。これによるとe-TAX利用率として個人申告所得税割合が52.1%。個人消費税申告割合は58.8%である。
また法人税申告割合は75.4%。法人消費税申告割合は73.4%である。

それではまず、個人の電子申告割合が52.%弱の理由はどういう事なのであろうか。
1.税務署へ申告相談をしながらその場で申告する人が多い。
2.そもそも税理士の関与割合が少ないため、電子申告をしない。
3.確定申告間際になって、税務署へ申告に来る人がかなりいるため紙での申告者が多い。
4.電子申告を難しく考えている人がまだまだ多い。
5.確定申告者の約50%は、医療費控除の還付あるいは、住宅を取得した人々の還付申告である、このような人達は還付金額が早く戻る電子申告を利用しており、逆に普及率が52%までに増えているのではないだろうか。

次に、法人企業の電子申告が75%と多いのは、法人の場合税務申告書作成が複雑なため、顧問税理士に依頼している法人が多い事である。2015年度の法人税申告法人は192万社あり、その内99.9%が中小零細法人である。資本金1億円以上の大企業は約1万社あるが、このクラスの資本金階層でのe-TAX利用率は52%にとどまっている。
この理由としては、大企業では独自の会計及び税務システムを利用している為、データの変換に時間とコストがかかること。
インターネット環境では独自のファイヤーオールを敷いている為、外部とのネットの接続に関しては、いちいちネット管理者の許可を必要とするなど手間がかかるなどが原因のようだ。
大企業の税務申告書を見たことがあるが、申告書の税務計算が複雑なため、別表1は手書きで書かれており、その他の別表もエクセルシートにて作成しそれで計算をしていた。さらに親会社がこのような状況だと、子会社及び孫会社の税務申告書も同様の恐れがあり、e-TAX利用の伸び悩みの原因にもなっている。
これまで国では、任意利用であったe-TAXを義務化することで、一気に行政事務の効率化を図りたい計画だ。
ただし危惧もある。電子化が遅れている地方公共団体の対応である。
2017年1月28日~31日において地方公共団体へ顧問先の企業の源泉徴収票等を送ろうとしたところ、電子申告利用者が集中したことにより、全国的に地方公共団体のサーバーがパンクし、遅れない状態が数日続いたことがあった。
このような状況が出ないよう、今後は、官民合わせて電子申告の普及に取り組んで欲しいものである。
                参考資料:日本経済新聞2117年4月20日朝刊
                     国税庁HP
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| 納税環境整備 | 18:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「質問応答記録書」から考える納税者の権利 第4回

第4回

(エヌピー通信社『納税通信』2011年7月27日に掲載した記事ですが、前回4月7日ブログの記事の補足として掲載致します。
国税当局による税務調査時の「聴取書」ですが、最近、共産党の議員が追及していたことが、議事録でわかりました。

2012年3月28日の参院財政金融委員会
日本共産党の大門実紀史議員

税務署が一般の税務調査時に納税者を誘導して「すみません。反省しています」などの念書を書かせた上で、悪質な脱税だけに課されるはずの重加算税や7年もの遡及課税を乱発している事例がある。
岩手県一関市の養鶏業者Aさんは、初めての税務調査で、重加算税と7年分の追徴を課された。
Aさんは税務署から「申述書」を書けば「税金が減額される」と言われ、「経費を過大に見積もった」と謝罪文を提出させられたが、多額の追徴を強いられた。これについては私と一関民主商工会の働きかけによって税務署側に誤りを認めさせ課税額も大幅に減額させた。
私は、Aさんへの謝罪を税務署側に求めるとともに、人権無視のやり方をやめるよう求めたい。

安住淳財務相の答弁
「事実であれば、聴取の仕方を十分検証し、(強権的なやり方は)改めるべきだ」

大門議員の追加質問の要旨
徴税に対して不服申し立てや訴訟が起こされた場合に備えて税務署が作成した「聴取書」に「法的根拠はない」と指摘。「税務調査は事実や証拠にもとづいて行い、重加算税の乱発が横行しないよう国税庁を指導すべきだ」と要求。

安住大臣の答弁要旨
「十分な証拠を持って対応させるよう努力する」

「聴取書なる文書」の違法性

法人税第153条から157条に規定及び消費税62条(現行、通則法第74条の2から6))に規定する質問検査権(法人税・消費税)の調査の「聴取書なる文書」の違法性 

最近の国税調査で目に余る行為が気になる。資料調査課の料調調査及び一般調査の実例をもとに我々税理士が、見過ごして課税庁に従っている事例があり、特に国税通法第68条の重加算税の心証形成の証拠となり納税者に損害を与えてないか心配である。
(1)事例その1・・・・・・2006年10月18日

 豊島税務署法人部門○○上席及び○○調査官(以下「本件調査官ら」という。)は、有限会社○○○○(以下「本件納税者」という。)の法人税・消費税調査(以下「本件一般調査」という。)において国税犯則法第10条(以下「国犯法」という。)の質問検査、国税徴収法第141条の質問検査(以下「強制力ある質問検査」という。)の法的手法を本件一般調査に拡大解釈し「聴取書なる文書」(以下「本件文書」という。)を作成するため本件納税者を誘導させ本件文書に署名押印をさせようとした事実(以下「本件事実」という。)また調査官が他の納税者に対しても本件事実を継続して本件文書を作らせ課税庁に有利な証拠とする行為(以下「組織的違法行為」という。)は、法人税第153条から157条に規定及び消費税62条に規定する本件一般調査に国犯法や国税徴収法の強制力ある質問検査の手法を使用していたことは、断じて許されない。
 本件一般調査に法人所有金庫に検査を行い個人関係の資料(印鑑及び通帳)の印影及び通帳の検査も本件一般調査の限度を超えている。すみやかに謝罪および当該証拠物の返還を求める。
 国家公務員による組織的違法行為は、それに起因して損害が発生している。これについては充分調査して、国家賠償法による民事訴訟事件として国を相手に損害賠償を求めることも検討中である。
本件納税者の無知を悪用した卑劣な行為は、本件調査官らの責任追及は、課税庁側で充分検討願いたい。
                   
次号に続く


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マイナンバー制度に伴い住基カード廃止

住基カードの有効期限内でも個人番号カードへの切り替えが必要な場合も!

 2003(平成15)年8月から有効期間10年で交付が始まった住民基本台帳カード(以下「住基カード」という。)は、2016(平成28)年1月からマイナンバー制度に基づく個人番号カードの交付が開始されることにより、今年の12月以降交付されないことになりました。現在手元にある住基カードは表記された有効期限日まで利用可能です。
しかし、住基カードに格納される電子証明書(公的認証サービス)でe-Taxを利用している人は注意が必要です。

1.住基カードに格納されている電子証明書の有効期限の確認
 住基カードの有効期間が10年であるのに対して、電子証明書の有効期間は3年と短いので、住基カードに記載されている有効期限とは異なります。有効期限がいつまでかを知るためには「公的個人認証サービスポータルサイト」から「利用者クライアントソフト」をダウンロードして「自分の証明書」から確認が可能です。
 なお、電子証明書の有効期限内であれば、有効期限の切れた住基カードであっても電子証明書は使用できます。

2.住基カードへの電子証明書の発行及び更新は12月22日まで
 2016(平成28)年から発行される個人番号カードは電子証明書が標準搭載(希望者には失効可能)されており、有効期間は5年(5回目の誕生日まで)と住基カードよりも長くなっています。
 住基カードによる電子証明書の発行及び更新は今年の12月22日までとなっています。年内及び年明け早々に電子証明書を利用する場合には、有効期限を確認して必要があれば、12月22日までに所定の手続きをしなければなりません。

3.ICカードリーダライタの確認
 住基カードに格納された電子証明書を読み込む際に使用しているICカードリーダライタ(以下「カードリーダー」という。)が個人番号カードでも引き続き使用できるのかが気になります。個人番号カードの場合には全国市町村において利用できるカードリーダーは全国で同一です。しかし、住基カードは電子証明書を発行手続きをする市区町村によって利用できるカードリーダーは異なります。従って、今まで使っていたカードリーダーがそのまま利用できるかは、公的個人認証サービスポータルサイトなどから確認が必要となります。

4.個人番号カードでできること
 個人番号カードには大きく分けて3つの利用箇所があり、それぞれを利用することにより様々なサービスが提供されることになります。
(1) カード券面による利用(個人番号)
 表面は金融機関等本人確認の必要な窓口において身分証明書として、また裏面は個人番号の提示を求められた際に使用できます。
 マイナンバー制度導入後は、就職、転職、出産育児、病気、年金受給、災害等、多くの場面で個人番号の提示が必要となります。その際、通知カードであれば、運転免許証や旅券等他の本人確認書類が必要となりますが、個人番号カードがあれば、一枚で番号確認と本人確認が可能となります。

(2)ICチップの空き領域の利用
 個人カードのICチップには空き領域があり、この領域は地方自治体の条例または国の機関等は総務大臣の定めるところにより独自のサービスが可能となります。
  市区町村  :印鑑登録証、コンビニ交付、証明書自動交付機
  都道府県  :都道府県立図書館の利用者カード
  国の行政機関:国家公務員の身分証明機能(入退館管理)

(3)電子証明書の利用(署名用電子証明書、利用者証明用電子証明書)
 個人番号カードには、ICチップに、「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」という、公的個人認証サービスによる2つの電子証明書が標準的に搭載されます。 
 これら2つの電子証明書については、2016(平成28)年1月から総務大臣が認める民間事業者も使用可能となります
①署名用電子証明書
 氏名、住所、生年月日、性別の4情報が記載され、e-Taxの確定申告など電子文書を送信する際に使用できます。
②利用者証明用電子証明書
 マイナポータルやコンビニ交付の利用時等、本人であることを証明する際にその手段として使用できます。

 以上のようにメリットだけを考えれば利用価値があるようですが、民間でも利用できたり、将来キャッシュカード機能を持たせる予定があるなど問題はないのでしょうか。次回は住基カードとの比較とともに考えていきます。

           参考資料  住民基本台帳カード総合情報サイト
                 公的個人認証サービスポータルサイト
                 個人番号カード総合サイト
                 総務省 マイナンバー制度と個人番号カード

| 納税環境整備 | 09:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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租税教育の現状

-租税教育の現状-
 
今回は租税教育に関しての話です。
皆さんは小学校~高校までの期間、学校で租税教育を受けたことがあるでしょうか?
私の周りではあまり聞きません。たまに「税」に関する作文を書かされたという人がいるぐらいです。
そこで今回は、教育現場では租税教育がどのくらい行われているのかを調べてみました。
日本税理士会連合会では2003年度(平成15年)から全国の学校で租税教室を実施し、その統計結果を発表しています。それが以下の図1になります。
小学生~高校生までが中心ですが、統計を始めた2003年(平成15)当時では全国で333件でしかありませんでした。それが年々増加して2008年(平成20)では3647件、2013年(平成25年)度では7650件と開催実績が増えてきています。

図1  税理士会による租税教室実施状況
2003年 333件
2004年 821
2005年 1,254
2006年 2,216
2007年 2,855
2008年 3,647
2009年 3,874
2010年 4,634
2011年 5,433
2012年 6,518
2013年 7,650

それではなぜ租税教育が増えてきているのでしょうか?
租税教育が大きな転機を迎えるきっかけとなったのは、2010年(平成22年)12月に公表された、「2011年(平成23年)度税制改正大綱」に納税環境整備の一環として官民が協力して、教育現場における租税教育の充実が盛り込まれたことにあります。
これを受けて、日本税理士会連合会では租税教育の目的・租税教育における税理士の役割などを2011年4月21日に「租税教育基本指針」として制定しています。
さらに2011年11月16日に、文部科学省、総務省及び国税庁を構成員とした「租税教育推進関係省庁協議会」を発足し、これにより教育現場における租税教育受け入れの協力体制が出来、積極的に展開されてきています。
日本税理士会連合会・国税庁などでは、租税教育の指導要領やビデオでの内容説明などをホームページでも見ることが出来るようになっています。学生だけでなく一般社会人にも幅広く広報活動をしていることが伺えます。
具体的な支援としては、教育現場への、国税庁の税務職員や税理士会からの税理士の派遣など、税務の専門家を派遣して租税教育をしているそうです。
次代を担う児童・生徒等が、民主主義の根幹である租税の意義や役割を正しく理解し、社会の構成員として税金を納め、その使い道に関心を持ち、さらには納税者として社会や国の在り方を主体的に考えるという自覚を育てることを目的に、租税教育の充実に向けて支援を行っています。
「税」というと難しくとらわれがちですが、「税」に携わっている我々の役割としては、いかに分かり易く、そして皆さんに関心を持ってもらえるか、日々研究し指導していくのかが、使命だと考えています。


                  参照 :日本税理士会連合会HP
                      国税庁 HP

| 納税環境整備 | 15:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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マイナンバー法の影響と対策

-マイナンバー法の影響と対策-

やっと、マイナンバー法(正式名称は社会保障と税の一体改革法)が3月下旬からテレビ放映や各家庭の新聞のチラシに掲載し始めてきましたね。
いままでこの法律の大枠の情報は出ていたが、具体的な活用法や実例についてはまだ無かった。3月30日付の日本経済新聞での調査でも、まだまだマイナンバー法を知らない人達が8割以上いるとの調査結果がでています。
そして、マイナンバー法へのシステム対応が出来ている企業はまだ2割にとどまっており、更に検討段階・未着手として作業に入っていない企業は6割も占めており、対応の遅れが指摘されています。特に我々税理士の顧問先でもある中小・零細企業では、まだほとんどの企業が対応をしていないのが実情です。
ところでマイナンバーとは、個人情報を1つの番号で管理するために日本国内で暮らすすべての人に割振られる12桁の番号だ。
2015年(平成27年)10月から通知が始まり2016年から導入される。
原則、一生涯同じ番号を利用する、特に社会保障と税、災害分野に限定して利用される法律である。
また、個人だけでなく企業にも、13桁の法人番号を割振り、商号や所在地に紐づけさせる予定である。
この制度は、税や社会保障の徴収を効率化し利便性も高める目的だが、いままで年金分野の詳細な活用法は公表されていなかった。
今回の公開情報では、年金分野で特に効果が見込まれるのが未納対策だと述べている。厚生年金に加入している約250万事業所のうち約80万事業所で未納があるという。割合でいえば32%の事業所で未納があるという事である。
これらの企業は給与から天引きした保険料を納めておらず、運転資金等に使ってしまっているのだろう。該当する従業員は保険料が未納となり、将来受けとる年金が減額してしまう可能性さえある。今までこれらの有効対策が打てていなかったが、今後は番号の一元管理で、国税庁が持つ企業の源泉徴収データを日本年金機構が共有できるようになり、従業員に給与を支払っているのに厚生年金保険料を納めていない企業を簡単に割り出せるようになり、業務の効率化が期待されているという。今後は悪質な企業に対しては財産の差し押さえを含めた強制徴収が増えるだろう。これは個人の国民年金や健康保険も同様のことがうかがえる。
法務省によると、全国の市区町村の約98%ですでに電子化を終えているという。
あと6ヶ月後には国民全員に番号が付されることになるが、今の状況下で来年の1月からの実施が間に合うのか不安である。
特に企業に対しては早めの対策が必要になる。株式会社TKCでは下記のようなチェックリストを用意し、企業の早めの対応を促している。参考にして欲しい。

「マイナンバー法・事前チェックリスト」
1 マイナンバー法導入までのスケジュールを確認したか。
2 番号制度に関係する自社の業務を洗い出したか。
3 個人番号の取得と本人確認手続き、行政機関等に提出するまでの業務フローを明確にしたか。
4「特定個人情報の適正な取り扱いに関するガイドライン(事業者編)をチェックし、自社に関係する項目を洗い出したか。
5 個人番号を適切に管理する為の仕組みづくりを始めたか。
6 特定個人情報を取り扱う担当者を明確にし、システムへのアクセスを制御する体制を整えたか。
7 番号制度の内容に関して社内研修を実施し、社員への周知徹底を図ったか。

以 上

          参照  日本経済新聞 2015年3月15日・30日朝刊
              国税庁HP
              番号制度の影響と対策  ㈱TKC出版

| 納税環境整備 | 12:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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